ILAS Seminar :Introduction to Ecology of Marine Symbioses

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Intensive
August or September(Planned)
Instructor name GOTO Ryutaro (Field Science Education and Research Center Assistant Professor)
HENMI YUMI (Field Science Education and Research Center Assistant Professor)
YAMAMORI RUNA (Field Science Education and Research Center Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course 異種の生物同士が相互作用を持ちながら同所的に暮らすことを「共生(Symbiosis)」と呼ぶ。海洋では、浅海から深海まで実に様々な共生関係が見られる。例えば、カクレクマノミとイソギンチャク、ハゼとテッポウエビ 、イソギンチャクを背負うヤドカリなどよく知られたものから、褐虫藻とサンゴ、化学合成細菌を体内に住まわせる熱水噴出口周辺の無脊椎動物といった微生物が介在するものまで、枚挙にはいとまがない。共生関係は、海洋の生物多様性の成り立ちや生態系の動態を考える上で極めて重要な生物間相互作用である。しかし、学べる機会は限られている現状にある。

そこで本実習では、海洋生物の共生関係を題材として、その多様性、生態、進化について、野外でのフィールドワークや水族館での観察を通して学び考えることを目的として実施する。本実習で特に扱うのは「住み込み共生」と呼ばれる共生関係である。海洋には、他の動物の体表や巣穴などに居候して暮らす生物が多数生息している。そのような生物の多様性や生態、適応について実習を通してできるだけ多く学んでもらう予定である。

実習は和歌山県白浜町の京都大学瀬戸臨海実験所において実施する。講義を通してまず共生関係の概要を学び、さらに周辺の磯や干潟でのフィールドワークを通して、共生を行う生物を現地で実際に観察・採集し、その生態・分類について学ぶ。また白浜水族館の展示を見学し、どのような共生関係が見られるか観察する。
Course Goals (1)海洋の共生関係の多様性や成り立ちについて学ぶことで、海洋生態系や生物多様性について新たな視点から考えられるようになる。
(2)海洋生物の多様性、生態、分類についての知識を習得する。
(3)磯や干潟でのフィールドワークを通して、生態学的な調査方法や調査器具の使い方を身につける。
Schedule and Contents 5月か6月(予定)に農学部総合館でガイダンスを行う。

受講者が確定後、教員紹介や共生関係の説明などを兼ねて1回程度zoomで打ち合わせ行う予定。

詳しい実施時期は受講者決定後に調整するが、夏季休暇期間中において和歌山県西牟婁郡白浜町にある京都大学瀬戸臨海実験所で2泊3日で実施する(実施時期は8月か9月の可能性が高い)。

実習では(1)海洋の共生関係の概要についての講義、(2)臨海実験所周辺の磯や干潟における採集調査とフィールド観察、(3)京都大学白浜水族館の展示内の共生関係の観察、などを行う。
Evaluation Methods and Policy 実習への積極的な参加(50点)、レポート(50点)により評価する。

実習実施時期次第で成績報告が遅れるので要注意。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 上記に挙げた参考書などを事前に読むなどして、海洋生物や共生関係について事前に知識を増やしておけば、実習の内容などをスムーズに理解できる。
Textbooks Textbooks/References 実習期間中、プリントなどを配布する。
References, etc. 海洋動物の生態学入門: ベントスの多様性に学ぶ, 日本ベントス学会, (海文堂出版、2020年), ISBN:4303800511, 共生関係をはじめ、海洋生態学の基本を学べる
たくましくて美しいウニと共生生物図鑑, 山守瑠奈, (創元社、2021年), ISBN:4422430432, 磯のウニとその共生生物について紹介
海底の支配者 底生生物-世界は「巣穴」で満ちている, 清家弘治, (中央公論新社、2020年), ISBN:4121506766, 海底の生物の巣穴で見られる共生関係について紹介
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