5551001 Philosophy of Religion
Numbering Code | U-LET07 25551 LJ34 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | reading | |
Target Year | Target Student | |||
Language | Japanese | Day/Period | Thu.2 | |
Instructor name | NEMU KAZUYUKI (Part-time Lecturer) | |||
Outline and Purpose of the Course | 政治、社会、経済、教育、文化等、あらゆる面で抑圧され排除され続けてきた黒人たちを対話相手とする黒人解放神学(Black liberation theology)を主導したJames H. Coneの主著God of the oppressed(1975)を読む。コーンは『聖書』の中心的使信は被抑圧者の解放だとし、それこそが抑圧の状況の中で黒人の解放ということを想像可能にさせたと考える。コーンのこの考えは、時代も場所も異なり、なにより「当事者」とは言えない私たちと、しかし無関係ではない。キリスト教の中心的使信は被抑圧者の解放だという理解は、キリスト教とのいかなるものであれ強い関係性のもので成立してきた「宗教哲学」をその土台から揺さぶっているはずだからである。これまで宗教哲学が語ってきた言説は「白人=抑圧者」のものにすぎないのではないか。もっとも、黒人解放神学が政治的イデオロギーと化す可能性はコーン自身にも自覚されているように、コーンの聖書解釈もまた決定的・普遍的なものではありえない。重要なのは実践的な仕方で『聖書』の使信を証ししていくことだというわけである。非西洋圏の現代日本において宗教哲学に携わる私たちに対して本書は重層的で広い射程を持った問いを突きつけるだろう。私たちは何をどう考えていくべきなのか、本書を読みながらその手がかりをえたい。 | |||
Course Goals |
1.英語で書かれた宗教哲学についての議論を正確に理解していくことができるようになる。 2.宗教哲学に隣接するテキストを宗教哲学の思索に活用していくことができるようになる。 3.自分の思索を相対化させる観点を持てるようになる。 |
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Schedule and Contents |
第1回 導入 本講読の進め方を確認し、著者とテキストに関する基本的な事柄の説明等を行う。 第2~14回 テキストの読解と議論等。 第15回 まとめ *フィードバックついては授業内で周知する。 |
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Evaluation Methods and Policy | 平常点50%、学期末レポート50% | |||
Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 訳読中心の授業であり、担当者を特に決めずにランダムにあてていくため、全員予習をして来ること。 | |||
Textbooks | Textbooks/References |
God of the oppressed, ( rev. ed.), James H. Cone, (Orbis Books, 1997), ISBN:978-1570751585
授業中にテキストのコピーを配布する。 |