1831005 Buddhist Studies

Numbering Code U-LET14 31831 LJ36 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Thu.5
Instructor name MUROJI YOSHIHITO (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  ゴータマ・ブッダは、紀元前500年~300年頃の或る時期、ガンジス川の中流域を活動の中心地として、80年の生涯を送った人物である。東アジアに広まる仏教の創始者となる。20代の終わり頃、ブッダは覚醒体験を経て、その数ヶ月後、自覚内容を言葉化したとき、有情/衆生の存在の中核には苦しみがあると宣言する。この真理内容は、「四諦」「五蘊」「縁起」の所説として今に伝わる。このブッダの所説を伝える伝承(ア―ガマ)が、古典インド文化圏における大乗仏教の二潮流の一つ、瑜伽行派の根本論書である『瑜伽師地論』の中において、どのような言葉として伝わり(パ―リに伝承される文言との比較吟味を行い)、また、解説(ヴィバンガ)が行われるのか、サンスクリットで(現存する写本から知られる限りの)当該論書に伝わるアーガマ伝承を主たる検証の対象とし、7世紀の漢訳(玄奘訳)や9世紀のチベット訳を参照しながら精査・考察する。そして、アーガマの中では用語として伝わらない「大悲」なるブッダ固有の特性を表現する仏教術語について、当該論書や大乗経における理解についても考察する。
Course Goals サンクリット原典テキスト、並びに、チベット訳・漢訳の翻訳テキストに対する文献学的分析手法を習得する。
Schedule and Contents  基本的に下記の項目内容に沿った形で、まず、『瑜伽師地論』の概説から始め、ブッダの言葉の伝承(アーガマ)についての基本的知識の確認を行い、『瑜伽師地論』「摂異門分」に伝わるアーガマ、並びに、その中の(ブッダの)用語に対する解説について、注目すべき用語(具体的には、悟りを獲得するための基本的な自己開発能力である「五根」)を取り上げ、文献学的な分析を行う。
第1回 『瑜伽師地論』の概説と、ブッダ所説の伝承(アーガマ)についての基本情報
第2回 ブッダ所説の伝承(アーガマ)、特に、パーリ伝承の「五根」の所説と、『瑜伽師地論』「摂異門分」における「五根」(信・勤・念・定・慧の中、信と勤の)解説について
第3回 『瑜伽師地論』「摂異門分」における「五根」(の中、念・定・慧の)解説について
第4回 『瑜伽師地論』に伝わる「大悲」の伝承について
第5回 『瑜伽師地論』における「大悲」の解説について
第6回 初期の大乗経における「大悲」の説明について
第7回 アビダルマ諸論書、並びに、中観派の諸論書における「大悲」の理解について
第8回~第15回 サンスクリット・テキストの講読
 第8回から第15回は、前期前半で取り上げた各サンスクリット・テキスト箇所について、パーリやチベット訳・漢訳との比較吟味を行いながら、文献学的に精読し、分析を行う。
 なお、前期後半では、学位論文(卒業論文、修士論文、並びに、博士課程論文)の作成を目指している受講者と相談の上で、そのそれぞれの研究対象テキスト(の一部)を精読することも考える。
Evaluation Methods and Policy 平常点。
各授業での講読担当者を予め定めて発表してもらいます。
テキスト解読に対するサンスクリット読解力の程度をもって評価します。
Course Requirements サンスクリット語、パーリ語、古典チベット語を履修済み、または、履修中であること。
Study outside of Class (preparation and review) 授業では講読担当者を予め定めて発表してもらいますが、担当者以外も自らサンスクリット・原典テキスト、並びに、比較吟味すべきチベット訳や漢訳も併せて読み比べ、予習した上で、授業に臨むこと。
Textbooks Textbooks/References テキスト(サンスクリット原典、チベット訳、漢訳、並びに、校訂テキスト)は、適宜、コピー配布します。
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