特別講義「日本政治思想史」

Numbering Code U-LAW00 31916 LJ42 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 4 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Fri.2・3
Instructor name OHARA HIROYUKI (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course 日本人や日本社会の「特質」として、巷間さまざまなことが語られている。
たとえば、権威に従順、流行に敏感、変化を嫌う、内向き、集団主義、年功序列、女性やマイノリティの冷遇……などなど。こういった「特質」は、検証なく気ままに語られることが多いが、人々の強い実感が反映されていることも事実である。

日本とはいかなる国で、日本人とは何者なのか、そして、この国ではどのような政治が行われるべきなのかという問いは、そもそも大昔から執拗に論じられ続けてきた事柄であった。

この授業は、日本の歴史の中で生起した、または外からやって来たさまざまな思想を再検討し、現代の政治と社会を考察する基礎力の形成に役立てることを目的とする。古代から現代に至るまでの連続と断絶、外来の思想(儒教、デモクラシー、マルクス主義など)の受容と変容が、特に強く意識される。
Course Goals 日本の政治思想史における重要な事柄および人物について学び、現在の政治や社会状況を歴史的パースペクティブで観察すること。
Schedule and Contents 1:「日本政治思想史」の起源とその課題
2:日本政治の歴史的特質についてⅠ 日本文化論と「政事の構造」
3:日本政治の歴史的特質についてⅡ 政治体制論と海外模倣
4:「神国日本」の思想
5:儒教(儒学)と日本Ⅰ
6:儒教(儒学)と日本Ⅱ
7:国学の政治思想Ⅰ
8:国学の政治思想Ⅱ
9:「尊王」と「攘夷」
10:西洋との出会いと「開国」
11:「維新」とは何だったのか
12:福澤諭吉の「文明」
13:明治国家のさまざまな構想
14:「民権」と「専制」の間
15:日清戦争をめぐる思想と東アジア国際秩序
16:日露戦争をめぐる思想と帝国主義の時代
17:明治社会主義の遺産と大逆事件
18:「大正デモクラシー」と吉野作造
19:第一次世界大戦と日本
20:「社会の発見」とロシアの影
21:「改造」の時代と関東大震災
22:「大正」から「昭和」へ
23:「昭和維新」の思想
24:「昭和マルキシズム」と「転向」の時代
25:満洲事変以後の日本と「国体明徴」の波
26:「国体」の思想構造
27:「聖戦」をめぐる思想
28:日本近代への反省と「戦後民主主義」
29・30:フィードバック

進度や理解度などに応じて順番・内容を変更する場合がある。
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