ILAS Seminar :What is museum specimen?

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.5
Instructor name MOTOKAWA MASAHARU (The Kyoto University Museum Professor)
Outline and Purpose of the Course 博物館に収蔵されている学術標本は,明治以降の近代科学の基盤として,自然史・文化史における科学の進歩に貢献してきた.また,そうした科学の進展を社会に示すための博物館展示も行われてきました.しかしながら,標本が個別の研究分野において有効に活用されてきた一方で,標本の機能や役割について科学の基盤と関連して認識,議論されることはほとんどありません.ここでは博物館標本について,自然史・文化史の分野を超えて,科学研究における証拠機能,参照機能,学術研究成果との連結などの問題を取り上げます.教員が最新の議論や論文,総合博物館の標本の実例を紹介したり,実際に標本を見てみるとともに,標本や博物館に関連したテーマについて出席者で発表(個人発表とグループ発表)・議論を行います.本などの出版物,国内外の博物館のウェブサイト,ネット上の情報を活用しながら自分の考えを深め,パワーポイントなども活用したプレゼンテーションへの取り組みができることが望ましい.標本と関わりの深い学問(自然史,文化史)に関心のある学生にくわえ,科学の基盤としての標本やそこから生み出されたデータ,研究成果などに関心のある学生,博物館や標本が好きな学生と,多様な興味をもった全学部からの受講を期待する.
Course Goals 博物館の標本の機能や役割について科学基盤に着目しながら,分野横断的に理解する.一次資料としての標本と,そこから派生したデータ,また論文等の研究成果の違いと関わりを理解する.また,標本の多様性を理解し,博物館の機能や役割についての考えを深める.授業の中で自分の考えをもとに積極的に発表し,議論に参加できる.
Schedule and Contents 授業で扱う内容
実際の進行や受講者の議論の展開によって,内容が前後することがある.
2回くらいのグループ発表,またその準備を行う.
総合博物館の標本の見学(動物,植物,地質鉱物,考古学,技術史)と,その専門分野の教員からの話題提供を数回実施する.
第1回 博物館の標本とは何か,博物館の歴史(概論)
  研究と標本の相互作用,明治時代,博物館と博覧会,博物学と近代科学,「博物館」の語源
第2回 総合博物館標本の見学
第3回 「モノ」の標本と「モノでない」二次資料
 標本,写真,スケッチ,模型,同定結果
第4回 研究における標本の証拠機能
  科学不正,研究ノート,誤同定,先行研究
第5回 総合博物館標本の見学
第6回 グループディスカッションと発表・討論
第7回 研究における標本の参照機能
  タイプ標本,自然の参照,「残った」文化史標本と「残した」自然史標本
第8回 標本から生み出される研究成果との連結
  標本と論文のタグ付け,ビックデータ,学際研究の可能性
第9回 総合博物館標本の見学
第10回 標本や研究成果は誰のものか
  個人,大学などの研究機関,人類の知的遺産
第11回 科学基盤としての標本の未来への継承
  標本データベース,分野横断型科学,博物館科学,標本ネットワーク,次世代人材,科学政策
第12回 グループディスカッションとプレゼンテーション作成
第13回 グループ発表と全体でのディスカッション
第14回 総合議論とレポート 学習到達度の評価
試験は実施しない
フィードバック フィードバック方法は別途連絡します
 
Evaluation Methods and Policy レポート3:平常点7で評価する.
レポートは第14回に時間を設け,時間内に書いてもらう.
平常点では講義に出席し,議論での積極的な発言を評価する.また,与えられた課題に対する個人発表,グループ発表への取り組みも評価する.
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 博物館,標本,文化財などに関する報道や話題に日常的に関心をもち,自分自身の考えをもつことが望ましい.
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