ILAS Seminar :Competences, School, and Society
Numbering Code | U-LAS70 10001 SJ50 | Year/Term | 2022 ・ First semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | seminar | |
Target Year | Mainly 1st year students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Tue.5 | |
Instructor name | MATSUSHITA KAYO (Center for the Promotion of Excellence in Higher Education Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
テクノロジーの高度化、グローバル化、人口減少・・・。社会の変化は、そこで生きる人間に求められる力やその力の育成の仕方も変化させます。 これからあなたが生きていく社会では、どんな力が求められているのでしょうか。高校までの勉強の中であなたが身につけてきた“ガクリョク”は、あなたが生きていく上での力になるでしょうか。時代が変わっても、変わらず求められる力はあるのでしょうか。 学力や〈新しい能力〉を軸として、後期近代における学校教育のあり方、学校から社会への移行(トランジション)のあり方を考えるのが、この授業のテーマです。 前半は講義とディスカッション、後半はプレゼンテーションという授業形態をとることで、批判的に読み、論じ、書くための学び方を身につけてもらうこともめざしています。 |
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Course Goals |
・内容に関する目標:学力・能力を軸として、学校(大学を含む)と社会の関係、学校から社会への移行のあり方について考え、自分なりの見方をもつ。 ・能力に関する目標:批判的に読み、論じ、書くことができるようになる。 |
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Schedule and Contents |
■前半:講義とディスカッション 授業のテーマについての大まかな見取り図をもつ。講義だけでなく、各論点についてのディスカッションも織り込む。 第1回 オリエンテーション / 学力と能力―京大生の場合― 第2回 「大学生の学力低下」? 第3回 PowerPoint実習 第4回 対話型論証を学ぶ 第5回 ディスカッション―『ガタカ』の世界をめぐって― 第6回 エンハンスメントは許されるか? 第7回 世紀末学力論争の構図―学力と学力格差― 第8回 大学入試と教育格差 第9回 情報検索実習+問題設定 第10回 後期近代社会における能力 ■後半:プレゼンテーション 前半の講義で取り上げた論点(それに関連する論点も含む)のうち、自分の関心ある論点を選び、自らリサーチした内容について発表する。 第11回 プレゼンテーション① 第12回 プレゼンテーション② 第13回 プレゼンテーション③ 第14回 プレゼンテーション④、まとめ *期末試験の代わりにレポートを課し、そのフィードバックを個別に行う。 |
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Evaluation Methods and Policy |
■授業中の課題とディスカッション(20点)、プレゼンテーション(20点)、レポート(60点)に より評価する。プレゼンテーション、レポートの提出を行わなかった場合は、単位を与えない。 ■レポートは、以下の基準にしたがって評価する。*授業中に詳しく説明します。 ①背景と問題:与えられたテーマから自分で問題を設定する。(問題については、事実論題、価値論題、政策論題が区別されている。) ②主張と結論:設定した問題に対し、展開してきた自分の主張を関連づけながら、結論を導く。 ③論拠と事実・データ:自分の主張を支える事実・データを挙げ、それを解釈するための論拠(理論・原理・規則など)を示して、その事実・データを主張に結びつける。 ④対立意見の検討:自分の主張と対立する意見を取り上げ、それに対して反駁(問題点の指摘)を行う。 ⑤全体構成:問題の設定から結論にいたる過程を論理的に組み立て、表現する。 ⑥表現ルール:研究レポートとしてのルール・規範を守り、適した文章と言い回しを用いてレポートを作成する。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) |
・授業の前半は講義とディスカッションなので、講義内容に関連する資料を授業前に読むよう指示することがある。 ・授業の後半はプレゼンテーションなので、自分の発表について、問題を設定、リサーチし、パワーポイントにまとめることを、授業外学習として課す。 ・授業の終わりに、レポートを提出するので、レポート作成のための授業外学習も必要である。レポートは、発表した内容に対し他の受講者や教員から出された質問・意見をふまえて作成することとする。 |
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Textbooks | Textbooks/References | プリントを配付予定。 | ||
References, etc. |
〈新しい能力〉は教育を変えるか : 学力・リテラシー・コンピテンシー, 松下佳代編, (ミネルヴァ書房、2010年), ISBN:9784623058594 対話型論証による学びのデザイン, 松下佳代, (勁草書房、2021年), ISBN:9784326251490 多元化する「能力」と日本社会 : ハイパー・メリトクラシー化のなかで, 本田由紀, (NTT出版、2005年), ISBN:9784757141049 暴走する能力主義, 中村高康, (ちくま新書、2018年), ISBN:9784480071514 教育格差:階層・地域・学歴, 松岡亮二, (ちくま新書、2019年), ISBN:9784480072375 完全な人間を目指さなくてもよい理由:遺伝子操作とエンハンスメントの倫理, マイケル・サンデル(林芳紀・伊吹友秀訳), (ナカニシヤ出版、2010年), ISBN:9784779504761 *その他、授業中に紹介します。 |