Principle of Sustainable Agriculture

Numbering Code U-LAS61 10008 LJ78 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 1st & 2nd year students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Fri.4
Instructor name YOSHINO AKIRA (Graduate School of Global Environmental Studies Associate Professor)
SHINJYO HITOSHI (Graduate School of Global Environmental Studies Associate Professor)
TANAKA CHIHIRO (Graduate School of Global Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 私たちは今、世界中から食材を集めて、それを食べています。それは、世界中の水を、土壌を、森とそこで暮らす生き物を消費する行為でもあります。その一方で、日本の農村は疲弊し、かつてあった豊かな自然や文化が消失しようとしています。農業は環境にとって良いのか悪いのか、そうしたことを考える前に、まず世界で農業が農村がどうなっているのかについて知ってほしい。そして、その上で、あるべき農業の姿について自身で考えてもらいたい。環境と農業との関わりを考えることは、地球環境の中に人間をどう位置づけるかという問題と直接関わります。本講では、農業という側面から環境問題の現状とメカニズムについて、土壌学、森林生態学、環境経済学の観点から複眼的に学びながら、持続可能な社会と技術のあり方について考察していきます。
Course Goals 1.環境と農業との関わりを知るために必要とされる土壌学、植物病理学,並びに社会科学の基礎知識を習得する
2.環境と農業との関わりの現状について知る
3.環境と農業との関わりを持続的なものにするための施策や取り組みについて知る
4.現代の日本人の一人として、環境と農業の問題をどのように捉え、どのように行動していくべきかについて、自律的思考ができるようになる。
Schedule and Contents 第1講 解題
戦後の日本の食と農業の変遷を辿りながら、農業と農村環境、地球環境、並びに資源との関係について概説し、本講義で取り扱うテーマの位置づけを行う。(吉野)
第2講 農業生産と植物保護
生態学的見地から農業を俯瞰し農業技術と植物保護の必要性についてを説明する。(田中)
第3講 農薬とは
近代農業における基幹植物保護資材である農薬について、その法規制や食品添加物等の類似資材との異同を含めて解説する。(田中)
第4講 農薬の安全利用
農薬の使用や農産物摂取に際して要求される安全性の問題を解説するとともに、毒性学の基礎的な考え方を紹介する。(田中)
第5講 生態系における窒素の流れと農業
生態系における窒素の流れとその農業における改変について学び、窒素が引き起こす環境問題の根本的原因について考え、今後の日本の農業のあり方を思索する。(真常)
第6講 半乾燥熱帯アフリカの農業と砂漠化
土壌学の基礎知識・基礎理論をふまえ、半乾燥熱帯アフリカの農業を主に窒素の動態の観点から学び、農業が引き起こす砂漠化の現状について理解する。(真常)
第7講 乾燥帯における遊牧と砂漠化
モンゴルでは、千年以上にわたり、持続的な遊牧が行われてきたが、近年、遊牧スタイルが変化し、砂漠化の危機が指摘されている。講義では、砂漠化のメカニズム、乾燥地での自然環境の脆弱性、並びに、これに融和した人間の生業について学び、環境と調和した遊牧の持続性について考える。(真常)
第8講 砂漠化対処技術の開発と普及
土壌学の基礎理論をふまえ、住民が実践可能な砂漠化対処技術の開発と普及における課題について学び、途上国における環境保全のあり方について考える。(真常)
第9講 日本の食と農業
戦後日本農業の展開を辿りながら,日本の食と農業がどのように変容してきたか,また環境との関りはどうなってきたかを振り返る(吉野)
第10講 環境保全型農業の成立条件
農業を環境と調和したものにするための政策的手段について学び、農業・農村、政府、市場、消費者の役割について考える。(吉野)
第11講 環境保全型農業の実践
環境保全型農業の実践例を紹介しながら,環境保全型農業の実情と実現するための課題について考える(吉野)
第12講 里山の価値と保全に対する社会的取り組みの可能性
里山の価値と保全活動の必要性を理解し、行動しているボランティアやNPO会員の行動原理について学び、社会全体で行う農村環境保全の意味と可能性について考える。(吉野)
第13講 環境と調和した食循環への転換の可能性
農業を環境と調和したものに転換していくためには、農業・農村だけの取り組みではなく、食生活スタイルも含めた食循環そのものを見直さなければならない。講義では、環境保全型農業を支える流通と消費者の取り組みについて学び、食生活スタイルを含む食循環転換の可能性について考える。(吉野)
第14講 総合討論
第2講から第13講までの、農林業資源の過剰利用による環境問題と農業資源の放置による環境問題について学んだことをもとに、受講生の質問・意見を受け、講義担当者と受講生で討論を行う。(全員)
第15講 フィードバック
Evaluation Methods and Policy 毎回の授業でレポートを課し、以下に関する達成度を問う
1.講義で説明した環境と農業との関わりを知るために必要とされる土壌学、植物病理学、並びに社会科学の基礎的な知識が身についたか
2.講義で紹介した環境と農業との関わりの現状について理解したか
3.講義で紹介した環境と農業との関わりを持続的なものにするための施策や取り組みを理解したか
4.現代の日本人の一人として、環境と農業の問題をどのように捉え、どのように行動していくべきかについて、自律的思考ができるようになったか
Course Requirements None
Study outside of Class (preparation and review) 復習として、授業で紹介した基礎的概念や事例、トピックについて復習し、自ら情報を集め、自問することを求める。
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