Introduction to FinTech
Numbering Code | G-LAS10 80011 LJ44 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | Graduate students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Thu.2 | |
Instructor name | IWASHITA NAOYUKI (School of Government Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
近年、金融業界において、金融と情報技術を組み合わせた新しいサービスの形態や、ITベンチャー企業による金融分野への新規参入を意味する「FinTech」という言葉が注目を集めている。本講義では、FinTechの実態とその背景となる技術、金融機関経営、金融規制等を巡る議論を紹介し、金融論的な立場から現状の分析を行う。具体的には、近年のわが国における金融ITの実態、FinTechの基礎となるオープンAPI技術やブロックチェーン技術の基礎、主要なFinTech企業のビジネスモデルとその強み、FinTechが金融機関の経営戦略に与える影響、暗号資産(仮想通貨)の価格変動と利用実態、中央銀行デジタル通貨を巡る議論、FinTechの規制と振興を巡る規制面の動き等、FinTechとして理解されている幅広い領域について説明する。 【大学院横断型教育の概要・目的】 FinTechは情報技術、金融論、金融法などの知識が複合的に必要とされる学際的な領域であり、特定の大学院に限定することなく、大学院横断型教育とすることが適当である。本講義での教育を受けることによって、理系、文系を問わず、実務で必要とされる知識が身につくほか、これから発展の見込まれるFinTech領域について、各専門分野の学生が更に検討を深め、全学の研究レベルの向上を図ることも目的とする。 |
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Course Goals | FinTechと呼ばれているものの本質を理解し、金融機関経営や金融規制の現場でその知識を有効に活用できるようになることを到達目標とする。 | |||
Schedule and Contents |
概ね、以下の内容を各回の授業ごとに取り上げる予定。ただし、特に講義後半に取り上げるトピックスの内容については、受講者の予備知識・関心および各国のFinTechの現場で発生しているカレントな問題状況などに応じて必要な内容および順序の変更を行う。 §1 序論:決済システム高度化とFinTech §2 キャッシュレス化を巡る議論 §3 暗号資産の特性と取引実態 §4 暗号資産に対する規制を巡る議論 §5 ICO、ステーブルコイン、DeFiに見る暗号資産の本質 §6 中央銀行デジタル通貨を巡る議論 §7 FinTechの基礎となる技術(1)暗号、認証とオープンAPI §8 FinTechの基礎となる技術(2)ブロックチェーン技術の基礎 §9 FinTechの起源:相次ぐ金融イノベーション §10 FinTechの規制と振興を巡る法律・制度面の動き §11 日本の金融ITの実態とFinTechへの対応、経営戦略の変化 §12 FinTechへの対応を迫られる証券、保険業界 §13 金融規制における技術革新:RegTechの現状と課題 §14 金融機関のビッグデータ利用と顧客のプライバシー保護 §15 これからのFinTechの行方 14回分の授業終了後に、適宜の方法で「§15 これからのFinTechの行方」について説明し、また講師からのフィードバックを実施する。 |
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Evaluation Methods and Policy | 質問等による授業への積極的な参加(10点)、授業時間内に実施する理解度テスト(期中4回、40点)、筆記試験(50点)。やむを得ない理由で理解度テストに参加できなかった者にはレポート課題等の救済措置を講じる。理解度テストの実施方法や筆記試験の有無・配点については、外部環境に応じて変更する可能性がある。詳細は、開講後に連絡する。 | |||
Course Requirements | 受講者には特別な履修要件を課さない。講義の進度・内容は第1回の講義において行うアンケートの結果に応じて調整する。ただし、受講者は、開講時に配布する「予備知識・関心事項についての事前アンケート」を必ず提出すること。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業外学習については、ハンドアウトをもとに授業内容および授業で触れきれなかった発展的課題を確認すること。そのうえで、ハンドアウトで紹介されている関連文献・参考資料を必要に応じて読み込むことが望ましい。 | |||
Textbooks | Textbooks/References | 教科書は指定しないが、各回の講義内容についてはハンドアウト(講義ノート)を配布する予定。 | ||
References, etc. |
ブロックチェーンの未来, 翁百合,柳川範之,岩下直行, (日本経済新聞社) 貨幣進化論, 岩村充, (新潮社) 中央銀行が終わる日, 岩村充, (新潮社) FinTech入門, 辻 庸介・瀧 俊雄, (日経BP社) ブロックチェーン・レボリューション, ドン・タブスコット+アレックス・タブスコット, (ダイヤモンド社) |