ILAS Seminar :Past and future of human evolution

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Thu.5
Instructor name FURUICHI TAKESHI (Wildlife Research Center Professor)
Outline and Purpose of the Course 私たちヒトは、どういう経過をたどって誕生し、生物界の中でなぜこのような特殊な位置を占めるようになったのか。ヒトは、どのような特性をもった生物なのか。ヒトは将来にわたって他の生物と共存していくことは可能なのか。可能だとすれば、今後どのようなことを考えて行かなくてはならないのか。これらの問いは、霊長類やヒトの進化を研究する者だけでなく、ヒトの活動を対象とするあらゆる文科系研究分野の研究者にとっても、避けて通ることのできない問題です。京都大学から始まったと言っても過言ではない霊長類学は、このようなヒトの存在の意味を明らかにすることを、大きな目標のひとつとして発展してきました。とくに近年は、ヒトの誕生の秘密に迫るさまざまな研究成果や発見が相次ぎ、従来のヒトの見方を大きく変えなくてはいけない時期に来ています。このゼミナールでは、自然人類学、霊長類学の書籍の講読と討論を通して最新の研究成果に触れ、新しいヒト進化論について考えていきたいと思います。
Course Goals 担当する文献の章の内容を理解し、他の人にわかりやすく解説できる。
関連する情報を収集し、自分なりの論理を組み立てて発表できる。
野生動物の生活に触れ、行動観察を体験する。
Schedule and Contents 1.イントロダクション
2-3.霊長類の進化とヒトの位置に関する解説
4-8.ヒトの進化と現代的問題について鋭い視点から切り込んだジャレド・ダイアモンドの名著『The third chimpanzee』の改訂版『若い読者のための第三のチンパンジー:人間という動物の進化と未来』を講読し、各受講生が担当する章の内容と各自で調べた関連事項をパワーポイントを用いて発表し、全体で討論を行う。
9.野外実習の解説と準備
10.野外実習に向けたニホンザルの生態についての解説

 上記のほか、11~15回の授業にかえて、夏期休暇中の9月21日(水曜日)から9月25日(日曜日)の4泊5日、宮城県牡鹿半島沖の金華山島で野生ニホンザルの観察実習を行います。ただし、日程については変更する可能性があります。
 黄金山神社以外に人の住まない金華山島は、全島に野生のサルとシカが住み、ブナやケヤキの大木を擁する美しい森に覆われた野生の天国で、長年にわたって多くの研究者が動植物の行動や生態に関する様々な研究に取り組んできました。東日本大震災の震源にもっとも近かった金華山島は、地震と津波で大きな被害を受けて毎年行ってきた実習も中止せざるを得ませんでしたが、国内外からの資金援助やボランティアの方々のご努力もあって港も調査基地として用いてきた山小屋も再建され、2012年からは実習を再開しました。復興半ばの牡鹿半島・金華山の様子や、力強い自然の再生力についても見て学ぶことができます。
 山小屋で合宿生活を送りながらサルについて森を歩き、野生ニホンザルの行動・生態・社会構造、山や海辺の生物の生態、動物と森林との相互関係など、多くのことを学びます。交通費・宿泊費・食費は自己負担で、京都から夜行バスまたは航空機利用の場合、合計37,000円程度の予定です。
 なお、新型コロナの感染状況によって実施が難しいと判断した場合は、校外実習を中止して小論文等代替の課題を与えます。また、実施する場合でも、なんらかの事情で参加できない学生についても、同様の代替課題を与えます。
Evaluation Methods and Policy ゼミナールですので、継続的な出席を重視します。毎回の授業への参加態度と各自の発表、実習への参加とそのレポートによって成績を評価します。詳細は授業中に説明します。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 4月中に各自が担当する章を決め、毎回2人ずつにその章について調べてきたことを発表してもらいます。発表にあたり、担当する章の精読、関連情報の収集、パワーポイントによる発表資料の作成などの準備が必要です。
Textbooks Textbooks/References 若い読者のための第三のチンパンジー: 人間という動物の進化と未来, ジャレド・ダイアモンド, (草思社), ISBN:978-4794221759
References, etc. あなたはボノボ、それともチンパンジー? 類人猿に学ぶ融和の処方箋, 古市剛史, (朝日新聞社)
PAGE TOP