Geophysical Continuum Mechanics｜Kyoto University OpenCourseWare

Keyword

Select category

Faculty/Graduate School

Geophysical Continuum Mechanics
Back
JP / EN

Numbering Code	U-SCI00 22404 LJ58	Year/Term	2022 ・ First semester
Number of Credits	2	Course Type	Lecture
Target Year	2nd year students or above	Target Student
Language	Japanese	Day/Period	Mon.4
Instructor name	MIYAZAKI SHINICHI (Graduate School of Science Professor)
Outline and Purpose of the Course	大気・海洋・固体地球を理解する上で，これらを流体や弾性体といった連続体として扱うことが多い。本授業では，この連続体と呼ばれる変形する物体の力学の基礎を理解することを目的とする。具体的には，(1) 連続体の内力である応力を導入し，(2) 物理量の保存則に基づいて基礎方程式を導出し，(3) 変形や渦を定量的に表現し，(4) 応力と変形の関係に基づいて連続体の物性を議論する。(5) これらをもとに，ニュートン流体や線形等方弾性体の運動方程式を導出する。いずれも，流体力学や弾性体力学を理解するために必要となる基礎的な内容である。
Course Goals	（１）連続体の概念を理解する。（２）物理量の保存則から連続体の基礎方程式が導かれることを習得する。（３）応力テンソル，歪テンソル，渦度などの概念を習得する。（４）流体力学および弾性体力学の基礎を習得する。（５）連続体力学でよく使う物理数学（ベクトル解析，テンソル）に習熟することができる。（６）レポート課題を通して，学習した概念や方程式の意味を理解することができるようになる。
Schedule and Contents	以下の各項目について講述する。各項目には【】で指示した週数をあてる予定だが，授業で扱う順序も含めて，進度や受講生の理解の状況に応じて変更することもある。したがって，下記の一部の項目を扱えない場合もある。 1. 連続体の概念【１週】 2. 連続体の基礎方程式【6週】　　ラグランジュ表現とオイラー表現，応力テンソル，基礎方程式（連続方程式・運動方程式・応力テンソルの対称性・エネルギー方程式）の導出 3. 変形と変形速度【2週】　　歪みテンソル，歪み速度テンソル，回転，渦度 4. 連続体の構成方程式【３週】　　線形等方弾性体の構成方程式と弾性定数，ニュートン流体の構成方程式と粘性係数 5. ニュートン流体の運動方程式とエネルギー方程式【1週】　　ナビエ・ストークス方程式，粘性散逸 6. 線形等方弾性体の運動方程式【1週】　　ナビエの方程式，ひずみエネルギー
Course Requirements	「物理学基礎論Ａ」（全学共通科目）程度の力学の知識を前提とする。基礎的な微分積分や線形代数の知識は前提とするが，ベクトル解析など必要な物理数学については授業中に説明しながら進める。また必須ではないが，「熱力学」（全学共通科目）および「力学続論」（全学共通科目）を履修していると理解の助けになる。
Study outside of Class (preparation and review)	（１）特定の教科書に沿わずに基本的に板書で進めるので，ノート・配布資料・参考書をもとにして復習することを勧める。（２）学期中に数回レポート課題を課すので，学んだことを理解するきっかけとして利用してほしい。（３）予習する場合は，適当な参考書（ここに挙げた本である必要はない）中の，上記「授業計画と内容」に挙がっている項目をあらかじめ読むと理解が深まる。
Textbooks	Textbooks/References	教科書は使用しない。プリント等を配布することがある。
References, etc.	連続体の力学（岩波基礎物理シリーズ　新装版）, 巽友正, (岩波書店), ISBN:978-4000299046, 連続体力学の基礎から流体力学と弾性体力学の基礎に至るまで丁寧に書かれている。連続体力学の話法, 清水昭比古, (森北出版), ISBN:978-4627947917, 流体力学や弾性体力学を学ぶために必要な連続体力学の考え方がわかりやすく書かれている。流体力学（新物理学シリーズ21）, 巽友正, (培風館), ISBN:978-4563024215, 流体力学を学ぶ方は必ず読んでおきたい名著。物理の数学（岩波基礎物理シリーズ　新装版）, 薩摩順吉, (岩波書店), ISBN:978-4000299121, 物理数学に不安がある人が適宜参照するのに適した本。テンソル　ー科学技術のためにー, 石原繁, (裳華房), ISBN:978-4785310684, テンソルの解説書。応力・歪みの章もある。弾性体力学, 中島淳一・三浦晢, (共立出版), ISBN:978-4320035157, 固体地球物理学者が書いた演習形式の弾性体力学の教科書。応力，歪，構成方程式なども含まれている。連続体力学の教科書はいろいろと出版されているので，上にあげた参考書にとらわれず，気に入ったものを使うことを勧める。