刑事学

Numbering Code U-LAW00 31121 LJ41 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 4 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.3・Fri.3
Instructor name INATANI TATSUHIKO (Graduate School of Law Professor)
Outline and Purpose of the Course  本講義では、主として二つのテーマを取り扱う。一つは、刑事学及び刑事司法制度論と呼ばれる研究領域における主要な成果についての紹介と検討である。もう一つは、こうした研究の成果が、実定法解釈論、すなわち刑法及び刑事訴訟法解釈論、さらには法政策に及ぼしうる影響についての検討である。
 前者のテーマは従来から刑事学と称される講義において中心的に取り上げられてきた問題領域に関わるものである。講義においては、犯罪現象や刑罰、さらにはより広く刑事司法制度のあり方についての様々な理論研究と実証研究とを紹介し、批判的に検討する。
 後者のテーマは、こうした理論研究と実証研究とを、法ドグマティークを中心とする実定法解釈論に、または法政策論にどのように反映するべきか(あるいは、反映するべきではないか)という学際的性質を帯びた問題領域に関わるものである。講義においては、とりわけ、いわゆる近代刑事司法制度の通奏低音をなす諸理念と強い緊張関係に立つ理論研究・実証研究と、実定法解釈論・法政策論との対峙を通じて、刑事法学の新たな可能性を探ることとする。
 この二つのテーマを通じて、犯罪、刑罰そして法についての批判的理解を試みることが、本講義の目的である。
Course Goals  本講義における受講者の到達目標は、刑事学領域における基本的な理論的成果についての理解を涵養するとともに、それを法解釈学ないし法政策学に応用するための方法論ないし思考スタイルの基礎を身につけることである。
Schedule and Contents  本講義は、概ね以下の順に進行する予定である。なお、回数はあくまで目安であり、実際の授業進行に応じて変動しうる(フィードバックを含めて全30回)。

1 刑事学とは何か(1回)
2 近代刑事司法制度の現代的課題(4回)
3 法学・科学・刑事学(4回)
4 刑事学理論(1)・社会学的方法(3回)
5 刑事学理論(2)・生物学的方法(1回)
6 刑事学理論(3)・経済学的方法(3回)
7 刑事学理論(4)・心理学的方法(1回)
8 刑事学理論(5)・「偶然の飼いならし」と刑事学(1回)
9 刑事学理論(6)・徳倫理学と刑事学(1回)
10 公共政策としての刑事司法(1回)
11 道徳的問題と刑事法的介入(1回)
12 犯罪化の費用便益分析 (1回)
13 アーキテクチャとナッジ (1回)
14 刑事司法のエージェンシー・コスト(1回)
15 代替的刑事司法とその可能性(1回)
16 修復的司法と被害者の地位(1回)
17 企業犯罪対応の現代的課題(1回)
18 人工知能の開発・利用と刑事法規制(1回)
19 近代ではないことの可能性(1回)
20 フィードバック(1回)
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