Seminar on Sports Coaching B

Numbering Code U-LAS40 20011 SJ26 Year/Term 2022 ・ Intensive, Second semester
Number of Credits 2 Course Type seminar
Target Year 2nd year students or above Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Intensive
Instructor name TANAKA SHINSUKE (Institute for Liberal Arts and Sciences Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  前期の「スポーツ指導法ゼミナールA」での基礎実習をもとに、「森と水の島」とも呼ばれる屋久島を訪ねて、登山実習及びフィールドワーク実習を行う。その中で、野外生活活動と地域調査の基本を学び、自然及び地域社会の諸問題を繊細に感受して問題を新たに発見する力量を養成する。

 鹿児島県の南方に位置する屋久島は、西日本最高峰の宮之浦岳を始め標高2000m近い山々がそびえ立ち豊かな森を育んでいる。屋久杉の原生林は一時期全体の約80%まで伐採されたが、先見的な森林保護の活動によって残りの約20%の森が維持されて現在に到った。しかし近年、産業構造の変化や1993年の世界自然遺産登録後の観光客の大幅な増加によって、環境保護と住民生活の保障との両立が課題となっている。この授業では次の2つのテーマで現地実習を行う。
 1)登山実習 … 地域でのフィールドワーク実習に先立って、屋久島の山岳地帯の縦走登山実習を行う。亜熱帯から亜寒帯にいたる森を歩き、自然環境と動植物及び菌類の生態の変化を肌で実感しながら、屋久島の森林生態系の価値と特質を直接体験する。
 2)地域調査実習 … 歴史的・社会的諸条件の変遷が環境や地域住民の生活にどのような影響を与えてきたかについて共通テーマを設定し、共同でフィールドワーク実習を行う。また、各自で重要と考えるテーマを設定して地域調査を実施する。その際、自然・生態、生活・文化等の諸領域を複合した観点から、問題をできるだけ総合的に把握し考究することを試みる。
Course Goals  1)地域の問題の全体像を把握し、問題解決の方法と活動を構想し実践する力量を形成する。
 2)現地調査、また野外での生活技術及び登山の基礎技術を修得する。
 3)仲間と協力して共同でプロジェクト活動を構想し実践していく基本的な力量を養成する。
Schedule and Contents  南西諸島(屋久島)を対象とした登山実習及びフィールドワーク実習を実施する。現地実習にあたって、下記の準備ゼミを行う(*日程は受講生と相談)。
(1)(準備ゼミ):①対象地域の情報収集、②野外生活実習、ルートの選定とルートマップの作成、③食事計画と調理実習 、④登山装備の準備と携行登はん練習、⑤危険・緊急事態への対応、救急救命法実習
(2)(登山実習と地域調査):屋久島「宮之浦岳」縦走登山と現地調査実習を実施する。
1)時期:2022年10月下旬、または2023年3月中旬に集中で実施する。
2)縦走登山の準備:①交通アクセス方法の確認、②地域調査の準備、③登山計画の立案。
3)地域調査の準備:①地域問題の把握、②調査記録用紙などの準備、③地域住民との交流。
 *(準備実習):2022年の秋に、近畿圏の琵琶湖西岸にある比良山系、また長野県の八ヶ岳山系を対象として、準備的な登山実習を行う。
 *(必要な費用の概算):①(交通費)往復2万円、②(滞在費)民宿1泊6000円前後(山小屋は無料)、③(その他)調査費用など。交通費・食糧費は受講生による実費負担。
Evaluation Methods and Policy  現地での登山実習・地域調査の場面で、①活動の企画・実践力と指導力、②未知の諸問題へ対応する力、また③チームメイトと協力して活動に取り組む力を評価します。
 現地実習での活動状況(50%)と期末レポート(50%)をもとに総合的に評価し、教育の課題を考察します。
 また、この授業では、採点報告日(2月中旬頃)以降の3月に現地調査実習を実施するため、成績報告が遅れます。
Course Requirements  この授業は、前期開講の「スポーツ指導法ゼミナールA」と連続して開講しますので、その授業の履修を要件とします。また、このゼミは、全学共通科目「発達論」の姉妹科目として構成されています。「発達論」を事前に履修しておくことを推奨します。
Study outside of Class (preparation and review)  各授業のテーマと内容に応じて、事前に参考資料を調べてレジュメにまとめて授業で報告しあう予定です。そのほか授業時に適宜指示します。
Textbooks Textbooks/References  必要な学習事項については、プリント・資料を配布します。
References, etc. 植村直己と山で一泊, ・植村直己, (小学館)
Slow Walkers, ・田中真介, (季刊「発達」ミネルヴァ書房)
屋久島 ~島をめぐる旅で学ぶ森の生態と進化~, ・湯本貴和, (講談社)
 このほか、授業のときに適宜紹介します。

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