ILAS Seminar :Introduction to Modern Aesthetics from Modern Culture
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
---|---|---|---|
Number of Credits | 2 | Course Type | seminar |
Target Year | 1st year students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Mon.5 |
Instructor name | MATSUNAGA SINJI (Graduate School of Letters Associate Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
何かについて、「かわいい」「かっこいい」「おしゃれだ」「ださい」「抜け感がある」「シュッとしている」「統一感がない」「けばけばしい」「しまりがない」などといった判定をすることがあるだろう。こうした判定において、わたしたちは「感性」あるいは「美的なセンス」を使っているとされる。この種の判定を「美的判断」と言う。 美学(aesthetics)とは、ごく大雑把に言えば、美的判断について深く考える哲学の一分野だ。美学の仕事は、個々の美的判断の基準や理由(たとえば、なぜその対象がシュッとしていると言えるのか)を考えることではなく、美的判断が一般にどういう特徴を持つ判断なのかを考えることにある。 この授業では、現代の美学(とくに英語圏が中心のいわゆる分析美学)の基本的な知識と考え方を押さえつつ、わたしたちがさまざまな事物に対して日常的におこなっている美的判断の不思議さについて、ちょっと立ち止まって考えてみたい。 最初の数回は、現代の文化、具体的にはインターネット上の画像(とくにTumblrやInstagramなどに代表されるタグ付け文化)、ファッション、プロダクトデザイン、グラフィックデザインなどを例にしながら、「美的判断」や「美的性質」といった言葉が具体的にどういう事柄を指すのかを説明する。 それ以降は、基本的に教員が話題・論点・知識を提供しつつ、受講生間でディスカッションしてもらう方向で進める。受講生からも積極的に話題を提供してもらえるとよい。 |
||
Course Goals | 美的な事柄についての認識を深める(美意識やセンスを高めるということではなく、美意識やセンスとはどういうことなのかについての認識を深める)。 | ||
Schedule and Contents |
第1回:オリエンテーション 第2~3回:美的なものの例と概念を十分理解する 第4~14回:美的なものにまつわる諸論点について議論する 考えられる論点: 好みは人それぞれ? 美的判断は主観的? 客観的? 自分の美的判断を人に伝えてみる 理解できない他人の趣味を理解してみる 美的センスは成長する? スノッブ(センスがいいフリをするやつ)の問題 人を美的に判断することの問題 美的な良し悪しと道徳的な善悪の違い 京都の景観はどうあるべきか その他適宜設定する 第15回:まとめ |
||
Evaluation Methods and Policy |
平常点(出席と議論への参加):67% 期末レポート:33% |
||
Course Requirements | None | ||
Study outside of Class (preparation and review) | いろんなカルチャーになじんでください。 | ||
References, etc. |
Aesthetics: A Very Short Introduction, Bence Nanay, (Oxford University Press, 2019), ISBN:978-0198826613 悲しい曲の何が悲しいのか, 源河亨, (慶應義塾大学出版会、2019年), ISBN:978-4766426342, 2~3章 |