ILAS Seminar :Seminar on Comparative Cognitive Science

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ Intensive, First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year Mainly 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name HIRATA SATOSHI (Wildlife Research Center Professor)
Outline and Purpose of the Course 熊本県宇城市にある野生動物研究センター・熊本サンクチュアリで、チンパンジーとボノボの認知行動に参加する。チンパンジーとボノボは、ともにヒトに最も近縁な動物である。熊本サンクチュアリは、国内最多数のチンパンジーを保有し、かつ国内で唯一ボノボがいる施設である。熊本サンクチュアリにおいて、チンパンジーとボノボの共通点と相違点を探る研究を見学・実地体験することによって、比較認知科学の手法と心の進化的基盤について学びを深める。
但し、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、熊本サンクチュアリに赴いての実習は実施できない可能性があり、その場合は場所と内容を変更して実施する。
Course Goals 行動観察、心理学的実験、タッチパネルを用いた認知課題、アイトラッカー等計測機器を用いた認知研究の実地体験により、比較認知科学の基本的手技を学ぶ。
ヒトの心が進化の産物であることを科学的に理解し、ヒトとヒト以外の動物の心との類似点や相違点について知識を深める。
Schedule and Contents 熊本サンクチュアリにおいて、5日間の集中実習をおこなう。時期は8月上旬を予定するが、参加者の希望を聴取し、相談のうえで決定する。
熊本サンクチュアリにおいて、教員・研究員がおこなっているチンパンジーとボノボを対象とした比較認知科学研究および行動研究に参加する。内容は以下に掲げる通りであるが、実習の順番については天候や進み具合等を勘案して調整する。
1.社会交渉やその他の行動に関する自然観察的研究
霊長類の行動観察をおこなう際に基本となる個体識別をおこなう。観察対象のチンパンジーとボノボのそれぞれの個体の特徴を覚え、受講者各自が識別できるまで観察する。個体識別ののち、チンパンジーとボノボそれぞれ1集団を対象として、自発的な行動の記録をおこなう。得られたデータを分析して、チンパンジーとボノボの行動特性の違いについて考察する。
2.心理学的実験
道具使用に関する実験的研究など、従来チンパンジーを対象におこなわれてきた実験心理学的手法を用いた研究をおこない、連合学習や洞察などに関する理解を深め、実地に研究場面を体験する。
3.タッチパネルを用いた認知課題
タッチパネルを用いた選択課題や弁別課題に参画する。得られたデータの解析をおこない、それに基づいてオペラント学習課題の基礎について講義する。
4.アイトラッカーを用いた認知行動研究
アイトラッカーと呼ばれる装置を用いて視線を計測する実験研究をおこなう。アイトラッカーは、心理学の多方面の領域で用いられるようになった近年革新の著しい測定技法である。チンパンジーとボノボの視線について、得られたデータの解析をおこなう。
5.飼育環境エンリッチメント
チンパンジーとボノボの飼育の現場を見学し、環境エンリッチメントのための活動を実地に体験する。
6.まとめ
得られた成果をもとに、心の進化について受講生全員で議論する。

但し、「概要・目的」欄に記した通り、新型コロナウイルス感染症の状況によっては、場所と内容を変更して実施する可能性がある。
Evaluation Methods and Policy 実習についてのレポートにより評価する。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) あらかじめ、関連URLに挙げたウェブサイトをみておくこと。参考書についても読んでおくことが望ましい。
References, etc. 想像するちから-チンパンジーが教えてくれた人間の心, 松沢哲郎, (岩波書店), ISBN:4000056174
仲間とかかわる心の進化-チンパンジーの社会的知性, 平田聡, (岩波書店), ISBN:4000296140
Related URL http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/link.html
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/index-j.html
http://langint.pri.kyoto-u.ac.jp/ai/
http://www.wildlife-science.org/
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