7431012 Geography

Numbering Code U-LET31 37431 LJ39 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name SUZUKI KOSHIRO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  大学における講義で提供されるのは、各々の学識経験者を通じた先人の預言であることが多い。しかし、往々にしてその預言者たちは、成績評価を下すという儀礼を繰り返すことによって、あたかもその研究領域の神であるかのように振る舞う行為を内在化し、(必ずしも優秀とは限らない)預言者にすぎぬ自身の姿を、シラバスや授業過程の中に隠匿しようとする。
 本講義は、特殊講義と銘打たれている。この科目の特殊性を鑑み、私は浅学菲才の一学生が研究者・教育者となっていく過程を、聴講者と疑似的に共有することを試みる。何が預言者自身を地理学へと向かわせたのか、学問することの面白さや厳しさとは何かを、できる限り一人称に近い形の、生きた学びとして提供したい。その試みを通じて、結果的に地理学を学問する行為の面白さが伝わることを、本講義の狙いとしている。
 今、あなたが獲得したいのは、先人たちによって磨かれた知識体系としての地理学だろうか。もしそうなら、あなたは受講すべきは概論であってこの講義ではない。しかしあなたが、自身も地理学を学び続けながら、次の世代にその学びを伝えることを許された一個人の経験を通して、研究する行為をより等身大に近い形で追体験したいなら、あなたは本講義の受講者であり、大いに歓迎する。
 講義提供者の専門領域は行動地理学(認知地図研究)、社会地理学(景観紛争)、文化地理学(怪異の地理学)、背景知識としての観光学に跨る。聴講を通じて、特にこれらの分野について、より深い理解が得られるであろう。
Course Goals 講義提供者の専門分野(景観紛争や観光の地理学など)を中心とする人文地理学の基礎的な考え方や見方を学ぶとともに、その知見を活用して「学問する」知的職人としての態度を身につけることをめざす。なお、講義提供者は人文地理学者であるため、自然地理学の内容は(ほとんど)提供されない。
Schedule and Contents 基本的に以下のプランに従って講義を進める。ただし、タイトルは変更可能性があり、講義の進展状況に対応して順序やテーマ内の回数を変えることがある。

Ⅰ.研究で身を立てる
 1.オリエンテーション:人文地理学とは何か
 2. 地理学と空間認知Ⅰ
 3. 地理学と空間認知Ⅱ
 4.生物学者との対話

Ⅱ.研究で社会と向き合う
 5.世界遺産と文化的景観
 6.景観紛争のポリティクス
 7.住民意識の空間的次元

Ⅲ.エンパワーメントの試み
 8.演習:紛争解決に参画してみよう①
 9. 演習:紛争解決に参画してみよう②
 10. 地理学者としてのADR

Ⅳ.「好き」を研究にする
 11.音楽における近代化
 12. 近代音楽におけるリージョナリズム
 13.クリエイティブ・クラスとユダヤ人

Ⅴ.地理学の未来を育て、未来を考える
 14. 怪異の地理学
 15. 研究するまなざしの獲得
Evaluation Methods and Policy 授業内の小課題(30点)、レポート(70点)により評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 毎回、簡単な課題を出すので、提出してください。
Textbooks Textbooks/References 資料を配布します。
References, etc. Ⅲ.エンパワーメントの研究は演習を行いますが、新型コロナの感染拡大状況が予断を許さないため、場合によっては差し替える可能性があります。
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