Basic Organic Chemistry I
Numbering Code | U-LAS13 10007 LJ60 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | Mainly 1st year students | Target Student | For science students | |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.3 | |
Instructor name | TAKIKAWA HIROSHI (Graduate School of Pharmaceutical Sciences Senior Lecturer) | |||
Outline and Purpose of the Course |
すべての分子は原子と原子がつながって構成されている。では原子同士はどうして結合し、多様な分子を形成するのであろうか?分子は化学構造の違いによりどうして異なる性質(物理的、化学的もしくは生物学的)を示すのだろうか?分子の多様な反応性(結合の生成や切断)は、何に起因するのだろうか?これらの疑問に答える学問が有機化学である。 本講義では、有機化学の講義と問題演習を通し、分子の構造と性質および反応性に関する基本概念・知識を習得することを目的とする。また、本授業では医薬品化学や生命化学に関連したトピックも時折紹介し、マクロな生命現象にも有機化学が深く関わっていることについて紹介する。 有機化学の基礎は整然と体系化されており、決して暗記の学問ではない。すなわち、有機反応は自然節理に基づいて進行するものであるため、基本原理や法則を理解することが重要である。 有機化学の基礎を習得すれば、複雑な現象も自己で考えることができるようになり、サイエンスとしての広がりや奥の深さを堪能することができるようになるだろう。誰でも全く新しい化合物や反応の創造者となり得る魅力的な学問である。ぜひとも前向きな態度で受講していただきたい。 |
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Course Goals |
・有機電子論的および軌道論的観点から有機化合物の基本的性質を理解する。 ・有機化合物の命名の基礎について理解し、化合物名と分子構造を関連づけられる。 ・有機分子の三次元構造を理解し、安定構造を説明できる。 ・アルカンやシクロアルカン、アルケンの基本的な性質を理解できる。 ・有機反応における電子の動きを矢印で説明できる。 |
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Schedule and Contents |
1.オリエンテーション:身の回りの有機化学 (1章)有機分子の構造と結合:イオン結合と共有結合、Lewis構造式 2.(1章)有機分子の三次元構造:原子軌道と分子軌道、混成軌道 3.(2章)分子の極性:電気陰性度、共鳴効果、誘起効果 (2章)酸と塩基1:ブレンステッド酸・塩基、ルイス酸・塩基 4.(2章)酸と塩基2:酸・塩基の強さ 5.(3章)アルカン1:様々な官能基 6.(3章)アルカン2:立体配座 (4章)シクロアルカン1:命名法、シスートランス異性、環ひずみ、立体配座 7.中間演習 8.(4章)シクロアルカン2:環反転 9.(9章)立体化学:キラリティー、エナンチオマー、ジアステレオマー 10.(5章)有機反応の概観:反応機構の書き方 11.(5章)有機反応の記述:エネルギー図、反応速度、遷移状態、中間体 12.(6章)アルケンとアルキン:命名法、安定性 13.(6章)アルケンの反応:求電子付加反応 14.総合学習と復習 15.期末試験 16.フィードバック 履修者の理解度を意識しながら授業の進度を調整することがあるため、上記授業計画と若干のずれが生じることがある。 |
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Evaluation Methods and Policy | ・定期試験(筆記)の成績によって評価する。 | |||
Course Requirements | 本講義は薬学部のクラス指定授業である。他学部生の履修も可能であるが、基礎有機化学II(大野浩章教授)と連携して講義を行うので、連続した履修が望ましい。 | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
予習:授業時の理解を深めるため、あらかじめ教科書の指定された範囲を通読することを薦める。 復習:教科書にある練習問題や章末問題を解いて自分の理解度を確かめる。全く分からなかった問題があった場合は、教科書にあるその項目や授業時に記録したノートをを精読して復習する。 |
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Textbooks | Textbooks/References | マクマリー有機化学 生体反応へのアプローチ(日本語訳版), John McMurry, (東京化学同人), ISBN:978-4-8079-0691-8 | ||
References, etc. |
クライン有機化学(上), David R. Klein, (東京化学同人), ISBN:9784807909032, 補足資料として講義に使用 電子の動きでみる有機反応のしくみ, 奥山格、杉村高志, (東京化学同人), 入門からやり直したい場合・初学者用 ウォーレン有機化学 上・下(日本語訳版), Jonathan Clayden, Stuart Warren, Nick Greeves, (東京化学同人), さらに深く勉強したい場合 分子模型セット, メーカーは問いません。分子の立体構造を理解するために役立ちます。 |