Interdisciplinary Sciences :Sustainable Society on the Earth (From the Perspectives of Energy, Environment and Society)

Numbering Code U-LAS60 10001 LJ17 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.5
Instructor name TAKAYUKI KAMEDA (Graduate School of Energy Science Professor)
KAWAMOTO HARUO (Graduate School of Energy Science Professor)
KA ENMIN (Part-time Lecturer)
Outline and Purpose of the Course  エネルギーと環境の問題が地球規模で取り上げられるようになって既に半世紀が過ぎた。石油危機により注目され始めたエネルギー資源の問題と,地球規模の気候変動の一因となる二酸化炭素排出の問題が現在における主役であろう。そして,最近では再生可能エネルギーがその問題の緩和・解決をもたらす方策として注目されている。これも,発展途上国から見ると,将来の地域開発・経済発展との両立が重要であり,資本主義経済などの社会の在り方にも議論は及ぶこととなる。それに加えて,科学技術の発展に関する知識がその検討に不可欠であることも言うまでもない。
 エネルギー・環境の問題は,そもそもそのような多種多様な背景のもとで検討されるべきものであるが,初学者にとっては,そのすべてを把握したうえで検討を始めることは非常に困難である。そこで,そのような多様な分野にわたる知識の下での検討過程を体験することも,今後の学習・研究の方向性を定める上で大切なことと考えられる。
 本授業では,エネルギー・環境の問題について自然科学,人文学,社会科学の3つの異なる視点から同時に考えることを,3人の異なる分野の教員による講義・演習を通して体験してもらう。各教員による講義に際しても,原則として別の教員も質疑に加わることとしている。この点も,本授業の大きな特徴である。
 そして,この授業を通して,社会における複数の研究領域に関わる問題に対して複数の異なる視点から接近する基本的な「考え方」を身につける。この経験によりもたらされる,様々な視点から同時に眺めたときに得られる奥行きと広がりのある光景は,今後の諸君自身の専門分野での学習の際にも,大いに役に立つと期待できる。
Course Goals エネルギー・環境・社会の問題に関する基礎知識を身につけるとともに,その問題解決には,エネルギー・環境に関わる多様な専門分野の相互関連の理解が重要であること,また,その問題の検討には,自然科学,人文学,社会科学の異なる3つの視点からの検討が必要なことを,講義や議論を通して習得する。また,一つの問題を複数の異なった視点で眺める習慣を体得する。
Schedule and Contents 下記のエネルギー・環境に関わるテーマについて,技術と社会の両面から学び,その後,適切な課題を選択,自らが調査・分析・検討・意見交換を行う能力を養う.
授業中に適宜,質疑や意見交換の時間を設ける.

第1回目:本講義に関するガイダンス

テーマ 1 エネルギーと森林,地球生態系 (3回: 主担当 河本)
 概要:我々が利用しているエネルギーの起源を考え,森林およびその他の生態系が地球環境を維持する上で果たしている役割について理解を深める.これらの情報を基に,将来実現することが求められている持続可能な社会を如何に形成していくかについて考える.
 KEY WORD: 地球環境,持続可能なエネルギー利用,森林,バイオマス

テーマ 2 エネルギーと環境 (3回: 主担当 亀田)
 概要:エネルギーの消費活動は環境への負荷を伴う.ここでは特に,化石燃料の使用によって生じる環境問題(例えば地球温暖化,PM2.5による越境大気汚染など)について,過去の歴史や諸外国の現状も踏まえながら論じる.これらの多くは一国で対処できる問題ではなく,従ってその対策は国際的な枠組のもと立案していく必要がある.各国の立場や主張,その背景にある考え方や倫理観などについて理解した上で,如何にして環境負荷の緩和策を導き出すかを議論する.
 KEY WORD: 地球温暖化,大気汚染,エアロゾル,環境倫理

テーマ 3 エネルギー・環境問題と社会 (3回: 主担当 何)
 概要:
エネルギー消費に伴う環境問題を経済学の観点から、問題が発生するメカニズムを明らかにするとともに、環境問題を解決するための具体的な政策のあり方を考察する.これらを踏まえて、経済成長と環境を両立させる持続可能な発展と今後の環境政策のあり方を、さまざまな経済学の視点から考究していく.
 KEY WORD: 外部不経済、経済成長、カーボンプライシング、SDGs

テーマ 4 課題学習 (3回: 全教員参加)
 概要:最後にグループに分かれて,エネルギー・環境.社会の問題について興味ある問題を選定し,3つ以上の異なる視点から,その問題について検討すべき課題を抽出,各課題についてグループ内で初歩的な検討を行う.最終的に,抽出した課題の論点を分かりやすい言葉でまとめるとともに,自然科学,人文学,社会科学の3つの異なる視点から眺めたときに浮かび上がってくる問題点について,他者にも理解できるように分かりやすく説明する.

まとめ (1回: 全教員参加)
 講義と課題学習を振り返って,エネルギー・環境問題に代表される,社会における複合領域問題に対処するときの考え方を整理する。

授業回数はフィードバックを含め全15回とする.
Evaluation Methods and Policy 出席状況,講義で取り上げられる課題への取り組み方,最終レポートなどを総合して評価する.
詳細は講義で説明します.
Course Requirements エネルギーと環境に関わる問題について,そして,多様な分野の研究者から成り立っている総合大学の特徴を生かした,自然科学,人文学,社会科学の異なる3つの視点からの検討手法について,関心のある人を歓迎する.
Study outside of Class (preparation and review) 授業内容を復習し,発表前には準備の時間をとること.
Textbooks Textbooks/References 必要に応じて,資料配布.
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