Economics II

Numbering Code U-LAS06 10008 LJ43 Year/Term 2022 ・ Second semester
Number of Credits 2 Course Type Lecture
Target Year All students Target Student For all majors
Language Japanese Day/Period Mon.2/Mon.3
Instructor name DAIKOKU KOUJI (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor)
Outline and Purpose of the Course 規格化された経済学をそのまま祖述するのではなく、経済学の歴史を、おもに貨幣という視角から通覧することによって、経済学への導入を図る。経済学の歴史を通覧すると、マルクス経済学と近代経済学の2つだけでなく、学派の数だけ3つも4つも、あるいはそれ以上に理論が存在することを思い知るであろう。しかしこのことは、理論が時代と地域の特殊性に制約されるという、ありふれた相対主義を意味するわけではない。この講義では、経済学の隣接諸分野をも射程に入れて、異分野にまたがる初学者を経済学に導きいれる工夫をする。それと同時に、経済学のあらたな対立軸を模索することを試みたいと思う。後期の経済学Ⅱでは、重商主義と古典派経済学を歴史上一回限りのものと見なすのではなく、両者の対立が現代にも持ち越されているという視角から、現代社会の問題を探っていく。
Course Goals 経済思想の歴史を、単線的に進歩していくものと見なしたり、逆に各時代の思想の相対的独立性のみに目を奪われるのではなく、過去の要素が独自に読み替えられながら、現代にまで持ち越されるという点に留意して見直してみる。経済学Ⅱではおもに、貨幣をめぐる対立的見解を軸に、資本主義の本質を探ることを目指す。
Schedule and Contents 以下のようなテーマについて、各1~2回で考察する。

1.重商主義から古典派へ
   ヒューム
    (貨幣数量説と連続的影響説の関係を説く)
   スチュアート
    (貨幣数量説批判と為政者の意義について説く)
   重農主義
    (自然の支配と啓蒙専制主義について説く)

2.古典派経済学と貨幣数量説
   スミス
    (富と徳の関係について検討する)
   リカード
    (貨幣数量説と自動調整機構について説く)
   通貨論争
    (ソーントンや地金論争と比較しながら説く)

3.マルクスの「経済学批判」
   価値形態論
    (売買の非対称性を説く)
   信用創造論
    (貨幣資本と現実資本の関係を検討する)
   中央銀行とバジョット
    (準備金の意義を検討する)

4.貨幣的経済理論の系譜
   北欧学派
    (利子間隔説を検討する)
   オーストリア学派
    (貨幣の譲渡可能性、貨幣の非国有化などを検討する)
   ケインズ
    (流動性選好、ルールと裁量について説く)

なお、必ずしも上記計画通り進まない場合がある。
(授業回数はフィードバックを含め全15回とする)
Evaluation Methods and Policy 後期試験の成績による。
Course Requirements 経済学Ⅰ(大黒担当)の連続した履修が望ましい。
Study outside of Class (preparation and review) 比較的早い時期に、経済学史を通覧した簡便な本を通読しておくことが望ましい。経済学史上の古典を一つ選び、講義の進行とともに読み進めると学習効果が上がる。
References, etc. 模倣と権力の経済学:貨幣の価値を変えよ(思想史篇), 大黒弘慈, (岩波書店), ISBN:978-4000253208
マルクスと贋金づくりたち:貨幣の価値を変えよ(理論篇), 大黒弘慈, (岩波書店), ISBN:978-4000253215
 その他、授業中に適宜紹介する。
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