ILAS Seminar :What are human beings?-The scientific and philosophical foundation of life phenomena

Numbering Code U-LAS70 10001 SJ50 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year 1st year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Tue.5
Instructor name MURASE MASATOSHI (Yukawa Institute for Theoretical Physics Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  自分で考える力を伸ばしたい、教科書の内容には飽き飽きした、やる気のある雰囲気に浸りたい、そんな欲求に答えるべく、本年も文系・理系を問わずに、今回、テーマを「人間とは何か? -生命現象の自然科学的・哲学的基礎-」として開講する。

(これまでの講義では、教育学研究科修士課程1年、理学研究科博士課程2年(留学生)が参加し、最終回まで受講者数は減らなかった。また、履修登録者以外の学生も単位認定はされないことを承知で、何名か参加していた。)

 重要な点は、知識がいかにすれば構成できるかを自得することにある。「学習すべき内容」ばかりに気を取られていては、知識の洪水に埋没するばかりである。そうではなく、「学習方法」に視点を移すことによって、より効率的に学習内容を修得できるとともに、未知の領域にも果敢に挑戦できる可能性が開かれるのである。したがって、新たな知識を提供するということだけに焦点を当てることはしない。そうではなく、最高学府での学習意欲が掻き立てられるような構成を意識したい。

 私たちは、環境を十分に認識しているつもりでいる。ところが、環境の一部しか認識していないのである。それにもかかわらず、この事実を全く‘認識’していない。このまま学問が発展したとしても、このジレンマが解消するわけではない。むしろ、私たち自身の不完全な認識が、ますます精密化・細分化していくに過ぎない。こうした現実を無視して、既成の学問を受動的に受け入れるだけでは、学ぶ意義は見いだせない。アルバート・アインシュタインは次のような主旨を述べている。「問題が生み出されてきた考え方にとらわれている限り、問題解決はおろか、問題が存在していることにすら気づかない」と。今こそ、新たな学問を創造する時なのである。それは、どんな学問だろうか?

このILASセミナーは、以下のILASセミナーとリンクしています。
ILASセミナー (集中講義型):未来創成学への招待 - 自然科学・哲学・芸術の対話
もし、このセミナーを希望されて、抽選漏れした場合には、この集中講義型を選択されることをおすすめします。

 2007年より、毎年テーマを変えながら提供してきたポケット・ゼミ(平成28年度よりILASセミナーへ名称変更)の受講学生は、文系・理系のほとんどの学部におよび、また男性も女性、さらには留学生も含まれ非常に多様な顔ぶれであった。

1)村瀬雅俊 2007年度ポケット・ゼミ「生命とは何か?」講義ノート
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/general-education-jp/what-is-life

2)村瀬雅俊 2008年度ポケット・ゼミ「創造性とは何か?」講義ノート
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/yukawa-institute-for-theoretical-physics/what-is-the-nature-of-creativity

3)村瀬雅俊 2009年度ポケット・ゼミ「進化とは何か?」講義ノート
http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja/general-education-jp/what-is-evolution

4)国際会議「生命とは何か?」 組織委員長 村瀬雅俊 2007年10月
http://www.yukawa.kyoto-u.ac.jp/contents/seminar/archive/2007/ny2007/

5)国際会議「創造性とは何か?」組織委員長 村瀬雅俊 2008年10月
http://www.kier.kyoto-u.ac.jp/ICAM/complexity/conference08.html

6)国際会議「進化とは何か?」 組織委員長 村瀬雅俊 2009年10月
http://www.yukawa.kyoto-u.ac.jp/contents/seminar/archive/2009/yitp-w-09-14/ev2009/index.html

7)国際会議「複雑現象とは何か?」組織委員長 村瀬雅俊 2010年10月
http://kuchem.kyoto-u.ac.jp/kinso/IIW2010/HOME.html

8)京都大学国際フォーラム「新たな知の統合に向けて」組織委員長 村瀬雅俊 
2011年10月 京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/ws/2011/2011kyo/

9)村瀬雅俊 ホームページ
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/murase/


【研究プロジェクト】
京都大学研究強化促進事業 学際・国際・人際融合事業「知の越境」融合チーム研究プログラム【学際型】- SPIRITS - (SPIRITS: Supporting Program for Interaction-based Initiative Team Studies)の一環として京都大学「統合創造学の創成―市民とともに京都からの発信-」プロジェクト(総括代表者: 村瀬雅俊 京都大学・基礎物理学研究所)が採択(平成25-26年度)されました。
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/nics/


【研究プロジェクトの概要】
創造の瞬間、それは、宇宙の創生にはじまり、生命の起源やこころの進化から、文明の誕生など多岐にわたる。従来、このような創発現象は客観科学の立場から分析され、法則や原理が探究されてきた。しかし、私たち人間のこころが輝きわたる創造の瞬間も存在するということを忘れてはならない。アインシュタインによる相対性理論やダ・ヴィンチによるモナリザは、こうした主観的なこころのはたらきによる創造の成果である。確かに、創造の成果である新理論や芸術作品は、人から人へと伝承可能である。ところが、こころのはたらきそのものは表現不可能である。そのため、トルストイは「芸術家による創造の瞬間は解明不可能」と考えていた。本研究プロジェクトでは、物理学、心理学、看護学、社会学、教育学、博物学及びプロジェクト構成員の多様な分野の組み合わせによる対話を通じ、この解明不可能とされてきた‘未踏領域’を‘未科学への挑戦’として科学的に解明することを目指す。
本プロジェクトの目的は、この世紀の大問題である創造の瞬間にはたらく‘創発原理’を解明すること、そして、そのために必要となる新たな学問体系として異分野統合に基づく「統合創造学の創成」である。

【文部科学省科学研究費助成事業】
挑戦的萌芽研究「統合科学の創造と統一生命理論の構築」(課題番号26560136)助成期間 平成26年度~平成28年度(代表、村瀬雅俊)が採択された。

【新規 研究プロジェクト 2015年7月ー2020年3月】
京都大学・未来創成学国際研究ユニットは、平成25~26年度に採択された統合創造学創成プロジェクト(研究代表者:村瀬雅俊)の研究活動に基づき、基礎物理学研究所が主体部局となり、京都大学の研究所・センター・研究科など12部局(平成30年現在16部局)が参画して、平成27年7月28日に発足しました。異分野を統合することの知的冒険によって、生命・物質・こころの世界、あるいは人間社会・教育・経済を貫く普遍法則や創発原理を探求し、未来を方向づけるパラダイム転換を目指しています。統合複雑系科学国際研究ユニット・宇宙総合学研究ユニットとも連携しながら、多くの外国人教員を迎え、国際規模での研究ネットワークの構築を進め、独創的研究を推進していきます。
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/


【京都大学国際シンポジウム「未来創成学の展望」 2019年10月24日-26日】
京都大学百周年時計台記念館・国際交流ホールⅢ、百周年記念ホールにおいて、京都大学・未来創成学国際研究ユニットの研究総括・報告を行う。学生・院生の積極的な参加を歓迎する。
Course Goals 本ゼミの到達目標は、さまざまな話題が提供され議論されるなかで、学問の本質を自らの力で実感できることを目指している。そのためには、ゼミ形式自体も絶えず変化のある形態を目指している。学生同士の意見交換、意見発表の場も設け、このゼミを通して、自己意識の変革を実感できるように計画している。考えることの意義、難しさを実感してもらいながら、問題を発見するとはどういうことか、解決への道筋とはどういうプロセスかなど、具体的に考えられる学力を身につけてもらいたい。
Schedule and Contents  本ゼミの特徴は、さまざまな話題を提供しながら議論をすすめ、学問の本質を実感できることを目指している。また、絶えず変化のある形態を目指して、学生同士の意見交換、意見発表の場も設け、このセミナーを通して、自己意識の変革を実感できるよう計画したい。

 第1回 参加学生の自己紹介およびゼミの進め方について概説する。

 第2~4回 「認識のタイプ」について課題を提示し、それをもとに討論を行う。
特に、カール・ユングの心理学を参考にしながら、認識のタイプを考察してみたい。ここでのポイントは、認識と「認識についての認識」、すなわちメタ認識を体験する試みにある。

 第5~9回 生命現象とその現象の意味を探ることによって、現象に対する理解と認識がどのように深まるかを、各自の体験にもとづいて検討したい。ここでのポイントは、認識にもメタ認識があるように、生物学にもメタ生物学という観点があることを自得することにある。

 第10~15回 上記において試みた2種類の、いわゆる「高次化」のプロセスが、実は生命現象そのものの本質にほかならないことを再度確認する。特に、最終回では、考えることの意義、難しさを実感してもらいながら、問題を発見するとはどういうことか、解決への道筋とはどういうプロセスかなどを全体を振り返って、包括的に考えたい。

「授業はフィードバックを含め全15回行う」
Evaluation Methods and Policy レポ-ト50% / 平常点評価50% (出席状況30%・討論参加10%・発表10%)
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参考までに、以下が2014年度学生感想の一部です。

・このゼミで私は普段の生活の中で何も考えずに享受していたことに疑問を持つことの大切さに気づきました。しかし、疑問を持つには自分の凝り固まったものの見方から一度離れて物事を見ていく必要があり、〝疑問を持つ〟ということは案外難しいことです。人生をただ生きるのでなく、意志を持って生きたい人は何かしらのヒントがこのゼミで手に入れることができると思います。

・ゼミの内容は想像以上に頭を悩ませるもので時には考えが何も浮かばず発言できなくて悔しい時もありました。でもこのゼミで自分の無知さ、もっと勉強しなくてはという思いにさせてもらい無知の怖さも痛感し、このゼミを取って良かったと思いました。内容はすべては理解できないかもしれませんが、一部でも理解することで、今後の大学生活における勉強への意識が高まり良い経験だったと思いました。

・このゼミで得た知識の全てを理解することはできませんでしたが、他の授業にはない刺激的な体験ができました。今までに考えもしなかったものの見方や発想など毎回驚きの連続でした。このゼミを選んでよかったです。短い間でしたが、ありがとうございました。

・このゼミで得たものは非常に大きかったように思います。すべてを理解できているわけではありませんが、それでも確かに自分にとって新しく有用な考え方を学ぶことができ、また大きな意識の変化も起こりました。真剣に話し合える友達がいろんな学部にできたこともよかったです。

・他学部の人と知り合い、その人たちと先生とで議論を交わしていく。非常に大学生らしい刺激的な経験をすることができます。内容について難しいこと、納得しがたいこと、様々ですが、そういうことこそ議論で解決していく。それが出来るのがこのゼミです。自分の意見を発信していく場所というものは中々ありません。それを真面目に話し合える場所は非常に貴重です。取って損をすることはないと思います。

・一回生前期の段階でこのゼミを受講できたことは、私にとって意味のあるものとなりました。

人間が物事を考える方法や、世界の事象のそれぞれに共通する側面に着目することで、新たな知見に到達するためのひとつのきっかけの作り方を学ぶことができました。
毎回のゼミの中で行われる思考実験や各人の経験談を持ち寄ることで、参加者同士で話を深めていく作業自体もとても面白かったです。

また、ゼミの内容だけでなく、このゼミに集まった変人(笑)たちに出会えたことはまさしく財産です。
文系科目や理系科目といった分野を越えた総括的な思索をしたかった私は、京都大学に入りさえすれば同じ問題意識をもった友人に多くであえるものだろうと思っていました。しかし、普段の授業やサークルで過ごしている限り、待っていてもそのような友人に出会うことはないのだと実感したものです。
このゼミの参加者はいろいろな形で思考を重ねてきたひとが多く、多くの刺激を受けました。それぞれ考えは違っていても、寧ろそこが糸口となって世界がさらに広がるようでした。

私がこれから何をやっていこうかがはっきり分かったわけではありませんが、このゼミで学んだことやここの人たちの存在が、これからの私を大きく支えていくものになるだろうと確信しています。
短い間でしたが、ありがとうございました。

・この文章のポケゼミ選択への利用も考慮した上で、極力簡潔かつ十分であろう感想を述べる。
 1)自ら考える姿勢を貫かなければ意味がないゼミだった。このゼミで村瀬先生がおっしゃりたかった内容は1回90分もあれば「言う」ことはできるが、それではその内容は他の瑣末な知識と同列に扱われ、重要性は決して理解されない。故にこのゼミでは、一見遠回りにすら思える議論を繰り返す中で、その本質的な内容に漸近していく方式を取る。だからこそ、すぐには結論の得られぬ問題に耐えられる人、自ら思考の過程を経ることの特別な意味を信じる人だけが、このゼミを有意義なものにできると思う。
 2)メタ学習の方法については、実際に思考の過程を経て、多くの活きた認識を得ることができ、自分にとって大きな財産となった。
 3)「人間とは何か?」については、その内容が容易に受け取りがたく、たった十数回のゼミではその主張の真意、本質を理解するのは難しかった。少なくとも、重要な見方と問題は得られたが。

・半期という短い間でしたが、ゼミありがとうございました、そしておつかれさまでした。僕自身、しっかり考えることをさぼって授業に出席していた時期もあり、あまり褒められた学生ではなかったかもしれません。上手く頭に残らない話も多くありました。ただ、自分は学問の研究の進歩やら世界の真理みたいなものに近づくことよりも現実の世界で人々がより幸せに生きることに大きな価値を感じます。その点で、先生の6/17 の講義(電波等健康被害の話)は自分には衝撃でした。ただ生きるということに対して真剣になって問題意識を持つということはこれから実践します。認識の方法の話や先生の学説に関してはこれから消化していきたいと考えています。「歴史としての生命」購入しました。どれくらい自分の中に落とし込めるかはこれからの課題です。と言いつつも、実は先生からよりも一緒に授業を受けていた友人らから受けた影響の方が大きいように思います。自分が学ぶことに対して真剣になりきれていなかったことを痛感しました。

最後になりましたが、このゼミの良いところは積極的に参加すれば誰しもが自分にとって大事なアイディアを得ることができることかと感じました。さらに、それが個人個人で違うところが非常に面白いと思います。文系理系なんて関係なく、1人の人間としてどう考えどう生きるかというお話の賜物ではないでしょうか。
重ねて、本当にありがとうございました。

・自分は高校まで生きてきて、「これが正しい」という絶対的なものなどありえないという実感を得てきました。そのことで気持ちは楽になりましたが、世の中が「どうせ何も信頼出来ない」と考えると世界は平板に見えるようになりました。かつての自分は、結果的に自己中心的な世界観に陥ってしまったと感じています。この前期のゼミで私は様々なことを知り、感じました。あえて一言で、自分なりに言うなれば、「*ものの味方が変わることで見えるものが大いに変わる*」ということです。
 当然だと思っていたことでも、ちょっと考え方を変えれば謎だらけであったり、ほんとうに難問だと考えていたことが、味方を変えると知っている構造一つで説明できたり…、そういうことを*可能性として*感じられるようになってきました。(ぼくはまだこの方法に絶対的な信頼を置くことができないでいます。というのも、実は先生のおっしゃるような事象の解体の仕方は、あくまで過去の分析であり、結果ありきだという言い方が成り立つと思うからです。過去と現在のあいだに構造を加えて、そこで*未知のものを生成*することができれば、よいと思います。)
 とくに精神病理、細胞の生物学、そういった科学的な事例を見せていただいたのが、文系由来の自分には新鮮でした。個の発見は、「まだまだ謎だらけだ」という、おどろきとおそれをもたらしてくれたし、「いや、このことだって、いつかするっと分かる視点があるのだ」と希望の光を感じることでした。すると世の中のことも、自分自身のことも、すごい奥行きを今ではかんじるようになりました。これはいい変化でした。2次元から3次元になるような感覚。いやもっと微妙で、0.14次元くらいの上昇かもしれません。先生のおっしゃることが全部わかっているとは思いません。しかしこれがメタ認知に近いものなのかな、と今は感じています。
 その上でぼくはやはり先生の考え方に違和感を感じます。マクロとミクロが必ずとも一致するとは思わない。同型であると断じることは、多くの事実を漏らしてしまう。弁証法にも、より動的な視点から批判を加えるべきだ。人間はそんなに簡単に説明いくものじゃない。この世に真理があるとも思わない。(もっとも、これらのことばは、先生がわれわれにショックを与えるために、ドラマチックな言い方をしなさったのかもしれませんね。) ものの見方で世界は変わるし、これまでも変わってきた(科学上の発見、健康のための携帯電話の規制等)。ぼくはこのことを先生に教わった。これから先生の大著「歴史としての生命」を読破したい。先生はひとつの新しい哲学(あるいは新しい視点)を作り上げた。その上で、ぼくは自分自身の哲学をつくっていきたい。それは絵画や音楽の形をしているかもしれません。(哲学とは、新しい視点の提案をするものでもあるから。) 漠然とした言い方に鳴ってしまうが、新たな「かたち」を作り上げる、それが、ぼくの目下の目標であります。
 加えて、ぼくは先生の生き方を直接肌に触れて知ることができたのを嬉しく思います。科学の現代社会に生命を脅かされ、憤り、死に物狂いで自分の学問を形成しようとする先生の姿に、ぼくはものすごさを感じています。
 前期の内に、まだまだ僕では太刀打ち出来ないことがたくさんあり、読むべき本は多く、考えるべきことはたくさんある、と感じられたことは、非常に大きな学びの契機でした。
 短い期間でありましたが、本当にありがとうございました。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 知識を知るということと、知識の活用方法を知るということには、根本的な違いがあります。本講義では、知識をただ学ぶことはしません。そうではなく、1つの知識から、みなさん自身が主体的に様々な知識を作り出すことができることを体験します。この体験は、単なる大学での学習範囲を超え、日常生活、クラブ活動、社会活動など、様々な分野で応用可能となるばかりでなく、「問題発見型思考」を体得する手がかりにもなります。講義では、自然科学、人文科学、芸術、運動学など多様な分野から、普遍的な原理の探求が捉えられるよう、話題提供と議論をバランス良く取り混ぜながら、自ら考え・学び・実践できることを目指します。

この講義では、「想定外事態」にどのように対処するかを、学びの世界で体験することが、1つの狙いです。そのため、講義では、学生と教員の議論、学生同士の議論、グループ学習など、メンバーの構成を随時変えながら、多くの課題に挑戦します。さらに、講義時間外において、各自が講義内容を振りかえり、日常生活の中で実践的に取り組むことが、極めて重要です。その方法については、講義中に指示します。
Textbooks Textbooks/References 増補・復刻版 歴史としての生命-自己非自己循環理論の構築, 村瀬雅俊・村瀬智子, (ナカニシヤ出版、2022年)

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参考までに:

初版書籍:村瀬雅俊 著『歴史としての生命-自己非自己循環理論の構築』
(京都大学学術出版会、2000年)http://hdl.handle.net/2433/49765

本書は、生命科学、生物学の知識をただ提供する目的で執筆したのではない。そうではなく、生命現象の意義、およびその理由づけができるように、広範な知識を1つの全体として捉えなおす、いわゆる「メタ生物学」を構成する目的で執筆した。

References, etc. 未来創成学の展望-逆説・非連続・普遍性に挑む-, 山極壽一・村瀬雅俊・西平直, (ナカニシヤ出版), 15章からなる文理融合研究の成果をまとめています。2020年3月の出版。
未来共創の哲学-自己・非自己循環理論の展開-, 村瀬雅俊・村瀬智子, (言叢社), 生命の大統一理論、自己・非自己循環理論について20年の研究成果をまとめています。2020年3月の出版。
理解するという方法には、2つの側面がある。1つは、皆さんもよく熟知している客観的な理解である。これは、見ている対象とは独立に観測者があることを前提としている。その独立性故に、私たちは普遍性について議論できると考えている。自然科学は、こうした客観的な世界観を緻密に体系化してきた学問であることは、言うまでもない。いま1つの方法は、主観的かつ体験的な理解である。対象そのものになりきることによって、その本質を捉えようとする方法である。武術・芸術などでは、書物の客観的知識とは別に、失敗と成功を繰り返すことによって、熟知していくということはよく知られている。前者は、西洋的であると言われ、後者は東洋的であると言われる。心理学者ユングは、前者を外向タイプ、後者を内向タイプと呼んだ。「統合科学」とは、実はこの2つの方法を統合する科学に他ならない。それは、これまでの「分析科学」とは相補的な科学の在り方である。
Related URL http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/nics/
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/icis/
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~future/murase/
https://www.gsais.kyoto-u.ac.jp/elp/professor/murase/
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