Statistical Mechanics C
Numbering Code | U-SCI00 33224 LJ57 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | 3rd year students or above | Target Student | |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.2 |
Instructor name | KAWAKAMI NORIO (Graduate School of Science Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
統計力学Cは、量子統計物理学の基礎を理解することを目的としている。これは、統計力学を量子系へ展開するという側面と、量子力学を多体系に拡張するという側面をもつ。量子統計力学で特に重要となる、ボース・フェルミ統計性に由来する量子現象と相転移について具体例を交えつつ講義を行う。 |
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Course Goals | 量子統計力学に関する基本的事項を理解する。学んだ現象に関して、数式のみに頼らず具体的なイメージを抱けるようにする。 | ||
Schedule and Contents |
量子力学の基本事項の復習をした後に、ボース統計・フェルミ統計と関連する量子現象、原子・分子の電子状態、量子系における自発的対称性の破れと相転移などをとりあげる。以下の項目を中心に講義を行う。 (1)量子力学の復習 【1週】: 物理量と演算子、行列表示、波動性と量子化などの復習をする。 (2)量子統計に従う理想気体 【1週】: 量子統計としてボーズ統計とフェルミ統計を導入する。 (3)ボーズ粒子系とボース・アインシュタイン凝縮 【2-3週】: ボース・アインシュタイン凝縮に続き、調和振動子における量子効果、 ボーズ型素励起の熱力学について紹介する。 (4)理想フェルミ粒子系の性質【2-3週】: フェルミ縮退に起因する低温での線形比熱、パウリ帯磁率などを紹介する。 (5)磁場中のフェルミ粒子系【2-3週】: ランダウ量子化とフェルミ統計性により、量子振動現象やランダウ 反磁性が現れることを見る。 (6)原子・分子の量子力学的取り扱い 【3-4週】: 原子の電子状態に対するHartree-Fock 近似、その応用例としてヘリウムの 基底・励起状態の理論、さらに分子の電子状態の取り扱いを紹介する。 (7)量子系における自発的対称性の破れと相転移 【2-3週】: 相転移の例としてHeisenberg模型の平均場近似による取り扱いを紹介し、 自発的対称性の破れと相転移について議論する (8)スピン波の理論【1-2週】: 南部ゴールドストーンモードの典型例としてスピン波の理論を紹介する。 (9)フィードバック方法は別途連絡。 |
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Course Requirements | 「量子力学」「統計力学A」「統計力学B」「統計力学演習2」を履修していることが望ましい。 | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業の進行にあわせて、2回程度のレポートを提出してもらう。 |