5131002 Philosophy

Numbering Code U-LET01 35131 LJ34 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name FUJIKAWA NAOYA (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 現代語用論の基礎と応用言語哲学について学ぶ。
(1) 現代語用論の基礎:言葉を用いたコミュニケーションは、私たちが日々行う協調的な活動を支える基本的な仕組みの一つであると同時に、それ自体が協調的な活動でもある。本講義の前半では、現代語用論の礎となっているいくつかの理論的概念(会話的推意、共通基盤、発語内行為)をそれらの出自にまで辿って紐解きながら、コミュニケーションにおける協調性の役割を詳らかにする。
(2) 応用言語哲学:私たちは協調的なコミュニケーションを可能にするためのさまざまな仕組みを共有している。ここではそうした仕組みの中でも、特に言葉の意味や使い方に関する社会で共有された取り決めをコミュニケーションインフラと呼ぶ。本講義の後半では、人工物としてのコミュニケーションインフラの可変性、コミュニケーションインフラに対する脅威としての様々な言葉の悪用、多様性と包括性を踏まえたコミュニケーションインフラの改良について論じる。
Course Goals 現代語用論の基礎概念とその理論的背景を理解する。
言語哲学を実社会の問題への応用する手法について学ぶ。
Schedule and Contents 基本的に講義形式で行う。グループディスカッションの時間も設ける。

(1) 語用論の基礎
(i) グライスのコミュニケーション理論
第一回 グライスのコミュニケーションの一般理論
第二回 会話的推意
第三回 協調性と合理性

(ii) 言語行為と共通基盤:私たちは言葉で何をやり取りしているのか
第四回 発語内行為と共通基盤の変化
第五回 相互信念としての共通基盤
第六回 相互コミットメントとしての共通基盤

第七回 中間のまとめ

(2) 応用言語哲学
(iii) コミュニケーションインフラとは?
第八回 協調的なコミュニケーションを可能にする仕組みとしてのコミュニケーションインフラとその可変性:概念工学と言語行為工学

(iv) コミュニケーションインフラに対する脅威
第九回 言い逃れの意味論・語用論:ほのめかし、隠語、イチジクの葉ともっともらしい否認可能性
第十回 欺きが生み出す不信と過信
第十一回 言葉の意味を捻じ曲げる:意味をめぐる争いと言葉のハイジャック
第十二回 コミュニケーションインフラに対する脅威にどのように立ち向かうか

(v) コミュニケーションインフラを改良する
第十三回 「私たちのインフラ」とは誰のインフラなのか:解釈的不正義、言語行為的不正義、コミュニケーション弱者とインフラの整備
第十四回 コミュニケーションをゆるめる

第十五回 全体まとめ
Evaluation Methods and Policy 授業内に4回程度出題する課題に基づいて評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業時に指示する課題に取り組むこと。
Textbooks Textbooks/References 教科書はとくに使用しない。適宜資料をこちらから配布する。
References, etc. Bad Language, Herman Cappelen and Josh Dever , (Oxford University Press, 2019), ISBN:978-0198839651
ガチガチの世界をゆるめる, 澤田智洋, (百万年書房, 2020)
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