The Chinese Classics I

Numbering Code U-LAS02 10011 LJ36 Year/Term 2022 ・ First semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.3
Instructor name NAGATA TOMOYUKI (Institute for Research in Humanities Associate Professor)
Outline and Purpose of the Course  この授業では中国の、主に宋代(960~1276)以前の短編物語(中編を一部含む)を読む。一口に中国の短編物語と言っても扱う題材は極めて幅広い。そのうち、ここでは犯罪、あるいは裁判に関わる作品を対象とする。現代につながる推理小説は、一般に19世紀の西洋で成立したと考えられている。それらと推理・犯罪を主題とする中国の古典的な物語とは、ある部分では共通の側面をもつが、その一方で異なる点も少なくない。現代の推理・犯罪小説を読み慣れた人々から見れば、内容が単純で描写も粗雑に感じられるかもしれない。
 ただ事件の提示、官憲の探索などを通じたその経緯の特定、犯人の摘発、時に裁判の過程を含む叙述から成る点は、今日の推理・犯罪小説と少しも変わらない。事件の発生で平穏な日常が大きく変化して人々が右往左往する姿は、いつの時代にも共通のことである。歴史書などに記録が残りにくい庶民の生活がやや詳しく描かれているのも、このような物語の特徴と言える。そういった意味で、そこに見られる記述は現代人にもごく身近に感じられ、我々をしばしば感心させもする。ここではそれらの中から、特に興味深く思われる物語を選んで読み進めていくことにする。
 
 このような読書体験を共有し、漢文を比較的自由に読みこなす読解力を高めること、それが授業の目的である。
 
 後期に開講される「漢文学II」(担当教員:永田知之)をあわせて受講することが望ましい。
Course Goals ・漢字についての、深くかつ広い知識を習得する。
・漢語についての理解を深める。
・前近代中国の思想・習慣を広く理解する。
・古典の文章を厳密に読み取り、正しく解釈する。
・人間の言語・会話について、何が普遍的で、何が個別的なのかを考察する。
Schedule and Contents  第1週 ガイダンス
 第2週 南北朝以前短編物語選読(1)
 第3週 南北朝以前短編物語選読(2)
 第4週 南北朝以前短編物語選読(3) 
 第5週 唐代短編物語選読(1)  
 第6週 唐代短編物語選読(2)
 第7週 唐代短編物語選読(3)
 第8週 宋代短編物語選読(1)
 第9週 宋代短編物語選読(2)
 第10週 宋代短編物語選読(3)   
 第11週 唐代中編物語選読(1) 
 第12週 唐代中編物語選読(2)
 第13週 唐代中編物語選読(3)
 第14週 まとめ
 第15週 期末試験
 第16週 フィードバック 

 テクストとして句読点などを付すだけで、返り点・送り仮名の無いプリントを配布し、受講者には毎回それを訓読・訳読してもらう。訓点に頼らず、文章の構造を理解しつつ、漢文(中国語古典文)を読解する力を身につけてほしい。また、これとあわせて当時の時代背景についても言及する。
 犯罪・裁判に関わる物語を集めた説話集をテクストに用いるが、さらにそれらと元になった資料の記事や関連する説話とを比較することで、叙述における態度の相違や各文献の独自性をも考えたい。この講義を通じて、古典漢文を味読する過程を体験してほしい。
Evaluation Methods and Policy  平常点(出席状況・授業中の発表、討論への参加)と期末試験(筆記)の点数を組み合わせて評価する。評価の6割は平常点、4割は期末試験(レポートとする場合もあり得る)による。
Course Requirements  毎回予習をする者。
Study outside of Class (preparation and review)  漢文を読むには漢語を知らなければならないから、この授業では語彙や文章の構造についてはできるだけ詳しく解説するつもりであるが、受講者が自ら漢和辞典を引いて分かることまでは説明しない。従って予習の段階で分かる部分と分からない部分とを区別し、自分なりに内容を理解した上で授業に参加してもらいたい。
Textbooks Textbooks/References  プリントを配布する。
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