ILAS Seminar :History of Languages, History of Linguistics
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar | |
Target Year | 1st year students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.5 | |
Instructor name | ITOU JUNJI (Institute for Research in Humanities Associate Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
なぜ我々(多くの現代人)は、殺人事件があったとき「AがBを銃で殺した」「Bが殺された」と言うのでしょう。殺人犯が分からないこともあります。「(Aの発砲で)Bが死んだ」で充分ではないでしょうか。実際にそれに近い言い回しをする言語もあります。問題は、文の上で殺人者に注目するか、死んだ人がいるということのほうに注目するかです。 「情報社会」ということばが使われるよりはるか以前から、言語は人間の社会と文化にとって重要な課題でした。言語の研究は西欧では植民地の拡大、世界観の革新と並行してすすみ、認識論の変化をも促しました。 今年度は山口巌『人とことば -その関わりと研究のあゆみ』(ブックワークス響,2013年)を一応の教科書として輪読すると同時に、ことばにかかわるテーマで受講者に自由に報告して貰う形でゼミをおこないます。教科書は受講者に配布します。 山口巌氏はスラヴ語(特に教会スラヴ語)を専門としつつ、『パロールの復権』『類型学序説』などで言語理論にも造詣の深い研究者です。講師の専門はコーカサス史ですが、コーカサス諸語の研究はロシア(ソ連)で発達した「内容的類型学」に大きな影響を与えています。冒頭で挙げたような、ことばによる世界(ものごと)のとらえ方そのものを言語ごとに分類していこうという試みが内容的類型学です。 ゼミではとりあえずは教科書を通じて、言語学・認識論・認知科学・そして言語史を通じた歴史学上のさまざまな問題を考えていきます。 |
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Course Goals |
言語の重要性、物事の歴史的あるいは構造的把握の重要性を理解する。 多人数向け報告の基礎的知識と基本技法を習得する。 |
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Schedule and Contents |
教科書を輪読し、同時に教科書に関連する報告をしていただく予定です。 (授業計画は、受講人数や受講生の希望によって適宜変更します。以下は関連すると思われる項目を教科書の順にを大まかに並べたものです) 1.イントロダクション 2.西欧言語学史1:ルネサンスまで 3.西欧言語学史2:グリムまで 4. 比較言語学の発展 5.フンボルトとソシュール 6.構造主義とロシアの一般言語学 7.構造言語学の主流派 8.北欧学派と生成文法 9.内容的類型学 10. 自由報告 11. 自由報告 12. 自由報告 13. 自由報告 14. 自由報告 15. フィードバック |
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Evaluation Methods and Policy |
一人2回の報告(40x2),および平常点(20) 「平常点」は単なる出席ではなく、授業中の議論への参加度を考慮します。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
報告者は授業前に報告を準備する。 他の受講者も事前に教科書等からおおまかな報告内容を予期し、質問等を考えておく。 |
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Textbooks | Textbooks/References | 授業中に配布する。 |