Sociology of Modern Technology

Numbering Code U-LAS61 10005 LJ28 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese and English Day/Period Thu.5
Instructor name ISHIHARA KEIICHI (Graduate School of Energy Science Professor)
KAWAMOTO HARUO (Graduate School of Energy Science Professor)
SHIMODA HIROSHI (Graduate School of Energy Science Professor)
UNESAKI HIRONOBU (Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science Professor)
KUROSAKI KEN (Graduate School of Energy Science Professor)
YOSHIDA JIYUN (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
OKUMURA HIDEYUKI (Graduate School of Energy Science Associate Professor)
MCLELLAN,Benjamin (Graduate School of Energy Science Professor)
OGATA SEIICHI (Graduate School of Energy Science Associate Professor)
ISHII HIROTAKE (Graduate School of Energy Science Associate Professor)
TAKAYUKI KAMEDA (Graduate School of Energy Science Professor)
UEBAYASHI HIROTOSHI (Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science Associate Professor)
YAMAMOTO KOUHEI (Graduate School of Energy Science Assistant Professor)
MINAMI EIJI (Graduate School of Energy Science Assistant Professor)
OGAWA TAKAYA (Graduate School of Energy Science Assistant Professor)
UEDA KIMI (Graduate School of Energy Science Assistant Professor)
TAKAHASHI Yoshiyuki (Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science Assistant Professor)
Outline and Purpose of the Course  近い将来、エネルギー・資源の枯渇、ごみや汚染物質の排出などが突然顕在化して、われわれの社会に大きな打撃を与えることになるかもしれない。また、地震などの自然災害や原子力災害などは、一度起これば壊滅的な被害を与える。さらに、社会コミュニティの対立や南北問題など、地域からグローバルな国際社会に至るまで多くの問題を抱えている。本講義では、これらの問題の所在を明らかにしてその本質を探るとともに、解決の糸口を探るべく、それぞれの分野の最前線で活躍している担当教員らが平易な解説で講義する。
Course Goals  週ごとに取り上げられるエネルギー・環境問題を中心とした各テーマについて、それぞれ現代社会と技術の関わりを理解する。また、広範なテーマのレポート課題に取り組むことによって、現代社会と技術の関わりを幅広い視野で分析・考察する力を修得する。
Schedule and Contents 概ね下記のテーマについて、担当教員がリレー形式で計14回の講義並びに議論を行う。年度ごとに開講テーマが選択され、講義順序も必ずしもこの通りではない。授業の一部は英語で実施される場合もある。初回のガイダンス時に改めて毎回の講義テーマとスケジュールを通知する。なお、第15回はフィードバック期間とし、方法は別途連絡する。

■エネルギー・環境に関する問題
・地球上での物質循環とバイオマス(河本)
 光合成から物質変換、分解・無機化に至るまでの地球上での物質循環の概略、生態系の種類による特徴などについて論述し、バイオマスのエネルギーおよびケミカル源としてのポテンシャル、地球環境に与える影響等について議論を進める。
・原子力エネルギーの現状と将来(宇根崎)
 本講では、まず原子力エネルギーの原理と特徴を述べ、それらが各国の原子力エネルギー利用戦略、政策とどのように関連するかを述べた後に、原子力エネルギーの現状と将来について概説することにより、今後のエネルギー利用における原子力エネルギーの位置づけについて解説する。
・原子力技術の応用(高橋)
 原子力エネルギーを安全に運用していく中で培われてきた理論や技術は、一見原子力とは関係がないような様々なところで利用されている。このような原子力の応用技術について、例を挙げながら説明するとともに、それがどのように役立てられ、社会に還元されているかを解説する。
・情報化・エネルギーとその課題(下田)
 近年、急速に発展する情報技術により社会構造が大きく変化してきている。講義では、このような変革がエネルギーや環境問題に与える影響や恩恵について論じ、さらに円滑な社会構造変革のためには、どのような課題があるかについて説明する。
・エネルギー利用と大気環境(亀田)
 わが国における各種エネルギー需給構造の変遷に伴う大気環境問題の推移について概観し、エネルギー利用と密接に関連した地域規模の大気環境問題である酸性ガスや粒子状物質による大気汚染の現況と地球規模の大気環境問題である気候変動(地球温暖化)のメカニズム、影響や国際的取り組みについて講述する。
・ゴミから現代社会を考える(石原)
 日本におけるマテリアルフローを示しながら、資源有効利用を促進するための制度、現状について講述した後、循環型社会構築に関する技術的、社会的問題点を考え、その解決について議論を行う。
・エネルギー技術のための非再生資源の将来(McLellan)
エネルギー技術は、大規模インフラとその機能特性から、非再生資源から作られた材料を使用する。再生不可能であるため、これらの資源には限りがある。講義ではこのような資源とエネルギーシステムとの相互接続性について説明する。
・再生可能エネルギーの現状と課題(尾形)
 講義では、再生可能エネルギーの現状について、各種の統計情報や海外諸国の導入事例を示しながら解説し、技術的、社会的課題について解説する。さらに再生可能エネルギーが社会経済システムに与える影響や可能性を学際的な視点で考えてみたい。
・環境アセスメントの基礎(山本)
 人々の生活を豊かにするために行われる開発や施設の設置・改良などの事業を行うにあたり、その事業による環境への影響を事前に予測・評価を行うとともに、影響を可能な限り低減するための対策について検討するための一連の手続きが環境アセスメントである。本講義ではこの仕組みについて概説するとともに、大気環境を中心に実例の紹介や課題についても触れる。
・化石資源を代替するエネルギー源・発電技術の技術的・社会的課題(小川)
 化石資源を代替し、二酸化炭素排出量を低減できるエネルギー源と、それに基づく発電技術について、技術的・社会的課題を解説する。例えば車の電源に用いられる二次電池や、燃料電池等を取り上げ、将来的に用いられるだろう再生可能エネルギー由来の燃料について述べる。

■リスクに関する問題
・地震動予測のための地下構造の探査技術(上林)
 来るべき大地震による揺れの(強震動)予測を高精度で行うには、震源と地盤構造のモデル化の精度が特に重要となる。過去の地震被害へ震源と地盤構造がどのように影響したかを紹介すると共に、地盤構造のモデル化に必要な各種探査手法の特徴について述べる。
・原子力と材料(黒崎)
 原子炉では様々な材料が使われている。量子エネルギーを生み出す核燃料や、核燃料を環境から隔離する核燃料被覆管などが、その代表的なものである。本講義では、材料の特性と応用の間の結びつきに着目し、代表的な原子力材料がそこで用いられている必然性を議論する。
・バイオ燃料と品質規格(南)
 新しい技術が社会に普及する過程では安全性、信頼性、環境性などの観点から公的規格や規制が必要になる場合がある。本講義では、バイオ燃料を例として取り上げ、規格の重要性や制定までの社会的仕組みを述べる。

■社会に関する問題
・技術と豊かさ(奥村)
人や人間社会に真に必要な技術とは何か、また我々に何が出来るか。現代技術社会に暮らす我々の大量消費型生活を「豊かさ」「地球上に生きる人」といった視点を入れて見つめ直し、そういった技術を持たない国や人々との比較において人間の価値観・普遍性、お金の概念などをエネルギー環境問題の観点を含めて考察する。
・情報技術と親密圏/公共圏の再編成(吉田)
 情報技術の浸透にともなう社会空間の再編性の様相について、「親密圏」(少数の人びとのあいだで、互いの生への配慮・関心によって成立する空間)と「公共圏」(多くの人びとのあいだで、さまざまな問題が共有されコミュニケーションがおこなわれる空間)、および両者の関係の変容を中心に、社会学的に考察する。
・インターネットと社会(石井)
 インターネットは今や私たちの生活に無くてはならないものとなっている。本講義では、インターネットの発展の歴史を概観すると共に、インターネットが社会にもたらした恩恵と弊害について解説し、今後のインターネットの課題と可能性について考える。
Evaluation Methods and Policy ・各教員が提示するレポート課題及び平常点(授業参加への積極性等)により成績を評価する。(レポート点は80点満点、平常点は20点満点、合計100点満点とする)
・レポート課題は、現代社会と技術の関わりについて深い理解と考察が認められるものに高い点を与える。
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 予め指定の教科書を読むことを推奨する。
Textbooks Textbooks/References エネルギー・環境・社会”現代技術社会論”[第2版], エネルギー科学研究科、エネルギー社会・環境科学専攻編, (丸善株式会社), ISBN:4621082416
Related URL http://www.energy.kyoto-u.ac.jp/
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