ILAS Seminar :Introductive Fish Psychology

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Fri.5
Instructor name TAKAHASHI KOUJI (Field Science Education and Research Center Assistant Professor)
MASUDA REIJI (Field Science Education and Research Center Professor)
Outline and Purpose of the Course  ヒトが心をもつように、サカナも心をもっているかのような振る舞いをみせることがあります。この授業では、サカナの心理や認知に関する研究を紹介し、ヒトのような魚の心理を講義(農学部)と実習(舞鶴水産実験所)で学んでいきます。第1~3回の講義では、サカナの心理を学ぶこと、サカナの生態に関する心理やサカナの心理とヒトの心理との関係などを、最新の研究を紹介をからめて説明し、魚類心理学の内容と学術的意義について理解を深めます。第4・5回では、サカナの心理・認知の研究に触れて、実際に自分たちで実施する実験について議論します。実習は、舞鶴水産実験所にて実施し(2泊3日)、野外でのサカナの観察(シュノーケリング)や採集をして、実験室での行動実験・学習実験を行い、魚類心理学の研究の一連の流れを体験してもらいます。最後の講義では、各自が実施した実験の成果について発表をして、魚類心理学の研究の面白さや学術的意義について議論します。
Course Goals ・魚類心理学を通じて、ヒトを含む動物の「心」について学ぶ
・野外での観察・採集から魚類の生態について理解する
・実験方法や目的を自身で考える力を身につけて、研究について触れる
Schedule and Contents 第1回講義「魚類心理学とは」(担当:高橋;場所:吉田キャンパス)
「サカナに心があるのか?」というテーマについて、研究事例などを紹介しつつ議論する

第2回講義「野外で学ぶサカナの生態と行動」(担当:益田;場所:吉田キャンパス)
野外観察でみられるサカナの行動について紹介し、彼らの生態を学ぶ

第3回講義「魚類の学習から学ぶサカナの心」(担当:高橋;場所:吉田キャンパス)
ヒトの心の形成に重要な「学習」について、サカナの研究から考えて議論する

第4回講義「最新論文を読んで研究に触れる」(担当:高橋;場所:吉田キャンパス)
各自が最新の魚類心理学の論文紹介をして、その面白さ・問題点などを議論する

第5回講義「実験を考えてみよう」(担当:高橋;場所:吉田キャンパス)
実習で自分たちが実施する実験について、目的や方法を考えて議論する
 
実習「魚類心理学をやってみよう」(7月1日~3日;担当:高橋・益田;場所:舞鶴水産実験所)
【スケジュール】
7/1(金)
夜に西舞鶴駅に集合(公共交通機関により各自移動)し、舞鶴水産実験所で宿泊
7/2(土)
竜宮浜(or実験所周辺)でのシュノーケリング観察
同地で地引網・釣りなどで魚の採集
採集した魚を持ち帰り実習室で行動実験の実施
7/3(日)
実習室での学習実験(第5回の講義で自身が考案した実験の実施)
夕方に西舞鶴駅で解散

第6回講義「実験成果の発表とディスカッション」(担当:高橋;場所:吉田キャンパス)
実習で実施した魚類心理学の研究をプレゼンし、その面白さと学術的意義について議論する
Evaluation Methods and Policy 講義ごとの小テスト(20点)、実習への参加(40点)、成果発表と意見交換の内容(40点)とする。到達目標の達成度にもとづき評価する。
Course Requirements 授業評価において実習の比重が高いため、なるべくこれに参加できる者。
専門的な知識は必要ではないが、海の環境や生物に興味があること。
野外でのシュノーケリング・採集調査をするため、海に入ることに抵抗がないことが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 第4回の講義では、論文紹介を各自にしてもらいますが、この論文の読解・プレゼン作成(word,pptなど形式は問わない)は授業前にやってきてもらうことになります。
第5回の講義では、実習で各自が実施する実験の計画案を作成してもらいますが、事前にどのような実験に興味があるのかを考えておいてもらうことになります。
どちらも、詳細は前の授業内で説明します。
References, etc. 魚の心をさぐる 魚の心理と行動, 益田玲爾, (ベルソーブックス, 2006年), ISBN:978-4-4258-2512, 授業担当者の書いた魚類心理学の参考書。興味があれば読んでみてください。
学習の心理 行動のメカニズムを探る, 実森正子・中島定彦, (サイエンス社, 2019年), ISBN:978-4-7819-0953-0, 第3回の講義のテーマ「学習」についての教科書。
動物心理学 心の射影と発見, 中島定彦, (昭和堂, 2019年), ISBN:978-4-8122-1902-7, 動物全般の新古含めた認知研究の例を紹介している教科書。
デイビス・クレブス・ウェスト 行動生態学 原著第4版, Davies NB, Krebs JR, West AS(訳:野間口、山岸、巌佐), (共立出版, 2015年), ISBN:978-4-320-05733-3, 動物の行動の適応的意義などについて紹介している行動生態学の教科書。英語版もあります。
Related URL https://www.maizuru.marine.kais.kyoto-u.ac.jp/
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