Physical Chemistry IV

Numbering Code U-SCI00 44608 LJ60 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 4th year students or above Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.1
Instructor name ADACHI SYUNSUKE (Graduate School of Science Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 「物理化学III」では、微分方程式を使って化学反応における化学種の濃度変化を記述する化学反応速度論を学んだ。「物理化学IV」では、この現象論で扱われる反応速度が分子の電子状態や核の運動とどのように関連づけられるかを議論する。このような分野を化学反応動力学と呼ぶ。

化学反応の途上で起こる分子の電子状態や構造の変化といった現象は非常に高速で、これを実際に観測するためには最先端の超短パルスレーザーを用いる必要がある。本講義の後半では、超短パルスレーザーの基礎(レーザーパルスの発生、パルス幅測定等)とその分光応用について平易に説明する。
Course Goals 化学反応が分子の微視的状態とどのように関連付けられるかを理解する。
超短パルスレーザーおよびその分光応用についての基礎的事項を理解する。
Schedule and Contents 以下の内容で講義を進める。ただし、各項目や順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて変更することもある。
1. 分子の衝突と化学反応(第1回~第3回)
2. ポテンシャルエネルギー曲面、反応ダイナミクス(第4回~第6回)
3. エネルギーの統計的分配、遷移状態理論(第7回~第9回)
4. 超短パルスレーザーの基礎(第10回~第12回)
5. 超高速レーザー分光(第13回~第14回)
6. フィードバック(第15回)
Course Requirements 初等的な量子化学、統計熱力学、化学反応速度論の学習を終えていることが望ましいが、必要な知識はその都度説明する。
Study outside of Class (preparation and review) 一般教養程度の量子化学や統計熱力学、古典力学や電磁気学の知識があると理解の助けになるので、既習者は復習しておくとよい。
References, etc. はじめての化学反応論, 土屋荘次, (岩波書店), ISBN:4-00-005834-7
分子衝突と化学反応, レヴィン・バーンスタイン, (学会出版センター), 反応動力学の入門書として最も著名な教科書の第1版。1970年代の古い本だが、基礎に記述が限られており初学者には理解しやすい。
分子反応動力学, R. D. Levine, (丸善出版), ISBN:978-4-431-10044-7, 上記の第三版。化学反応ダイナミクスをしっかり学びたい人に薦める。やや難。
Reaction dynamics, M. Brouard, (Oxford ), ISBN:0-19-855907-0
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