Physical Anthropology II
Numbering Code | U-LAS14 20011 LJ68 | Year/Term | 2022 ・ Second semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | Mainly 1st & 2nd year students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.2 |
Instructor name |
NAKATSUKASA MASATO (Graduate School of Science Professor) MORIMOTO NAOKI (Graduate School of Science Associate Professor) |
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Outline and Purpose of the Course | 現在、地球には70億を超える人間が、赤道下から極地までの広大な範囲にわたり、著しく異なる多様な環境下に生活している。わたしたち人間(ヒト)という生物は、どのような過程を経て進化したのだろうか。人間社会の将来を考える上でも、ヒトの生物学的・進化学的背景を理解することは重要である。この講義では、ヒトの生物学的な側面に注目し、ヒト以外の霊長類も含めた視点から、その進化過程の理解を深めることを目的とする。 | ||
Course Goals | 人類進化に関する基本的知識を学び、ヒトの生物学的特徴の進化的背景について考察することにより、現生人類や霊長類の多様性について進化という切り口から説明できるようになる。 | ||
Schedule and Contents |
基本的に以下のプランに従って講義を進める。ただし講義の進みぐあい、理解度に対応して順序や同一テーマの回数を変えることがある。また、適宜最新の知見を盛り込むこともある。授業では、まずヒト以外の霊長類の進化と適応について講義し、人類が誕生した背景について理解を深める。ついで、人類の起源とその進化について講義する。主に化石人類を対象とし、現在知られている最古の人類から現代人に至る進化の道筋を解説する。 第1回 自然人類学とはどのような学問分野か 本講義で学習する内容の紹介 第2回 古人類学の調査、研究はどのように行われるか 最新の研究がどのように行われているかを具体的な形で学習する。 第3回 生物分類、進化論、化石生成論、地質時代 自然人類学を学ぶ上で基礎となる知識を学習する。 第4回 霊長類の誕生 霊長類の共通祖先とはどのような生き物だったかを学習する。 第5回 人類の進化段階 霊長類の祖先が現れて以降、人類がたどった進化段階(猿人、原人、旧人、新人)を網羅的に学習する。 第6回 「猿人」段階から「原人」段階 具体的な化石証拠をみながら、「猿人」段階から「原人」段階の進化を学習する。 第7回 「原人」をめぐる論争 近年の化石資料の充実により、どのように従来説が書き換えられているかを、具体的な事例を材料として学習する。 第8回 「旧人」ネアンデルタール 最もよく知られた化石人類であるネアンデルタール人に関する誤解をとき、人類進化上の位置づけを学習する。 第9回 「新人」我々の種 我々ホモ・サピエンスについて学習する。 第10回 最初期の人類 現在知られている、最初期の人類化石からどのようなことが分かっているのかを学習する。 第11回 二足歩行と骨格形態 二足歩行と関連した、ヒトの骨格形態の特徴について学習する。 第12回 骨の形態をどう評価するか 形態学で用いられている最新の技術を知ることで、骨の形態からどのような情報を引き出せるのかを学習する。 第13回 生活史と出産 ヒトの生活史、出産様式の特徴について学習する。 第14回 復習と人類学の最近の動向 ここまでの学習内容をふまえ、最近の研究によって得られた新知見について学習する。 第15回 期末試験・学習到達度の評価 第16回 フィードバック。フィードバック方法は別途連絡。 1回~2回:中務担当、3回~15回を森本担当(変更する場合は事前に周知します) |
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Evaluation Methods and Policy | 学期末の試験により評価する。詳細は授業で説明する。 | ||
Course Requirements | 前期にある自然人類学Iとあわせての履修が望ましい。高校での生物学の履修は必要ではない。 | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 次回の授業の理解につながるため、前回の授業内容についての復習することが望ましい。 | ||
References, etc. |
ヒトはどのようにしてつくられたか, 山極 寿一 編, (岩波書店) 新しい霊長類学, 京都大学霊長類研究所・編著, (講談社ブルーバックス) ヒトはどのように進化してきたか, ロバート・ボイド、ジョーン・B・シルク, (ミネルヴァ書房) 霊長類進化の科学, 京都大学霊長類研究所・編, (京都大学学術出版会) ヒトは食べられて進化した, ドナ・ハート、ロバート W.サスマン, (化学同人) 火の賜物―ヒトは料理で進化した, リチャード・ランガム, (エヌティティ出版) |