Philosophy in the Anthropocene
Numbering Code | G-LAS10 80020 LB34 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | Graduate students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese and English | Day/Period | Thu.3 | |
Instructor name | SHINOHARA MASATAKE (Graduate School of Advanced Integrated Studies in Human Survivability Program-Specific Associate Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course | 本講義は、温暖化や海面上昇、異常気象を始めとする惑星規模での危機的事態のなかで変容を強いられつつある人間存在の条件について、哲学や文学、さらには芸術作品の考察を通じて主体的に考える能力を培うことを目的とする。現在この状況を名指すものとして「Anthropocene人新世(じんしんせい)」という言葉が用いられるようになっているが、本講義では、人新世に関連する現代の人文科学・哲学の著作、文献を参照し、そこでこのテーマがどのように扱われているかを解説する。とりわけ、ディペッシュ・チャクラバルティが2021年の著作『惑星時代における歴史の気候』などで展開する、「人間の条件の問い直し」という哲学的な問題を中心にして議論を展開してみたい。人間存在の基本を揺さぶるようになった自然を前にしたときその存在条件に関わる思考のあり方を問い直し、新しいものへとバージョンアップすることが求められると考えるからである。「人新世で生きる人間とはどのようなものか」という問いをめぐる考察を深めることを目的に、「人新世」をめぐる議論が何を意味するのか、「人新世」を語ることの意義とはなにかをも問い、人新世についての哲学的・人文科学的考察についての一定の理解の仕方を提示することを目指す。 | |||
Course Goals | 「人新世」に関する哲学的・人文科学的な研究の現状を体系的に理解する。のみならず、講義中に紹介するさまざまな文献の読解を通じ、そこで何が問題になっているかを自分なりに問いつつ考えることで、「人新世」で生きるとはどのようなことか、そこで人間の存在条件を問い直すとしたらそれはどのようなものになるかを主体的に想像し、考えることができるようになる。 | |||
Schedule and Contents |
第1回 イントロダクション(「人新世の哲学」をめぐって) 第2回 チャクラバルティの『惑星時代における歴史の気候』をめぐって 第3回 人文科学における「人新世」の衝撃(1):人間と自然の境界の崩壊 第4回 人文科学における「人新世」の衝撃 (2):人間世界の「外部」との出会い 第5回 人新世における人間(anthropo):geological agentとspecies 第6回 人新世における世界の二面性:globalとplanetary 第7回 人新世における時空(地質的時間) 第8回 エコロジカルな共存:ティモシー・モートンの哲学(1) 第9回 ハイパー・オブジェクト:ティモシー・モートンの哲学(2) 第10回 Humankind:ティモシー・モートンの哲学(3) 第11回 人新世における公共性:公共空間の崩壊と再生 第12回 人新世における生活空間:都市と建築 第13回 人新世における芸術:写真と音楽 第14回 人新世における人間の条件 第15回 フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | レポート試験。 | |||
Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業中紹介した文献などを自分で読むことをおすすめする。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 授業中、適宜文献を紹介する。 | ||
References, etc. |
人新世の哲学, 篠原雅武, (人文書院) 「人間以後」の哲学, 篠原雅武, (講談社) 複数性のエコロジー, 篠原雅武, (以文社) |