ILAS Seminar :Scientific approach to water disaster prevention and mitigation
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar |
Target Year | Mainly 1st year students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.5 |
Instructor name |
TACHIKAWA YASUTO (Graduate School of Engineering Professor) ONDA SHINICHIROU (Graduate School of Engineering Associate Professor) SANJIYOU MICHIO (Graduate School of Engineering Associate Professor) |
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Outline and Purpose of the Course |
大規模地震や気候変動による台風・梅雨前線の強大化によって自然災害リスクが高まる中で、我が国は少子高齢化社会への進行や社会基盤設備の老朽化が進行し、自然災害に対する脆弱性が増大する可能性がある。明治中期以降、我が国は国家事業として連続的な堤防を築くことによって治水安全度を高め、土地利用の高度化を図り社会・経済的な発展を遂げてきた。これにより治水レベルは格段に向上したものの、洪水リスクの高い土地に市街地が拡大し、結果として治水レベルを超える豪雨が発生する場合には甚大な被害が発生する国土となっている。 本セミナーでは、我が国の国土計画のあり方を新たに考え直し、変化する自然・社会・経済環境の中で今後の水防災を総合的に考える基本的な素養や基礎知識を習得することを目的とする。そのために、豪雨災害や土砂災害、水害に対する対策の歴史、災害対策と自然環境の保全、豪雨や洪水の予測、河川の流れと治水施設、水災害対策とまちづくり、気候変動が水災害に与える影響等、水防災を考える多様な観点を示し、討議を通じて水防災に対する科学的な考え方を身につける。 |
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Course Goals |
1.近年の大水害や最近の水害を例にとって、水災害の発生構造を理解する。受講生の出身地やその周辺を対象として、これまでに発生した水災害について自ら調査し発表し、自主的に分析・発表する能力を養う。 2.水災害を防止・軽減するために、これまでどのような対策がとられてきたか、将来に向けた課題は何か、科学的・技術的背景、さらに社会的背景をグループ討議によって理解する。また、グループ討議を通じて水防災に対する科学的な考え方を身に着ける。 3.水の流れを分析する実験やコンピュータ・シミュレーションを実際に体験し、水の流れの科学的な分析の基礎知識を習得する。また、先端的な科学技術が実際の水害対策に結び付いていることを学習する。 |
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Schedule and Contents |
1.オリエンテーション(1回、全員) 本セミナーの目的と全体の構成を説明する。受講生各自が本セミナーで具体的に学習したいと思う内容を発表する。発表内容を踏まえて、セミナー内容にするための調整を行い、スケジュールを確定する。 2.世界の川、日本の川(1回、立川) 河川や流域の形成過程と形成過程の違いによる世界の河川と日本の河川の違いを学習する。数多くの河川の画像を見て、日本・世界の多様な河川の姿を理解する。 3.日本の豪雨災害・土砂災害の特徴(3回、立川) 近年の大水害や最近の水害を例にとって、水災害の発生構造を学習する(1回)。それを受けて、受講生の出身地やその周辺を対象として、これまでに発生した水災害について自ら調査し発表し討議する(2回)。 4.日本の水害対策の変遷(1回、立川) 明治中期以降、我が国で実施されてきた治水対策の歴史を学ぶ。また、その治水対策を実現してきた科学技術の発展を学ぶ。 5.河川の流れを分析する実験と水害対策(3回、山上) 河川の流れは土砂との相互作用を伴う複雑な流れであり、堤防や橋脚に及ぼす影響を力学的に分析することが具体的な治水対策に欠かせない。先端的な水理実験の現況と治水施設の計画・設計への適用の具体例を紹介する。ダムや水門などの治水構造物による河川流のコントロールを物理的側面から説明するとともに、これらの設計に関わる模型実験手法を紹介する(1回)。また室内水路を使った水理実験を見学し、実際に流れの計測を体験する(1回)。まとめとしてこのトピックスで得た知見について、口頭発表を行い討議する(1回)。 6.河川の流れを分析するコンピュータ・シミュレーションと水害対策(3回、音田) 河川の流れは土砂との相互作用を伴う複雑な流れであり、堤防や橋脚に及ぼす影響を力学的に分析することが具体的な治水対策に欠かせない。先端的な水理コンピュータ・シミュレーションの現況と治水施設の計画・設計への適用の具体例を紹介する。 河川流や地形変化に関するシミュレーションについて説明する(2回)とともに、このトピックスで得た知見などに関する口頭発表を行い、討議する(1回)。 7.水災害対策とまちづくり(1回、立川) 豪雨災害を軽減・防止するために実施されている治水計画について学習する。また、河川空間を治水だけでなく親しみやすい水辺とするための取り組み事例や水災害対策とまつづくりの連携、その問題点を紹介し、今後の治水対策を考えるべき観点を議論する。 8.気候変動と水災害対策(1回、立川) 気候変動が豪雨・洪水発生に及ぼす最新の成果を紹介し、今後、水災害発生がどのように変化する可能性があるかを学習する。 9.総括(フィードバック、1回、全員) 本セミナーで学んだことを振り返り、疑問点を明らかにするとともに、今後の学習の指針を示す。 |
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Evaluation Methods and Policy | 授業内容に興味を持つ学生が受講することを前提としている。したがって、毎回のセミナーへの積極的な受講参加態度を重視して評価する。さらに、それぞれのテーマについて自主調査し適宜得られた成果について口頭発表するとともに、レポートの提出を求める。平常点評価50点(授業時間中での教員からの質問に対する反応や学生自身の持つ疑問点に関する教員への質問など自ら学習しようとする意欲や意思を評価)、レポート30点、プレゼンテーション20点。 | ||
Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 教員が配布する資料を事前に学習してから授業に臨むこと。またゼミ日に学習したことを記録するなどして自分の理解度を確認すること。 |