Economics I
Numbering Code | U-LAS06 10007 LJ43 | Year/Term | 2022 ・ First semester |
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Number of Credits | 2 | Course Type | Lecture |
Target Year | All students | Target Student | For all majors |
Language | Japanese | Day/Period | Mon.2/Mon.3 |
Instructor name | DAIKOKU KOUJI (Graduate School of Human and Environmental Studies Professor) | ||
Outline and Purpose of the Course |
規格化された経済学をそのまま祖述するのではなく、経済学の歴史を、おもに貨幣という視角から通覧することによって、経済学への導入を図る。経済学の歴史を通覧すると、マルクス経済学と近代経済学の2つだけでなく、学派の数だけ3つも4つも、あるいはそれ以上に理論が存在することを思い知るであろう。しかしこのことは、理論が時代と地域の特殊性に制約されるという、ありふれた相対主義を意味するわけではない。この講義では、経済学の隣接諸分野をも射程に入れて、異分野にまたがる初学者を経済学に導きいれる工夫をする。それと同時に、経済学のあらたな対立軸を模索することを試みたいと思う。前期の経済学Ⅰでは、経済とは何か、経済人とは何か、貨幣とは何か、という本質的問いを古典古代にまで遡って追究する。 |
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Course Goals | 教科書化された既成の経済学の断片的知識を習得するのではなく、経済とは何か、貨幣とは何か、資本主義とは何かという本質を問う姿勢を身につける。前期はおもに、古代・中世にまで遡ることによって、経済(オイコノミア)の源流=本質を探ることを目指す。 | ||
Schedule and Contents |
以下のようなテーマについて、各1~2回で考察する。 1.経済学の方法 考古学と系譜学 (単線的な歴史観を相対化する) 共和主義研究、経済人類学、世界システム論 (古代的なものの意義を確認する) 貨幣数量説と貨幣的経済理論 (貨幣の二元性を浮き彫りにする) 2.アリストテレスと貨幣の無限 シュンペーターとマルクス (両者の貨幣理論を比較する) プラトン (表券主義的貨幣観を検討する) アリストテレス (金属主義的貨幣観を検討する) 3.中世の経済思想 トマス・アクィナス (公正価格と高利反対について検討する) オレームとコペルニクス (鋳造貨幣論と地動説の照応を発見する) グレシャムの法則 (貨幣の二元性を再確認する) 4.重商主義と貨幣の資本機能 重金主義 (グレシャムの法則から価格革命への移行を説く) 貿易差額主義 (富としての貨幣から資本としての貨幣への移行を説く) 紙幣重商主義 (信用創造の先駆をローに即して説く) なお、必ずしも上記計画通り進まない場合がある。 (授業回数はフィードバックを含め全15回とする) |
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Evaluation Methods and Policy | 前期試験の成績による。 | ||
Course Requirements | 経済学Ⅱ(大黒担当)の連続した履修が望ましい。 | ||
Study outside of Class (preparation and review) | 比較的早い時期に、経済学史を通覧した簡便な本を通読しておくことが望ましい。経済学史上の古典を一つ選び、講義の進行とともに読み進めると学習効果が上がる。 | ||
References, etc. |
模倣と権力の経済学:貨幣の価値を変えよ(思想史篇), 大黒弘慈, (岩波書店), ISBN:978-4000253208 マルクスと贋金づくりたち:貨幣の価値を変えよ(理論篇), 大黒弘慈, (岩波書店), ISBN:978-4000253215 その他、授業中に適宜紹介する。 |