7331025 Sociology
Numbering Code | U-LET30 17331 LJ45 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | special lecture |
Target Year | Target Student | ||
Language | Japanese | Day/Period | Mon.4 |
Instructor name | OCHIAI EMIKO (Graduate School of Letters Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
歴史社会学と比較社会学は時空を超えて社会の構造を比較する方法である。社会学とは社会の構造を明らかにする学問であるとすれば、社会学の王道と言ってよいだろう。ある社会の構造はその社会だけを観察しても十分にはわからない。他の構造をもつ社会と比較することにより初めて明らかとなることもある。 本講義では、そのような意図をもって実施した2つのプロジェクトの方法と成果を紹介することを通じて、日本家族および日本社会とはどのようなものであるかを考える。日本家族は「家」と呼ばれ、日本社会論の要の位置を占めてきた。 前半は、歴史人口学のプロジェクトを扱う。アナール学派、ケンブリッジグループなどの社会史研究の方法的柱のひとつである歴史人口学は、国際比較が発達した学問分野である。1990年代後半から実施したユーラシアプロジェクトおよびそれ以降の成果を中心に紹介し、「家」らしい日本家族が徳川時代の終盤に成立した過程を宗門人別改帳のデータベースを用いた分析結果から再現する。 後半は、アジア諸国の国内でもっとも影響力のある学問的業績を収集し翻訳して共有する「アジアの知的共有財産」プロジェクトの最初の成果であるAsian Families and Intimacies (Sage, 2021)および『リーディングス アジアの家族と親密圏』(有斐閣 2022年)に基づき、家族とジェンダーのグローバルヒストリーを貫く論理を考察する。 全体を通じて、世界の家族とジェンダーについての全体像を描くと同時に、日本とは何かという問いに答えを出したい。 |
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Course Goals |
1 歴史人口学の方法と成果の概要を学ぶ。 2 家族とジェンダーのグローバルヒストリーを貫く論理について考える力をつける。 3 家族とジェンダーに注目することにより、日本とは何かという問いにどのような答えを出せるかを論じられるようになる。 |
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Schedule and Contents |
1 歴史社会学と比較社会学の社会理論 2 歴史人口学という方法 3 歴史人口学と家族史 4 家と直系家族 5 徳川日本のライフコース 6 徳川日本の家族と地域性 7 日本化する日本家族 8 アジアの重層的多様性 9 父系的社会 10 双系的社会 11 双系的社会の父系化 12 近代化による疑似父系化 13 グローバル化 14 家族とジェンダーのグローバルヒストリーと日本 15 質疑と討論 第9~13回では、受講者が参考書中の章を読んで内容を発表する機会を設ける。 |
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Evaluation Methods and Policy | 期末レポートにより評価する。 | ||
Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 参考書を読み、発表の準備をするなど。 | ||
References, etc. |
リーディングス アジアの家族と親密圏, 落合恵美子・森本一彦・平井晶子編, (有斐閣, 2022) Asian Families and Intimacies, OCHIAI Emiko and Patricia UBEROI eds. , (Sage, 2021) 徳川日本のライフコース――歴史人口学との対話, 落合恵美子編, (ミネルヴァ書房,2006) 徳川日本の家族と地域性――歴史人口学との対話, 落合恵美子編, (ミネルヴァ書房,2015) Japanizing Japanese Families: Regional Diversity and the Emergence of a National Family Model through the Eyes of Historical Demography, Ochiai Emiko and Hirai Shoko eds., (Brill, 2022) |