ILAS Seminar :A journey with the Iwakura Embassy

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Tue.5
Instructor name SANO MAYUKO (Graduate School of Education Professor)
Outline and Purpose of the Course  明治新政府の始動からまもない1871(明治4)年から73年にわたり、政府首脳部50名近くが日本を留守にしてまで決行された、岩倉使節団の欧米巡遊。その西洋文明視察の結果が日本の近代化に多くをもたらしたことは、周知のとおりである。
 この授業では、岩倉具視の随員、久米邦武の手でまとめられた一行の記録『特命全権大使 米欧回覧実記』を読み進めながら、使節団とともに旅し、その経験を共有していく。
 詳細に描出された訪問先各国の様子や、追って日本にもたらされた学びの内容、また当時の日本の対外関係をめぐる諸経緯を確認することはもちろんだが、何よりも、彼らの生き生きとした見聞を味わいなおし、異文化に身をさらした人間たちの態度について考える機会としたい。毎回の授業では、読み取りをもとに自由闊達な議論を重ね、それを通じて受講者各自が思考を深めることを大切にする。
Course Goals ・「開国」後まもない時期の日本が取り組んだ近代化努力と、その背景となった国際的環境について、具体的な資料に即して理解する。
・明治初年に漢文調で書かれた文章に親しみ、資料として活用できるようになる。
・人々が経験した細かな事実のなかに、歴史的、文化的に重要な展開の一端が潜んでいることを知り、自ら発見して論点を提起できるようになる。
・時代を問わず人間が異文化との交流のなかで自身の立場を模索し、生きることについて、各自の考えを深める。
・資料から読み取った内容や自身の考察を的確にまとめ、口頭発表および文章で表現するとともに、受講者間で建設的かつ忌憚のない議論ができるようになる。
Schedule and Contents 1)ガイダンス
2)岩倉使節団の時代―概説とディスカッション
3)~7)『米欧回覧実記』の読み込み(各自の分担章についての発表とディスカッション)
8)前半の議論を振り返って(受講生の関心に応じてディスカッション課題を設定)
9)~13)『米欧回覧実記』の読み込み(各自の分担章についての発表とディスカッション)
14)~15)まとめのディスカッション(各自の期末小論文プランの披露を含む)とフィードバック

※教科書(『米欧回覧実記』)のほかに、適宜他の関連資料を組み合わせて議論を深めていきます。使用する資料は授業の進行に応じて紹介します。
※授業計画は、受講者の人数や具体的な顔触れによって調整しますので、実際の進行は上記と異なる場合があります。
Evaluation Methods and Policy ①授業内でのディスカッションへの貢献、②分担章の発表、③期末小論文の成果を各3分の1の割合で加味した総合評価(評価は100点満点の素点による)。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 発表が当たっていない場合でも、指定された章を熟読して授業に出席すること。
Textbooks Textbooks/References 特命全権大使米欧回覧実記 1 - 5, 久米邦武編、田中彰校注, (岩波書店、1985年), ISBN:4000087150, 4000087169, 4000087193 4000087177, 4000087185
『特命全権大使米欧回覧実記』は大部の著作ですので、この授業だけで読了することはできません(全体のなかから取り上げる部分を選択して進めます)が、全貌に触れるためにも、上記の5巻本を入手し、学期中、手もとに置くようにしてください。借用、購入など、入手方法は各自におまかせします。

または、大学図書館に電子ブック版が所蔵されていますので、それを利用しても差し支えありません。ただしその場合、授業中に必要箇所を閲覧できるよう、教室に持参できる端末を自身で準備してください。
PAGE TOP