Introduction to Civil Procedure
Numbering Code | U-LAS06 20009 LJ41 | Year/Term | 2022 ・ Second semester | |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture | |
Target Year | All students | Target Student | For all majors | |
Language | Japanese | Day/Period | Wed.2 | |
Instructor name | HONDA TOSHIO (Graduate School of Law Professor) | |||
Outline and Purpose of the Course |
主として、民事第一審訴訟について、訴えの提起から審理・判決を経て強制執行による権利の実現までの民事訴訟手続の流れ、民事訴訟審理の基本原則等を学んで、民事裁判の仕組みを体系的に理解することを目的とする。 講義に際しては、身近な民事紛争の事例を取り上げて、民事裁判(訴訟)の特質を理解できるようにするとともに、元裁判官の経験を活かして、民事裁判が実際にどのように進められるのか、裁判官はどのような判断過程を経て結論を導き出しているか、対立矛盾する証拠の信用性をどのように評価して事実を認定しているかなどについて、具体的に講義する。 |
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Course Goals | 民事第一審訴訟の手続の流れと実際の進め方、民事訴訟審理の基本原則等を学び、民事裁判の基本的な仕組みについて体系的な理解を得るとともに、紛争解決に向けた法的対応能力(事案を的確に分析して法的に論証する能力)の基本を身につける。 | |||
Schedule and Contents |
基本的に以下の計画に従って講義を進める。ただし、講義の進み具合、受講生の理解度に応じて順序や同一テーマの回数を変えることがある。また、提出された課題レポートについての解説・講評を適宜行う。 第1回 授業のガイダンス/私的紛争の発生とその解決方法 -私的紛争の解決のためにどのような方法があるか? 第2回 裁判制度の概要/紛争処理制度としての民事訴訟の特質 -日本の裁判制度の概要(裁判所の組織、審級制度、合議制・単独制等) -様々な紛争解決方法のなかで民事裁判(訴訟)にはどのような特質があるか? 第3回 民事訴訟手続の流れ-訴えの提起から判決に至るまで(概説) -民事訴訟はどのように進められるか? 第4回 民事裁判の判断の構造/裁判官の判断形成過程の実際、要件事実の意義と機能 -裁判官は権利又は法律関係の存否をどのようにして判断するのか? 第5回 訴えと請求(訴えの種類/訴状と答弁書/訴法上の請求) -どのような訴えがあるか? -訴訟上の請求の意義と特定 第6回 民事訴訟の審理の基本原則(審理における当事者と裁判所の役割/職権進行主義/処分権主義と弁論主義) -民事訴訟の審理はどのような原則に則って進められるか? 第7回 弁論主義/口頭弁論と争点整理(弁論主義と釈明/口頭弁論における審理の原則/弁論の準備と争点及び証拠の整理手続) -どのような手続で審理(弁論と証拠調べ)が進められるか? 第8回 争点中心の審理/争点整理の重要性と集中証拠調べ -争点整理とは具体的に何をすることか? 第9回 事実認定と証拠(1)(民事裁判における事実認定の特質/証明責任/自由心証主義/直接証拠による認定と間接事実による推認/経験則の機能等) -事実認定はどのようなルールに従って行われるか? 第10回 事実認定と証拠(2)(証拠調べの手続/証拠の信用性判断) -事実認定をするためにどのような証拠調べが行われるのか? -裁判官は対立矛盾する証拠の信用性をどのようにして判断するのか? 第11回 事実認定と証拠(3)(書証)・法の適用(法解釈/判例の意義・拘束力等) -文書の証拠力はどのように判断されるか? -裁判実務において判例はどのような役割を果たしているか? 第12回 訴訟の終了(訴訟の終了事由/判決とその効力) =訴訟はどのような場合に終了するのか? -判決はどのような効力を有するか? 第13回 和解の意義と効用 =訴訟上の和解の効力、訴訟上の和解のメリットと問題点 第14回 専門訴訟(医療過誤、建築紛争等専門的知見を必要とする訴訟) -専門訴訟の審理の特色は何か? 第15回 フィードバック *フィードバックの具体的実施方法は後日連絡する。 |
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Evaluation Methods and Policy |
レポート(3回、第1、2回は各30点、第3回は40点)により評価する。 レポートの提出は必須である。課題に対するレポートの作成・提出方法は授業時に指示する。レポートは、与えられた課題について、授業で提供した民事裁判の基本的知識をもとに、自分の考えを論理的かつ明確に展開できているかを基準に評価する。 【評価基準】*平成26年度以前のカリキュラムの適用学生 到達目標について以下の評価基準に基づき評価する。 80~100点:目標を十分に達成しており、優れている。 70~ 79点:目標について標準的な達成度を示している。 60~ 69点:目標につき最低限の水準を満たすにとどまる。 0~ 59点:目標について最低限の水準を満たしておらず、さらに学習が必要である。 【評価基準】*平成27年度以降のカリキュラムの適用学生 到達目標について以下の評価基準に基づき評価する。 96~100点:目標を十分に達成しており、とくに優れている。 85~ 95点:目標を十分に達成しており、優れている。 75~ 84点:目標について良好な達成度を示している。 65~ 74点:目標について標準的な達成度を示している。 60~ 64点:目標につき最低限の水準を満たすにとどまる。 0~ 59点:目標について最低限の水準を満たしておらず、さらに学習が必要である。 |
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Course Requirements | None | |||
Study outside of Class (preparation and review) | レジュメの該当箇所について参考書等を手がかりに予習して授業に臨み、授業後は、必要に応じて参考書等も参照しつつ何を理解できたか確認することが望ましい。特に準備が必要な場合は授業中に別途指示する。 | |||
Textbooks | Textbooks/References |
教科書は特に指定しない。 事前にレジュメ及び設題等をKULASISに登載する。 小六法(デーリー六法、ポケット六法等。どこの出版社のものでもよい)は必須。 |
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References, etc. | 民事裁判入門[第3版補訂版], 中野貞一郎, (有斐閣), ISBN:978-4-641-13623-6 | |||
Courses delivered by Instructors with Practical Work Experience |
分類: A course with practical content delivered by instructors with practical work experience Details of Instructors’ Practical Work Experience: 裁判官経験:約36年(民事、刑事、家事、少年)。民事関係では、第1審の地方裁判所及び第2審の高等裁判所で、それぞれ裁判長及び陪席裁判官を経験した。 Details of Practical Classes Delivered: 民事裁判に関する基本的知識を提供するとともに、裁判官として具体的事件を通じて考えたことを伝え、紛争解決に向けての裁判官や裁判所の役割について、学生とともに考えたい。 |