Basic Organic Chemistry II

Numbering Code U-LAS13 10010 LJ60 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 1st & 2nd year students Target Student For science students
Language Japanese Day/Period Mon.5
Instructor name SHIMOKAWA JUN (Graduate School of Science Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  科学の中でも有機化学は炭素を中心として扱う学問であり、機能性有機材料から生命現象まで、そのカバーする学域・産業は多岐にわたる。現在では、計算科学などを駆使して有用な分子構造を自らデザインし、うまく反応を組み合わせることで、ターゲット分子を狙って合成することができるようになりつつある。また一方で、体内で起こっているダイナミックな生命活動を記述するための一連の有機反応が徐々に明らかになってきており、場合によっては人為的に生命現象を操作することすら可能になりつつある。このように、人類未踏の機能物質を生み出したり、生命の神秘を分子レベルで紐解くためには、有機化学反応の根本原理である「反応機構」を理解することが必須である。
 本講義では、代表的な有機化学反応の反応機構を、電子の流れを示す巻き矢印を使って理解し、有機化学の基礎を習得することを目標とする。また、毎回の講義で解説する反応機構に結びつけて、機能材料開発や最先端の研究トピックについても紹介し、有機化学の魅力を伝える。
 学部・回生を問わず、多くの学生の履修を期待する。物質・生命に関わらず、分子とその振る舞いに興味をもつ全ての学生を対象とする。
Course Goals 基本的な有機分子の反応における電子の流れを、巻き矢印をつかって自ら描けるようになることを到達目標とする。これにより、有機分子の反応性予測や有機合成化学への応用展開を見据えた基礎を固める。
Schedule and Contents 初学者のために分子の反応機構を丁寧に解説するとともに、上級者でも楽しめる先端科学研究の一端を紹介する。以下に授業計画を示すが、巻き矢印をつかった反応機構の理解度に応じて講義の進度を調整することがある。

第1回 ディールズ・アルダー反応
   (有機分子の電子構造を理解する)
第2回 求核置換反応・脱離反応
第3回 SN2・SN1反応の反応機構
第4回 求核剤、脱離基、立体障害
第5回 E2脱離・E1脱離の反応機構
第6回 カルボニル化合物の反応
第7回 アルデヒド、ケトン、エステル、アミド、カルボン酸の電子構造
第8回 カルボニル化合物が求核攻撃を受ける反応機構
第9回 カルボニル化合物の反応性の序列
第10回 イミン生成反応と還元的アミノ化
第11回 エノール、エノラートが求核攻撃をする反応機構
第12回 芳香環上の置換反応の反応機構1
第13回 芳香環上の置換反応の反応機構2
第14回 共鳴の概念をもちいた反応性の理解
    《期末試験》(電子の流れを示す巻き矢印を使って基本的な有機反応の反応機構を書く)
第15回 フィードバック【1週】(方法は別途連絡します)
Evaluation Methods and Policy 定期試験の結果に基づき評価する。試験では、代表的な有機化学反応の反応機構を、電子の流れを示す「巻き矢印」を使って理解できているかどうかを問う。出席状況については考慮する場合がある。
Course Requirements 前期の理学部クラス指定科目「基礎有機化学 I 」(板東俊和・下川淳担当)に続く発展的な講義であり、それを事前に履修することが望ましい。ただし、初学者でも理解できるようにできるだけ配慮する。
Study outside of Class (preparation and review) 教科書を読んで予習しておくこと。
Textbooks Textbooks/References 有機化学要論-生命科学を理解するための基礎概念, 入江・津江編著他, (学術図書出版社), ISBN:978-4-7806-0441-2
References, etc. Organic Chemistry, Global Edition, Paula Yurkanis Bruice 著, (Pearson), ISBN:9781292160344, 理学部の有機化学の講義(IA, IB, II)ではBruiceの "Organic Chemistry, Global Edition" (第8版、英語版)を教科書として使用します。本授業でも本書の内容に触れることが多い。
PAGE TOP