Humanity in the Universe
Numbering Code | G-LAS15 80001 LB95 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
---|---|---|---|
Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | Graduate students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.5 |
Instructor name |
ASAI AYUMI (Graduate School of Science Associate Professor) MINESHIGE SHIN (Graduate School of Science Professor) ISEDA TETSUJI (Graduate School of Letters Professor) |
||
Outline and Purpose of the Course |
(授業概要) 宇宙は3つの意味で「人類の生存圏」である。まず太陽系と地球上の生命の誕生そのものが宇宙の進化の帰結であり、かつ地球環境は今も太陽活動、銀河宇宙線、天体衝突など宇宙からの様々な影響に晒されている。また、宇宙空間の利用は近年拡大を続けており、人工衛星による測位、地球観測、通信・放送などは現代社会の必須のインフラとなりつつある。さらに生身の人間が宇宙へ行って活動する有人宇宙活動も、民間や新興国などあらたなプレイヤーを含めて拡大の様子を見せており、将来的には人類が地球外にある程度定常的な社会を作る可能性も議論されだしている。これに伴い、宇宙空間のガバナンスや、人命や環境汚染のリスクに伴う倫理的問題など、人文社会科学の領域に入る様々な問題が新たに出現している。今や宇宙研究が理工学から人文社会科学の幅広い領域にわたり、その有機的連携を必要とする総合科学となりつつあることを受け、京都大学では様々な分野・部局の研究者が参加した宇宙総合学研究ユニット(宇宙ユニット)が設立され、分野横断的な新しい宇宙研究と、文理に渡る幅広い知見を身につけて将来の宇宙開発利用に貢献できる人材育成のための教育プログラムが実施されている。本講義は宇宙ユニットを中心に、人類生存圏としての宇宙環境、宇宙を探査、利用するための技術、宇宙開発利用にかかわる法・倫理・社会問題などについて包括的な講義を行うとともに、受講生の間で討論する。 【研究科横断型教育の概要・目的】 宇宙研究は幅広い学問分野に関わる総合学術であり、宇宙開発利用は科学技術、政治、経済、社会の様々なセクターに影響を与える。また、医学・生命科学や法学、倫理学等の人文社会科学も、宇宙という新しいフィールドとつながることで新たな視点を持ちこむことができる。個々の学生の専門分野と宇宙の関わりについて学ぶこと、そして様々な研究科の学生が議論に参加して違いに学び合うことで、そして分野横断的な研究の面白さと困難、方法論を学ぶことが研究科横断型教育としての目的である。 |
||
Course Goals | 人類生存圏としての宇宙環境および、急速に拡大している宇宙開発利用の現状と課題に関する理解を深めること。宇宙を一つのキーワードに文理にわたる学際的な研究の面白さ、困難、方法論を学ぶ。また、宇宙の利活用拡大に関わる諸問題に、さまざまな観点から論じるスキルを体得する。 | ||
Schedule and Contents |
2022年度は、以下のテーマについて、講義および議論を行う。(講義内容と担当教員を示す。1テーマ1回程度の予定である。) テーマに応じて宇宙総合学研究ユニット参加教員やJAXA、企業等の外部機関からゲスト講師を招き、担当教員とのコティーチング形式で講義を行う。 代表 浅井歩 イントロダクション・宇宙研究の広がり (浅井歩, 理学研究科 准教授) 宇宙はどんなところか(天文学概論) (嶺重慎, 理学研究科 教授) 宇宙政策と宇宙開発利用のELSI (磯部洋明, 宇宙ユニット 特任准教授) クリティカルシンキング1:宇宙倫理問題 (伊勢田哲治, 文学研究科 准教授) クリティカルシンキング2:宇宙開発と倫理理論 (児玉聡, 文学研究科 准教授) 宇宙にまつわる法的問題 (近藤圭介, 法学研究科 准教授) 宇宙利用とビッグサイエンス (篠原真毅, 生存圏研究所 教授) 宇宙と文化 (磯部洋明, 宇宙ユニット 特任准教授) 宇宙人はいるか+系外惑星 (佐々木貴教, 理学研究科 助教) 宇宙と安全保障 (外部講師) 宇宙開発利用の実際 (外部講師) 宇宙産業の課題 (桑島修一郎, 総合生存学館 特定教授) 宇宙と科学コミュニケーション (常見俊直, 理学研究科 講師) 宇宙総合学におけるコンセプトマップ (田口真奈, 高等教育研究開発推進センター 准教授) 全体議論 |
||
Evaluation Methods and Policy | 毎回講義中に行う簡単なレポートと、最終回に提示するレポートにより評価する。 | ||
Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業中に紹介する、宇宙総合学研究ユニットが主催する様々なセミナー,ワークショップ等へ出席 | ||
References, etc. |
人類が生きる場所としての宇宙 (シリーズ〈宇宙総合学〉 1), 京都大学宇宙総合学研究ユニット, (2019, 朝倉書店), ISBN:15521-1 人類は宇宙をどう見てきたか (シリーズ〈宇宙総合学〉 2), 京都大学宇宙総合学研究ユニット, (2019, 朝倉書店), ISBN:15521-2 人類はなぜ宇宙へ行くのか (シリーズ〈宇宙総合学〉 3), 京都大学宇宙総合学研究ユニット, (2019, 朝倉書店), ISBN:15521-3 宇宙にひろがる文明 (シリーズ〈宇宙総合学〉 4), 宇宙総合学研究ユニット, (2019, 朝倉書店), ISBN:15521-4 宇宙倫理学, 伊勢田哲治 他, (2018, 昭和堂), ISBN:9784812217382 |