5431001 Ethics

Numbering Code U-LET06 35431 LJ34 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type special lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name HAYASHI SEIYUU (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  哲学者デイヴィッド・ヒュームは、海外では、イマヌエル・カントと双璧をなす存在として評価が高いものの、国内ではカントによって乗り越えられたとされ、これまで光を当てられることは少なかった。だが、異彩を放つその思想は、後代の各分野、例えば科学哲学、道徳心理学、メタ倫理学などに多大な影響を与え続けている。
 本講義では、ヒュームの哲学思想および倫理思想を全般的に理解することを主たる目標に掲げ、それに関連する哲学史上の諸問題にも触れながら、最終的に、ヒュームの思想の現代における重要性について考察する。
Course Goals ・ヒュームを中心とした近世哲学・倫理学の重要な論点について,状況的背景も含めて理解し,説明することができる
・その上で,関連する議論について批判的な検討を行うことができる
・上記の知識と批判的思考に基づいて,自分の見解を展開し,哲学・倫理学的な議論を行うことができる
Schedule and Contents 01 イントロダクション:講師の自己紹介,ヒュームの生涯とその思想の概要
02 ヒュームの哲学思想-1:ヒュームの因果律批判
03 ヒュームの哲学思想-2:ヒュームの影響---カントの哲学
04 ヒュームの倫理思想-1:理性主義に対する批判その1
05 ヒュームの倫理思想-2:理性主義に対する批判その2
06 ヒュームの倫理思想-3:存在と当為
07 ヒュームの倫理思想-4:ムーアの自然主義的誤謬とフランケナの定義主義的誤謬
08 ヒュームの倫理思想-5:道徳感情論その1:共感
09 ヒュームの倫理思想-6:道徳感情論その2:一般的観点と一般的規則
10 ヒュームの倫理思想-7:ヒュームの正義論
11 ヒュームの倫理思想-8:社会契約論批判
12 ヒュームの倫理思想-9:後継者アダム・スミス?
13 ヒュームの倫理思想-10:ヒュームの徳の規準
14 ヒュームの倫理思想-11:ヒュームと徳倫理学
15 総括
Evaluation Methods and Policy レポート(60%),および授業における意見・質問・議論への参加度などの平常点(40%)で評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 予習として,受講前に,参考書に挙げたヒュームの研究書や翻訳に目を通しておくことが望ましい。また復習として,毎日授業後には,その日に講義で教授された概念や考え方について,自分なりにまとめ直しておくこと。
References, etc. 道徳について: 人間本性論 3, デイヴィッド ヒューム (著), 神野 慧一郎 (翻訳), 林 誓雄 (翻訳), (京都大学学術出版会,2019年), ISBN:978-4814002443
襤褸を纏った徳, 林 誓雄, (京都大学学術出版会,2015年), ISBN:978-4876985494
追加の資料などがある場合には、集中講義期間前に倫理学研究室を通じて受講者に通知するか、授業中に紹介する。
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