Politics in Southeast Asia
Numbering Code | U-LAS05 20035 LJ31 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | All students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.3 |
Instructor name | OKAMOTO MASAAKI (Center for Southeast Asian Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course | 中国が政治経済的に台頭する中で、東南アジアはこれまで以上に日本にとって重要なパートナーとなりつつある。菅首相の最初の外遊先がベトナムと東南アジアであったことは象徴的である。コロナ感染症拡大は予断を許さない状況とはいえ、東南アジアも少しずつポスト・コロナ社会に移行しつつある。コロナ以前のように東南アジアが中国、インドと並んで比較的高い経済成長を続けることができるかはまだ判然としない。政治的には、概ね、民主化の後退が目立ち、コロナ感染症拡大がその傾向に拍車をかけてしまっている。1998年に民主化したインドネシアでは、インターネット空間を利用した政権批判の封じ込めも目立つ。2011年に民主化が始まったミャンマーでは、2021年にクーデタが起きてしまった。マレーシアでは2018年、独立以来、初めて政権交代が起きたものの、混乱が続いている。タイでは2014年にクーデターが起こり軍政に逆戻りし、王室の影響力がかつてなく高まっている。フィリピンでは、直接選挙で選ばれた大統領が麻薬撲滅のための超法規的殺人を正当化している。カンボジアでもシンガポールでも一党支配体制は堅固である。こうした東南アジアの民主主義の後退をどう考えれば良いのであろうか。本授業では、こうした民主主義の後退につながる各国の政治について、独立後から現在までの少し長いタイムスパンで考えていきたい。 | ||
Course Goals | 東南アジア諸国の特徴を一般的に理解したうえで、東南アジア諸国に見られる権威主義体制、社会主義体制、民主主義体制の歴史的変遷を理解する。そして、東南アジアで顕著な民主主義体制の衰退の原因、民主主義を支持する勢力が弱い原因を明らかにする。 | ||
Schedule and Contents |
次のような流れで講義を進めていく。ただし、進行具合により変更の可能性がある。 1.世界の中のアジア、東南アジア 2.変革期の東南アジア政治 3.東南アジア国家の歴史的変遷:植民地期から独立後 4.東南アジア国家の歴史的変遷:独立後から現在 5.東南アジアにおける民主主義の進展と衰退 6.インドネシアの政治:イスラームと民主主義の両立? 7.マレーシアの政治:一党支配体制の破綻と混乱 8.フィリピンの政治:非民主的大統領の民主的誕生と超法規的殺人 9.ミャンマーの政治:不完全な民主化が生んだクーデタ 10.タイの政治:軍政から絶対王政? 11.カンボジアの政治:ポル・ポト後の強権支配と中国化 12.ベトナムの政治:市場経済と一党独裁の両立・非両立 13.東南アジアでのマイノリティの政治:LGBTの政治 14.東南アジアと日本 15.定期試験 16.フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy | 平常点(10点)、第5回時のエッセイ(20点)と定期試験(70点)で評価します。 | ||
Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 授業中に紹介する参考文献を使いながら復習をしてください。 | ||
References, etc. |
東南アジア地域研究入門3政治, 山本信人編著, (慶應義塾大学出版会) 教養の東南アジア政治史, 川中豪・川村晃一編著, (ミネルヴァ書房) 海洋アジアvs.大陸アジア:日本の国家戦略を考える, 白石隆, (ミネルヴァ書房), ISBN:978-4623075713 |