Introduction to Inorganic Chemistry A

Numbering Code U-LAS13 20003 LJ60 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year Mainly 2nd year students Target Student For science students
Language Japanese Day/Period Fri.2
Instructor name UCHIMOTO YOSHIHARU (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 理科系学生を対象として、無機物質の化学的、物理的性質を理解する上で基礎となる、原子分子の構造と化学結合を理解し、また物質の構造と性質の関係について修得することを目的とする。
Course Goals 無機化学における諸分野の内容を理解し、無機化学反応および無機材料の物性を理論的に説明できる。
Schedule and Contents 以下の項目等について,フィードバックを含め全15回で授業を進める予定である.

1.水素型原子の構造
 分子や固体の振る舞いを理解するために、原子について知る必要がある。量子論を定性的に用いて、電子を1個しかもたない水素型原子の構造について理解する。
2.多電子原子の構造
 多電子原子について、原子半径、イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度などの性質を理解する。
3.ルイス構造
 古典的な分子構造モデルであるルイス構造について取り扱い、分子の結合についての考え方を理解する。
4.原子価殻電子対反発モデルによる分子の結合角の予測
 ルイス構造の考え方を用いて、静電反発力と孤立電子対の影響に基づいた原子価殻電子対反発モデル(VSEPRモデル)の有効性について理解する。
5.原子価結合理論
 最初に発展した化学結合の量子力学的理論である原子価結合理論について理解する。
6.分子軌道理論
 原子軌道による原子の記述を分子軌道に拡張する。原子軌道の線形結合によってつくられる分子軌道について学び、分子の構成原理について理解する。
7.対称操作と点群
 分子の対称性と結合は密接に関係する。対称操作の考え方を理解するとともに、それを基に分子の点群の帰属を決定する方法について学ぶ。
8.指標表
 分子の対称性の性質についての系統的な解析を行うために、指標表について学ぶ。
9.対称性の応用
 学んだ対称性についての知識を基に、分子軌道の組み立てと標識付け、分子の振動についての考え方を理解する。
10.イオン性固体の構造
 最密充填構造から導かれる典型的なイオン性固体の構造について学び、その特徴を理解する。
11.ブレンステッドの酸塩基反応
 酸はプロトン供与体、塩基はプロトン受容体としたブレンステッドの酸塩基の定義について学ぶ。
12.酸性度定数
 プロトン移動の平衡は、化学種がプロトンを供与する強さの尺度である酸性度定数を用いて定量的に議論することが出来ることを学ぶ。
13.ルイスの酸塩基反応
 酸は電子対の受容体、塩基は電子対の供与体としたルイスの酸塩基の定義について学び、ブレンステッドの酸塩基の定義との関係を理解する。
14.酸塩基の「硬い」「軟らかい」分類
 酸塩基を「硬い」ものと「軟らかい」ものに分類し、ルイスの酸塩基反応の平衡について理解する。
Evaluation Methods and Policy 定期試験(80%)及び数回の小テスト(20%)により評価する。
Course Requirements 基礎有機化学I、IIおよび基礎物理化学(熱力学)・(量子論)を履修していることが望ましい。後半(無機化学入門B)の連続した履修を推奨する。
Study outside of Class (preparation and review) 複数回、復習を促すための小テストを課す。
シラバスに従い、事前に教科書の該当部分を予習すること。毎回のレポートについて、模範解答を講義するので、それについて復習を行うこと。
Textbooks Textbooks/References シュライバー・アトキンス 無機化学(上) 第6版, 田中 勝久、髙橋 雅英、安部 武志、平尾 一之、北川 進 訳, (東京化学同人), ISBN:9784807908981
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