5231002 History of Western Philosophy

Numbering Code U-LET02 35231 LJ34 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name KIHARA SHINO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 本講義では、初期ギリシア哲学における生命と身体についての根本的な洞察を明らかにすることを目指す。とりわけヘラクレイトス哲学における魂、流転、対立抗争、遊戯、ロゴスなどのトピックを中心に取り上げ、そしてその思想内容がのちのギリシア哲学や医学に受容された展開をも辿りたい。ヘラクレイトスは物質的な位相に注目しながら、生と死の対立と一致について語り、一方ではその身体理解はヒッポクラテス派の医学思想に受容され、他方ではその魂理解はソクラテス、プラトン哲学へと通じている。このように、ギリシア哲学者たちの生命や身体の語りは、ヘラクレイトスを分節点として深化をみてとることができる。さらに、初期の哲学者の中でもヘラクレイトスは独自の存在論を展開しており、ニーチェ、ハイデッガーなどの現代哲学者たちが、自らの存在理解に引き付けてヘラクレイトスの魂概念やロゴス概念に言及していることも極めて興味深い。近年の研究動向を踏まえると、ヘラクレイトスをはじめ、いわゆる「ソクラテス以前」へのアプローチは見直しの時期に差し掛かっているとも言える。彼らの「断片」をめぐり、伝統的解釈の枠組みを捉え直すこの研究動向を踏まえ、ヘラクレイトスの思想内容を丁寧に読み解きたい。
Course Goals ・古代ギリシア哲学の諸問題について理解し、個々のトピックについて自ら考え、議論展開することができる。
・初期ギリシア哲学の受容史を理解し、生命や身体についての問題関心を深めることができる。
Schedule and Contents 一日目:「ソクラテス以前」とは? Vorsokratiker, Presocratics という名称の見直し
 第一回:ピロソピアーの概念化と自然の探究
 第二回:ヘラクレイトスのピュシス概念
 第三回:議論のまとめと検討

二日目:ヘラクレイトスにおける対立抗争の哲学
 第四回:流転説との関連
 第五回:ニーチェやハイデガーによる存在理解として(遊戯、ロゴス)
 第六回:議論のまとめと検討

三日目:初期ギリシア哲学における魂概念
 第七回:タレスからプラトンまでの魂概念の系譜
 第八回:ヘラクレイトスの魂理解:生と死の対立と一致
 第九回:議論のまとめと検討

四日目:初期ギリシア哲学におけるロゴス概念
 第十回:ヘラクレイトスの語りの独自性:言葉・尺度・規範としてのロゴス
 第十一回:ロゴスと流転,コスモスの生命性
 第十二回:議論のまとめと検討

五日目:古代医学思想へのヘラクレイトス受容
 第十三回:身体内の不均衡としての病:全体論的な視点
 第十四回:ヒッポクラテス、プラトン、アリストテレスの身体論への展開
 第十五回:議論のまとめと試験
Evaluation Methods and Policy トピック毎(一日につき一トピック)のリアクション・ペーパー(30%)と、最終回の筆記試験(70%)の合計により総合的に評価します。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) リアクション・ペーパーを何度か配布しますので、集中講義内で不明な点があった場合は記入してください。
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