General Astronomy

Numbering Code U-SCI00 22300 LJ56 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year 2nd year students or above Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.2
Instructor name MINESHIGE SHIN (Graduate School of Science Professor)
Outline and Purpose of the Course 天文学は最も古い学問の一つであると同時に,テクノロジーの発展とともに特に20世紀後半から目ざましい発展をとげている新しい学問でもある。かつては地上からの可視光観測が宇宙を調べるほぼ唯一の手段だったが,いまや電磁波は全波長をカバーし、加えて宇宙線(粒子)や重力波など新手段による観測が常態化している。また,計算機の急速な発展も,天体現象の理解進展に大きく寄与している。その結果得られた宇宙像を,太陽から恒星・惑星系・コンパクト天体、銀河系・系外銀河・宇宙論に至るまで,物理学を中心とする他の学問との関わりに言及しつつ解説する。授業においては、個々の細かい観測事実の羅列を避け,宇宙の活動性や進化の過程を各自が自分の頭で考え,理解を深めることに重点を置く。究極の目標は、宇宙の学びを通して,わたしたちが今,ここにいることの意味を科学的に理解することである。
Course Goals ・雑多な知識というよりも、天文学的な考究方法(オーダー評価、基礎過程の吟味から方程式をたてるまでのプロセス、不安定性と活動性との関係)を理解し習得する。
・課題(レポート)に対して自主的に、かつ(たとえ未完成であっても)オリジナルな考えをもつ能力を養う。
・将来、どの分野に進むことになろうとも、講義であつかった内容が活かすことができるだけの(宇宙理学に関する)基礎知識および考え方を自分のものとする。
・わたしたちが,今,ここにいることの意味を,各自それぞれの問題意識において科学的に考える機会と経験を得る。
Schedule and Contents 次の内容についてそれぞれ1~3回ずつ、計14回の講義(と試験とフィードバック)をする。受講者の背景や理解の仕方の状況に応じて回数を決める。
1.はじめに(宇宙科学を学ぶ意義、学ぶための準備)
2.太陽(太陽概観、エネルギー源、内部構造とその検証、大気構造)
3.惑星(太陽系惑星と衛星、太陽系形成論、太陽系外惑星)
4.恒星(いろいろな恒星、恒星内部の原子核反応、恒星進化、恒星形成)
5.コンパクト天体(白色矮星、中性子星、ブラックホール)
6.銀河系と銀河宇宙(星間物質、銀河系の姿、様々な銀河、活動銀河)
7.現代の宇宙論(膨張宇宙、宇宙モデル、ビッグバン宇宙論)
それぞれ、最初に画像などを使って概要を示した後、基本事項を板書で説明する。
第15回 フィードバック
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 予習の必要は必ずしもないが、講義では(多くの学生にとって)新しい考え方が随所にでてくるため、その積み重ねとなる後半の講義を理解するために、毎週30分程度の復習することが望ましい。
Textbooks Textbooks/References ファーストステップ 宇宙の物理, 嶺重 慎, (日本評論社), ISBN:978-4-254-13125-3
宇宙科学入門 第二版, 尾崎洋二, (東京大学出版会), ISBN:978-4-13-062719-1
『ファーストステップ 宇宙の物理』および『宇宙科学入門」を併用する。これらの教科書ではじつに多くの事項が網羅されているが、授業ではその中から、より原理的・基礎的なことがらをピックアップして講述する。
References, etc. 宇宙と生命の起源~ビッグバンから人類誕生まで, 嶺重慎・小久保英一郎(編著), (岩波書店), ISBN:4-00-500477-6, 岩波ジュニア新書477
宇宙と生命の起源2~素粒子から細胞へ, 小久保英一郎・嶺重慎(編著), (岩波書店), ISBN:978-4-00-500777-6, 岩波ジュニア新書777
ここにあげた岩波ジュニア新書の2冊は、「ジュニア向け」と銘打って比較的平易に書かれているものの、内容は大学初年度から専門課程向けで、授業をより深く、あるいは発展的に理解するのに有用な書物である。オムニバス形式の本で、テーマごとにそれぞれの専門家が執筆している。興味に合わせて参考にしてほしい。
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