Topics in Theory of Urban Space and Architecture II
Numbering Code | U-LAS05 20053 LJ74 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | All students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.3 | |
Instructor name | MAEDA MASAHIRO (Graduate School of Human and Environmental Studies Associate Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
都市空間の発展と継承について、災害への備えと対応の計画という視点から講義する。 現代の都市を生きている私たちの多くは比較的安全で何気ない毎日を享受している。災害がそのような日常の崩壊だとするならば、災害を生き抜くために私たちは、都市の発展の末に獲得した安全や日常の価値を簡単にあきらめるべきではないし、災害への備えを怠るべきではない。一方で、自然の力は人間の想像をいとも簡単に乗り越え、私たちの身に突然降りかかってくる。災害から日常を回復し、次の災害に備えようとする営みを通じて人々は自らの行動を変容させ、それはやがて人が環境と共生する知恵や文化として定着していく。 本授業の前半では、都市を生きる人々と災害の関係について、住まいと暮らしの回復を支える技術や諸制度、災害に際しての人々の心理や行動に関する諸理論を引きながら解説する。後半は、都市のレジリエンス(対応力、回復力)を引き出す技術や人々の営みについて、国内外の都市の実例や実践例を引きながら解説する。 |
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Course Goals | 都市を生きる人々の災害への備えや対応に関わる基礎的な概念や理論、現行の技術や制度の特徴・課題について理解できるようになる。また、それらの基礎的知識をもとに、都市のレジリエンスを高める実践の意味について理解できるようになる。 | |||
Schedule and Contents |
■都市と災害 第1回 イントロダクション:災害とは何か 災害を私たちの日常を脅かす破壊現象と捉え、災害の発生メカニズム、都市形成 と災害の関係を概観し、災害において私たちが守るべき価値について議論する。 第2回 避難とその阻害要因 災害特性ごとの避難行動、避難を阻害する心理的・社会的要因について解説する。 第3回 住民主体の避難所運営 災害時の避難所運営の課題について、日本と海外の比較や近年の災害における実 例等を通じて理解する。 第4回 災害時の仮住まい 日本における災害時の仮住まい、応急仮設住宅制度の変遷について概観する。 第5回 復興住宅と生活再建 生活再建の基盤である住まいの復興について、災害復興公営住宅や住宅再建支援 制度を中心として現状と課題を理解する。 第6回 感染症への対応 感染症と都市の関係、私たちの生活と社会に及ぼす影響について議論する。 第7回 災害の記憶の継承 災害の記憶が継承あるいは忘却されるメカニズム、過去の否定的な経験を想起し 続けることの意味について、A.アスマンの「想起の文化」等を引きながら議論する。 ■都市のレジリエンス 第8回 防災まちづくり 密集市街地対策におけるジレンマ、防災まちづくりの意味について理解する。 第9回 地域とつながる集合住宅 地域とつながり、被災者の孤立を防止する集合住宅の計画について解説する。 第10回 住まいへの能動性の獲得 住まいに対する能動性の獲得について、住みこなし・住み継ぎの視点から考察する。 第11回 参加と協働のデザイン 多様な価値観を持つ人々が共存することの困難さ、まちづくりにおいて人々の参 加と協働を促す仕組みのデザインについて理解する。 第12回 儀礼とコミュニティ 儀礼が人々の協調行動やコミュニティのレジリエンス獲得に及ぼす影響につい て、京都の地蔵盆と地域コミュニティの関係等を例として理解する。 第13回 スラムの住環境に学ぶ 途上国のスラムの住環境が備える柔軟性や住民の臨機応変の知恵について理解する。 第14回 ソーシャル・アーバニズム 近代都市計画が孕む画一性・硬直性に対するオルタナティブとしての都市再生運 動(ソーシャル・アーバニズム)について、R.セネットの都市論等を引きながら 理解する。 第15回 フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | 授業中に課す小レポート(50%)と期末レポート(50%)によって評価する。 | |||
Course Requirements | 文系・理系を問わず、都市や建築、防災、災害復興に関心がある学生に受講して頂きたい。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 予習は必ずしも必要ではないが、授業で配布する資料や紹介した参考文献について復習を行ったり、授業の内容を踏まえて日頃から都市やまちの安全について考察するなど、自分なりの関心に応じて学びを深めること。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 授業中に資料を配布する。参考文献は講義の中で適宜紹介する。 |