Topics in Cultural Anthropology II

Numbering Code U-LAS05 20002 LJ40 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Wed.2
Instructor name Iwatani Ayako (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 本講義では、私たちが日常的に行う身ぶりや夢見という無意識下で行われている記憶の営みを文化人類学的に考察することで、私たちが日々世界を生成/変化させている動態に立ちあうことを目指す。何かの仕草を繰り返すこと、夢を見ること、何かを思い出すこと、それは必ずしも既存の社会構造の反復を意味しない。他者と共有された言語や身体技法の体系に依拠しながらも、私たちは「今、ここ」にはない風景をなぞり、世界を日々創造しているのである。身ぶりや夢見で用いられる記号や象徴が社会制度を構築する側面に加えて、人間の身体感覚をともなう実践と意識下の活動が社会における記号の布置を揺るがし、自己の持続と変容を支えている側面を明らかにする。
Course Goals 身ぶりや夢見を単なる表象や欲動の表出ととらえるアプローチを再考し、社会的な行為実践としてとらえる。想起についても、記憶の残存や複製としてではなく、時間や場所に関する感覚の創出としてとらえることを目指す。
Schedule and Contents 1. 言語と記憶
2.想起とはなにか 
3.想起する自己
4.個人的記憶と集合的記憶
5.想起される場所
6.想起と情動
7.思い出さないということ
8.想起と身ぶり(1)身体化された記憶
9.想起と身ぶり(2)踊りつがれる記憶
10.夢とはなにか
11.テクストとしての夢
12.夢を想起するということ
13. 夢見と社会(1)移動民社会における夢見 
14. 夢見と社会(2)夢の語りと自己変容 
15.フィードバック
Evaluation Methods and Policy 小レポートを数回、学期末レポートを実施する。
授業への参加度(20%)、小レポート(30%)、学期末レポート(50%)で評価する。
Course Requirements 人類学関連の講義を履修していることが望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 講義で紹介される参考書に目を通しておくこと。
夢や想起という日常的な行為について関心をもつこと。
References, etc. 夢とミメーシスの人類学, 岩谷彩子, (明石書店)
想起のフィールド―現在のなかの過去, 佐々木正人, (新曜社)
想起の心理学―実験的社会的心理学における一研究, バートレット、F.C., (誠信書房)
物質と記憶, ベルグソン、アンリ, (白水社)
記憶の持続 自己の持続 , 松島恵介, (金子書房)
PAGE TOP