比較政治学

Numbering Code U-LAW00 21331 LJ42 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 4 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Wed.2・Fri.2
Instructor name SHIMADA YUKINORI (Graduate School of Law Professor)
Outline and Purpose of the Course  本講義では、イギリス・ドイツを主たる対象として、ヨーロッパ諸国における国制(統治構造)と、そこでなされる議会-政党政治の多様性、さらにその背景にあるものについて、比較史的観点から考察を行う。
 まず比較政治学における分析アプローチ、国家や議会制、民主政治をめぐる基礎概念や類型論、ヨーロッパ諸国の統治構造の現状などについて概観し、その知見を踏まえたうえで(1)欧州では近代以前から存在してきた議会制について、その成立と展開、分化の経緯と国制史上の意義について、国家の歴史的発展過程に即して検討し、(2)デモクラシーとの緊張を伴う共存関係について、各国の社会的・思想的文脈にも留意しつつ、理論的に考察する。さらに(3)この関係が近現代欧州諸国の国制にいかなる特質と多様性をもたらしたかについて、民主化の進展とそれに対応する議会-政党政治の歴史的動向に沿って、比較論的に考察する。
Course Goals  ヨーロッパ諸国の国制の歴史的特質と議会-政党政治の多様性について比較論的見地から理解を深めるとともに、議会制民主主義の機能・構造や正統性について多角的に把握・考察するための基本的観点を身につけることを目標とする。
Schedule and Contents  基本的に以下の順序で講義を進める。それぞれの事項について、2ないし4回程度にわたって授業を行う予定である(フィードバックを含めて全30回)。

1.政治学における比較と歴史
2.近代国家とデモクラシー:国家とその発展をめぐる基礎概念、民主政治の歴史的展開
3.民主政治の多様性:議会制や民主政治をめぐる類型論、現代ヨーロッパ諸国の統治構造
4.前近代ヨーロッパにおける政治的二元主義:身分制議会の成立と展開、二元主義的統治構造
5.近代国家の形成:絶対主義と主権概念の成立、国家と社会
6.国制の発展とその多様性:大陸欧州諸国の国制の特質、イギリスにおける「議会主権」体制
7.民主的国制の理論的基盤:民意概念の検討、代表制と人民投票制、フランス革命体制における議会制と民主主義の相剋
8.英国型議会制民主主義:バークの「代表」観念、選挙制改革と多元的民主主義、議会政治におけるリーダーシップ、英国の「野党」観念の特質
9.「信託」と議会統治体制
10.近代ドイツにおける二つの民意:ヘーゲル国家論における議会制、帝政期における議会と政党、職能代表制構想の系譜、帝国国制の矛盾と限界
11.戦間期の英独議会:英国における政党政治の展開、ヴェーバーの議会政治論、ヴァイマル共和国の議会制民主主義とその挫折
12.まとめと補足:民意概念からみた各国国制の特質、第二次世界大戦後の英独の政党政治と変化、ポピュリズム
《期末試験》
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