6831009 West Asian History

Numbering Code U-LET25 36831 LJ36 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name IGARASHI DAISUKE (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  10世紀のイスラーム文明圏は、アッバース朝カリフの弱体化とともに政治的統一性が失われ、各地に軍人政権が登場する、新たな時代を迎える。その中で、軍事奴隷(マムルーク)のクーデターにより成立し、エジプト・シリアという東方アラブ世界(マシュリク)の中心部分を支配したマムルーク朝(1250-1517)は、東方のモンゴル、西方の十字軍といった外敵を退けて軍事的な覇権を確立するとともに、メッカ・メディナの二聖都を保護下に置き、モンゴルによって滅亡したアッバース朝カリフを首都カイロに新たに擁立することで、イスラーム世界の盟主的存在となった。この王朝のもと、エジプト・シリアは経済的繁栄を謳歌するとともに、それ以前からのイスラーム的伝統を受け継ぎながら学術・文化活動が花開いた。本講義は、このようなマムルーク朝史に関する重要なトピックについて、近年の研究動向を踏まえながら、学ぶ。
Course Goals  中期イスラーム時代の西アジアの歴史を、イスラーム世界の歴史全体の中に位置づけ、その特徴を理解し、説明できるようになる。
 マムルーク朝史を中期イスラーム時代の西アジアの歴史の中に位置づけ、その特徴を理解し、説明できるようになる。
 マムルーク朝史研究に関する近年の動向と議論について理解し、説明できるようになる。
Schedule and Contents 基本的には以下の授業計画にしたがって進めていくが、内容や順序は固定したものではなく、担当者の方針と受講者の背景や理解に応じて担当者が適切に決める。

第1回:イントロダクション(本講義の目的と概要)
第2回:マムルーク朝史とマムルーク朝研究史(概論)
第3回:中期イスラーム時代(1000-1500)の西アジアとマムルーク朝
第4回:アヤロニズムと奴隷軍人論
第5回:マムルーク朝の成立をめぐって
第6回:マムルーク朝体制確立期の諸問題
第7回:政治史から見るマムルーク朝史の時代区分
第8回:「マムルーク関係(Mamluk ties)」をめぐる議論
第9回:「マムルーク化(Mamlukization)」をめぐる議論
第10回:マムルークの家族と女性
第11回:社会経済史から見るマムルーク朝史の時代区分
第12回:地方行政とイクター制
第13回:マムルーク体制とワクフ
第14回:マムルーク社会とワクフ
第15回:まとめ
Evaluation Methods and Policy レポートにより評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業の中で紹介した参考文献を参照すること。関連URLから関連する論文を調べ参照すること。
References, etc. イスラームの都市社会:中世の社会ネットワーク, アイラ・M・ラピダス, (岩波書店,2021年), ISBN:9784000614689
新装版 マムルーク:異教の世界からきたイスラムの支配者たち, 佐藤次高, (東京大学出版会,2013年), ISBN:9784130065115
西アジア史1 アラブ(新版世界各国史8), 佐藤次高編, (山川出版社,2002年), ISBN:9784634413801
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