1841007 Buddhist Studies

Numbering Code U-LET14 21841 SJ36 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Seminar
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Mon.5
Instructor name SHIGA KIYOKUNI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 8世紀インドおよびチベットにおいて活躍した学僧シャーンタラクシタによる著作『真実集成(Tattvasamgraha)』とその弟子カマラシーラによる『真実集成細注(Tattvasamgrahapanjika)』第9章「業とその報いの関係の考察」を講読する。本著作『真実集成』は独立作品でありながら,ダルマキールティの認識論・論理学の注釈書的な側面も合わせ持っている。本授業では,上記のテキストを精読することを通して,仏教徒の因果論・刹那滅論・業報論に対して,対論者からどのような批判が投げかけられたか,また仏教徒とインド哲学諸派の論争の争点はいかなるものであったかといった問題について考察することを目的とする。当該テキストには,対論者の見解が他の論書等から忠実に引用されている場合も少なくないため,テキストの読解と同時にサンスクリット断片の収集・精査も合わせて行いたい。
 また本著作には様々な学派の見解が引用・紹介されていることから,このテキストを読み解くことを通して7~8世紀インドの思想状況を概観することができる。『真実集成』の他の章(特に第8章「存続する存在の考察」)の記述とも比較しながら,本著作のインド思想史上における位置づけも試みたい。
Course Goals ・サンスクリットおよびチベット語で書かれたテキストを正確に読解することができるようになる。
・テキスト上の問題点に気付き,それを発見・指摘し的確に修正できるようになる。
・先行研究を批判的に検討した上で,独自の意見・見解を打ち出せるようになる。
・電子データをはじめとする周辺資料を駆使することにより,チベット訳テキストをサンスクリット断片と同定できるようになる。
・テキストを読解する過程で遭遇した問題に対して適切に問いを設定し,立論と論証によりそれを解決することができるようになる。
Schedule and Contents 授業では『真実集成』及び『真実集成細注』第9章「業とその報いの関係の考察」を講読する。担当者が作成した校訂テキストを元に,先行研究等を参考にしながら,批判的に精読する。

第1~2回  仏教認識論・論理学(特に刹那滅論と因果論)についての概説
第3~5回 『真実集成』及び『真実集成細注』に関する概説

第6~14回 『真実集成』及び『真実集成細注』第9章の講読と解説(受講生による輪読形式)

第15回   フィードバック

※受講生と議論を交わしながら原典テキストを読み進めるという授業の性格上,授業各回の進度は異なる。
Evaluation Methods and Policy 平常点による。(毎時間の発表が100%)
Course Requirements サンスクリット,チベット語,英語の基本的な読解能力を必要とする。
Study outside of Class (preparation and review) ・講読するテキストを事前に配布するので,その回に読む箇所を事前に精読しておくこと。
・テキスト上の問題点等について,指摘・質問できるよう準備しておくこと。
・その回に読んだ箇所について再度読み直し,授業で議論された問題点等を再度確認しておくこと。
Textbooks Textbooks/References その他,授業中に適宜プリントを配布する。
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