ILAS Seminar :Heavy rainfall and climate change

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Intensive
Four days during the summer vacation period
Instructor name NAKAKITA EIICHI (Disaster Prevention Research Institute Professor)
YAMAGUCHI KOSEI (Disaster Prevention Research Institute Associate Professor)
Watanabe Satoshi (Disaster Prevention Research Institute Program-Specific Associate Professor)
Osakada, Yukari (Disaster Prevention Research Institute Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course  毎年のように日本各地で豪雨災害が発生しています。豪雨は現在どのように監視されているのか、また、気候変動によって雨の降り方がどのように変化していくのか、そして豪雨の将来変化に我々がどのように対処(=適応)していくべきか、について最新の研究成果を学習してもらうと共に、今後何が課題となるのかについて議論してもらいます。
 講義の1/3程度は知識の学習とそれを踏まえた議論をしてもらい、残りの2/3程度は最新の気象観測機器の見学や実習を行います。豪雨研究の最前線に触れることで、自然に対する想像力を養い、創造力を磨いてもらうことを目標とします。なお、理系・文系は問いません。
Course Goals ・豪雨のメカニズムについて何がわかっていて、何がわかっていないかを理解する。
・気候変動によって今後の雨の降り方がどうなると予測されているのかを理解する。
・最先端の気象レーダーを用いて豪雨の分布を3次元的に理解するとともに、次世代の気象観測を体験する。
・豪雨防災の観点から、今後社会として何が必要なのかを考える力を養う。
Schedule and Contents 夏休みの期間中に計4日間の集中講義を実施します(日程は受講者と調整)。また、事前にオリエンテーションを兼ねた事前説明会を設けます。

[集中講義1日目:講義 @宇治キャンパス]
・豪雨の特徴とメカニズム、リアルタイム予測の現状(中北、山口)
 台風・集中豪雨・ゲリラ豪雨など豪雨の特徴とその災害の様相について過去事例を踏まえながら解説する。豪雨のメカニズムについても熱力学の観点から概要を講述する。また、豪雨のリアルタイム予測の精度や手法について解説し、今後の予測技術の向上のために必要となる観測や数値モデルについて紹介する。
・気候変動による豪雨の将来変化(中北、渡部、小坂田)
 世紀末における豪雨の頻度や強度がどのように将来変化するのかについて、スーパーコンピューターを用いたシミュレーション解析について解説する。温暖化影響を評価するための手法である擬似温暖化やイベントアトリビューションについて解説する。また、豪雨による被害やリスクに関して、豪雨による被害がどのような地域でどのように発生しているか、またその影響がどのように残っているかについて、地域や流域などの特性との関連を踏まえて解説する。

[集中講義2日目:ゼミと実習 @宇治キャンパス]
・簡単な発表とディスカッション(山口)
 1日目の学習内容を踏まえて、今後社会がどのようなことを意識すべきかについて議論する。
・ゾンデ観測の模擬体験(山口、小坂田)
 現業の気象観測であるゾンデ観測(気温計・湿度計などを取り付けた気球を空に打ち上げる観測)について模擬体験をしてもらいます。
・気候変動予測情報の解析(渡部)
治水計画などの実務でも利用されている気候予測データ(d4PDF)を基に、豪雨の頻度・強度が将来どのように変化するかを調べる。
・XRAINを用いた過去事例解析(山口、小坂田)
 国交省のレーダーであるXRAINを用いて、過去の豪雨事例について雨の空間分布の絵を3次元的に描いてみて、雨の空間スケールを調べる。

[集中講義3日目:実習 @神戸市]
・次世代気象観測施設の現地訪問(山口、小坂田)
 豪雨の生成・発達を捉える先端フィールド観測を実施している神戸市を訪問し、次世代の気象観測機器である境界層レーダー、ドップラーライダー、雲レーダー等を見学する。

[集中講義4日目:実習 @愛媛県西条市]
・過疎地域の水インフラと豪雨防災に関する現地訪問(渡部)
 気候変動により変化が予測される豪雨に対して、ため池をはじめとする水インフラをどのように維持管理するかという問題は特に過疎が進む地域において深刻である。この点に関する研究を実施している愛媛県西条市の巡検を通じて、過疎地域における豪雨防災を考える。状況が許せば、インフラ管理者等へのインタビューの機会を検討している。
Evaluation Methods and Policy 成績評価は平常点(出席と参加姿勢)50点とレポート評価50点による。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 授業資料に予め目を通しておくこと。
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