特別講義「倒産処理法(再生・更生・個人破産)」
Numbering Code | U-LAW00 31833 LJ41 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | Target Student | ||
Language | Japanese | Day/Period | Wed.1 |
Instructor name | KASAI MASATOSHI (Graduate School of Law Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
倒産処理法(総論・法人破産)で取り扱った破産法の知識を前提として、民事再生法上の再生手続(主として法人が再生債務者である場合を念頭に置く)と会社更生法上の更生手続という、2つの再建型倒産処理手続について、手続の流れや特徴を説明する。その後、個人のための倒産処理手続(個人破産と個人再生)、国際倒産、倒産処理の特別法にも言及する。 なお、この科目は、法科大学院との共通科目である。 |
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Course Goals | 倒産処理法(総論・法人破産)で扱う法人の破産手続に加えて、再生手続、更生手続及び個人破産の手続を概要を理解し、倒産処理手続の全体像を説明できるようになる。 | ||
Schedule and Contents |
※ 以下はあくまでも予定であり、授業の進行具合に応じて、適宜変更されることがある。 1 再建型倒産処理手続の必要性と種類再建型倒産処理手続の必要性、再建型倒産処理手続の種類(再生手続、更生手続) 2 再生手続の特徴と流れ 再生手続の種類と特徴(通常の民事再生、簡易再生・同意再生、小規模個人再生、給与所得者等再生)、通常の民事再生による再生手続の流れ 3 再生手続の機関 再生手続の機関(再生債務者、監督委員、管財人・保全管理人)とその権限(財産の管理処分権、否認権など) 4 再生手続における債権者と担保権者の地位 再生債権者の地位と権利行使、共益債権者と一般優先債権者、別除権者の地位(特に実行中止命令、担保権消滅制度) 5 再生計画 再生計画の条項、再生計画の決議と認可、再生計画の遂行、再生計画の取消し、再生手続の廃止 6 更生手続の特徴と流れ 更生手続の特徴(更生担保権制度、社員権の取り込み、組織法との関係)、更生手続の流れ 7 更生担保権・租税債権・労働債権の扱い 更生担保権の担保目的物の評価(評価基準と手続)、担保権消滅請求制度、担保権の実行禁止解除、租税債権の処遇、労働債権の処遇 8 更生計画 更生計画の条項、更生計画の決議と認可、更生計画の遂行、更生計画の取消し、更生手続の廃止 9 再生・更生手続における倒産実体法 相殺権の扱い、所有権留保売買・ファイナンスリース契約の扱い 10 個人破産 個人破産手続の特徴(自由財産制度、同時廃止の問題点)、免責の手続と効果、復権 11 個人再生手続1 総論、小規模個人再生 個人債務者のための再建型手続の必要性、個人再生手続、小規模個人再生の特徴 12 個人再生手続2 給与所得者等再生、住宅ローン債権の特則 給与所得者等再生の特徴、住宅ローン債権の特則(実行禁止命令、特別条項) 13 国際倒産 国際倒産管轄、内国手続の対外的効力、並行倒産状態の処理、承認援助手続の特徴と流れ 14 倒産処理に関する特別法 金融機関(銀行・協同組織金融機関、保険会社、証券会社、農業・漁業協同組合)の倒産処理に関する特則(特に顧客保護のメカニズム) 15 まとめ |
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Courses delivered by Instructors with Practical Work Experience |
分類: A course with practical content delivered by instructors with practical work experience Details of Instructors’ Practical Work Experience: 判事補 6年3か月 Details of Practical Classes Delivered: 裁判官を退官し大学教員になって約25年になるので、最新の実務を講ずることができるというわけではないが、実務家的な視点をも活かした授業とするよう心掛けたい。 |