Nonlinear Mathematics

Numbering Code U-LAS10 20011 LJ55 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 2nd year students Target Student For science students
Language Japanese Day/Period Thu.3
Instructor name ISO YUUSUKE (Graduate School of Informatics Professor)
FUJIWARA HIROSHI (Graduate School of Informatics Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course 自然現象・生命現象・社会現象などの諸現象の解析を現象の“数理モデル化”を通して行なうことは、古くから行われていることである。数理モデルの解析は数学解析、特に微分方程式の研究によって支えられ、また同時に解析学の研究の刺激となってその研究の深化に寄与している。20世紀前半までは線型化で得られる“線型モデル”が議論の中心であったが、コンピュータの飛躍的な発展と数学解析の進歩に伴って非線型モデルの解析が盛んになり、近年の先端的な科学・技術では「非線型性」に焦点を当てた解析が重要視されている。本講義では「非線型微分方程式と非線型現象」の数理解析の入門として、幾つかの具体例やその解き方を通して、非線型解析で必要となる基礎的な事項を講述する。また、非線型問題へのアプローチを通して数学解析・数値解析の面白さを実感してもらうことも一つの目標としている。
Course Goals 非線型問題の数理解析に必要な数学解析・数値解析等の基本事項の理解と修得を図る。
Schedule and Contents (1)非線型問題の初等的な例として代数方程式を取り上げ、その近似解法を非線型問題の数値計算アルゴリズムである Newton 法の視点から概説する。ここではいわゆる全根解法のアルゴリズムについても紹介する。(4回程度)

(2)現象の数理モデリングを概説し、いくつかの具体例について微分方程式を利用した数理モデリングを紹介する。(2回程度)

(3)前項で取り上げた微分方程式の数学解析と数値解析の基本的な事項を講述する。(5回程度)

(4)近年注目を受けている「分数階」方程式の考え方を紹介し、整数階方程式との相違などを解析学の視点から基礎的な事項を説明する。(4回程度)

講義内容は1回生で学修する微分積分学および線型代数の内容は既知とする。必要に応じて常微分方程式、函数論および函数解析等の少し高度な解析学の知識も利用するが、その場合には簡単な説明を行う。 なお、受講生の基礎学力や興味等を考慮し、
上記の4点の進め方や内容の一部を変更することがある。また、講義は担当者2名が適宜分担する予定である。内容の変更や分担の詳細は授業中に説明する。授業はフィードバック週も含めて15回実施される。

なお、フィードバック授業の内容については、授業の進捗状況や履修者の理解度を考慮して、別途指示する。
Evaluation Methods and Policy 原則として、定期試験のみによって成績評価を行なうこととし、その詳細は講義時に説明する。なお、受講生の理解度などを考慮してレポートを課すことがあるが、その際にはレポート評価を成績評価に加味することがある。また平常点(講義時の質問に対する優れた回答など)を成績評価に加味する場合もある。ただし、定期試験を実施した場合は、定期試験の成績で「不合格」扱いとなった者をレポート点や平常点により「合格」とすることはない。
気象警報等によって定期試験が実施できない場合は、レポート評価及び平常点をもって成績評価を行うことがある。
また成績の素点は、履修者の学修効果と学修成果を総合した上で点数を丸めて、96点、86点、76点、66点、60点、および50点以下の点数で表記する。
Course Requirements 1回生で学習する程度の微分積分学と線型代数の知識を既知とする。行列の対角化とJordan標準型等については必要となった際には、要点のみ補足説明を行う。
また「微分積分学続論」で学修する微分方程式やベクトル解析の知識は必要に応じて講義中に簡単に説明するが、その理解を深めるためにも本科目と並行して「微分積分学続論」の履修を強く勧める。
Study outside of Class (preparation and review) 講義時に演習問題が出された場合は、履修者が授業外でそれらに真摯に取り組んでいることを前提に授業を進める。
References, etc. 高等数学教程1巻ー12巻, スミルノフ, (共立出版)
数学解析(上・下), 溝畑 茂, (朝倉書店)
微分方程式序説, 岡村 博, (共立出版)
スミルノフのテキストは、やや古い本ではあるが、日本語(翻訳)で読める数学解析の体系としてまとまった優れた図書である。溝畑は和書としては珍しく微積分を「数学解析」の視点で扱っており、本講義の背景と通底する箇所も多い。岡村のテキストは、常微分方程式の初期値問題の理論としては最高峰の内容が微積分の知識だけで平易に述べられている。
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