政治史
Numbering Code | U-LAW00 21361 LJ42 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 4 | Course Type | Lecture |
Target Year | Target Student | ||
Language | Japanese | Day/Period | Tue.4・Fri.4 |
Instructor name | KARATO TERUHIRO (Graduate School of Law Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
本講義では、18世紀末から20世紀半ばまでのヨーロッパ史を扱う。 特に、「国民」諸概念の比較に焦点を当てながら、外交史もおりこんで、国民国家の形成過程を検討することにより、それが現在の政治にもたらした意義を考察し、近現代政治史への理解を深めることが目的である。 |
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Course Goals | 18世紀末から20世紀半ばまでのヨーロッパ史を理解し、国民国家の歴史的背景と政治的意義を考察できるようになる。 | ||
Schedule and Contents |
講義では概ね以下のような順序で各項目を取り扱うが、進度状況に応じて変更することがある。 Ⅰ.主権概念の変化と国民国家 1.国家・領域・住民の伝統的概念:家産制国家と近代国際体系(第1回) 2.「国民主権」の誕生: 新たな「政治文化」(第2回) 3.普遍的「国民」とその問題:モデルの確立(第3回) 4.植民地の独立と「国民」:スペインとラテンアメリカ諸国(第4回) Ⅱ.新たな言説と国民国家の模索 1.革命後のフランス:王政と自由主義(第5回)・二月革命とその帰結(第6回) 2.多様な"nation"をめぐる言説:複合的要因により構築される「国民」(第7回)・対抗言説と「民族」(第8回) 3.中欧における革命の影響:帝国国制変化の試み(第9回)・リソルジメント(第10回) 4.欧州協調と戦争:東方問題の嚆矢(第11回)・列強の利害対立(第12回) Ⅲ.国民国家をめぐる言説の新たな展開:本質主義的主張の拡大 1.イタリア:国際情勢の変化と北部の統一(第13回)・意図せざる統一と新国家の課題(第14回) 2.ドイツ: 統一問題とビスマルクの対外政策(第15回)・普仏戦争(第16回) 3.国民国家言説の利用へ:諸民族の要求と自由主義(第17回) Ⅳ.産業化と「国民国家」、ヨーロッパ秩序の変容 1.国家による「国民の創出」:既存国家における変化(第18回)・ドイツ統一による国家形成と統合(第19回)・イタリア国家形成後の統合/分析の手がかり(第20回) 2.言説利用による民族問題:諸帝国内の対立と東方問題(第21回) 3.国際関係の硬直化:「同盟システム」の成立(第22回)・新たな対立と「周辺地域」における危機(第23回) Ⅴ.第一次大戦以後の「民族自決」言説の浸透 1.大戦の原因論:多様な要因と「ドイツの責任」(第24回) 2.新秩序の模索:大戦末期の米ソの新たな主張(第25回)・諸帝国の崩壊と「民族原則」(第26回 3.「民族自決」の"勝利":既成事実の追認と決定の正当化(第27回)・マイノリティ問題に関する議論(第28回) 4.「民族」問題と第二次大戦:「民族」をめぐる闘争(第29回) 5.第二次大戦後と冷戦後:「民族問題」への様々な対応(第30回) <最後の2回(29&30)の授業は、試験日以降に動画配信で行う> |