ローマ法

Numbering Code U-LAW00 21241 LJ41 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 4 Course Type Lecture
Target Year Target Student
Language Japanese Day/Period Tue.4・Fri.4
Instructor name SASAKI TAKESHI (Graduate School of Law Professor)
Outline and Purpose of the Course  現代日本人、少なくとも法学を志す者、にとっての「法」は(古代)ローマに発する、という見解がある(木庭『ローマ法案内』)。他方、ローマ法源に依拠する言説は全て「ローマ法」と呼ぶことも可能である。
 そこで本講義では、近代法の基礎とされるローマ法が古代ローマ時代に如何なる背景(ないし国制)の下で生成展開したのかを検討し、同時に中世以降におけるその受容にも言及する。
 裁判官弾劾裁判所としての国会、共和政、擬制、市民権、遺言、(所有から区別される)占有、時効、契約、不法行為、挙証責任、無罪推定、上訴、収用(収公)、国庫などの法学政治学上の重要概念がその一端を「ローマ」に発することは夙に知られているが、東西両ローマ帝国を象徴する双頭の鷲を紋章とする神聖ローマ帝国を承継したゲルマン系諸国家の法制に学んだ近代国家日本にも、こうした用語が如何なる影響を与えているのか、講義する。
 これにより、法学カリキュラムにおける「ローマ法」の位置づけを検証し、他の専門科目と架橋することも、本講義の目的の一つである。
Course Goals  「ローマ法」の多義性を、古代・中世・近代について理解し、現行法制とローマ法源との関連が説明できるようになる(但し本年度の講義は古代に焦点を当てる)。
 また、法学という営みを歴史的に追体験することで、日本を含む諸国の法制を相対化して眺める視点を習得する。
Schedule and Contents  以上の目的を追求するため、対象となる時代を紀元前3世紀中頃~後3世紀前半(共和政後期~帝政前期、いわゆる法学古典期)を中心に以下の章立てで講義する。
なお、今年度は各回になるべく多くの裁判例を配する。

 序章:或る裁判(第1回)
 第1章:ローマ史概観(第2回)
 第2章:国制と法源(第3~4回) 
 第3章:人の法(第5~8回)
 第4章:相続(第9~11回)
 第5章:物の法(第12~15回)
 第6章:債権債務関係(第16~21回)
 第7章:訴訟の法(第22~25回)
 第8章:公の法(第26~27回)
 終章:エピローグ・フィードバック(第28~30回)
Related URL http://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/portal/main/bulletin/AN0021395X.html
http://www.youtube.com/watch?v=HrSRmDZ5FYc&feature=youtu.be
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